はじめに
ナタデココのブームは1993年が最盛期です。日本ではフジッコのみが製造をしています。残念ながら1994年にはブームは去りました。しかし、ナタデココは噛み応えがあるので満足感があり、低カロリーのため現在でもダイエット食品として女性に人気です。ナタデココは自宅で作れるのでしょうか。
ナタデココとは?
発酵食品
スペイン語で、ココナッツ水の表面の膜(まく)の意味が「ナタ・デ・ココ」です。この膜が発酵とともに厚くなります。驚く方も多いかもしれませんがナタデココは発酵食品です。発酵食品といえば、納豆や味噌など匂いがあるイメージですが、匂いがないため発酵食品に思えないですね。何が原材料になっているかも、想像できませんが順番に紹介します。
発祥の地
ナタデココはフィリピンのルソン島生まれで、実に100年以上も愛されている歴史ある食べ物です。原料となるナタ菌は、フィリピン政府が輸出を規制していて、残念ながら日本では入手困難です。
成分
ナタデココの成分は何でしょう?ほとんど水で、残りの1%が食物繊維です。聞きなれないですが、その食物繊維を微生物セルロース(バクテリアセルロース)といいます。今、この素材に注目が集まっています。折り曲られる、薄型ディスプレイができる可能性がありますよ。
ナタデココの原材料
ナタデココの見た目は、寒天やゼリーに似ています。柔らかい食感を想像しますが、実際は弾力のあるプリプリとした食感です。では、ナタデココは一体何から作るのでしょう。
原材料①ココナッツウォーター
ココヤシの実である、ココナッツはナタデココを作るのに欠かせない材料です。果実の中の透明の水、ココナッツウォーターを使います。天然の点滴といわれるココナッツウォーターは、カリウムやカルシウム、マグネシウムなどの成分が含まれた、栄養豊富なドリンクです。
原材料②ナタ菌
ナタ菌とは酢酸菌である、アセトバクター・キシリナムの一般的に広まっている名前です。酢酸菌を使った食べ物は、ナタデココ以外に紅茶キノコ、カスピ海ヨーグルト、スメタナ、食酢があります。酢酸菌とは細菌の一種で、アルコールが酸化発酵して、酢酸をつくりだす細菌の総称です。
紅茶キノコ
日本で「コンブチャ」の名前で知られている、紅茶キノコです。砂糖を加えた紅茶や緑茶を発酵させた、酢酸の飲み物です。紅茶きのこは、健康茶としてブームになりました。
カスピ海ヨーグルト
欧州の黒海とカスピ海に挟まれた、コーカサス地方に伝わるヨーグルトです。牛乳にスプーンに2、3杯分のカスピ海ヨーグルトを加え常温で置きます。次の日に柔らかいヨーグルトになります。
ヌメタナ
スメタナとは聞きなれない名前ですが、日本ではサワークリームと混同して広まっています。正確には別の製法で作られる食べ物です。東欧原産の発酵乳の一種で、低温でも発酵が進みます。乳酸菌と酢酸菌が一緒に発酵し、酸素があることで酢酸菌が発酵する食べ物です。
答えは、「ココナッツウォーター」「ナタ菌」「水」「砂糖」「酢酸」の材料でナタデココができます。