はじめに
庭先や雑木林の日陰で見かけるどくだみはとても身近な雑草といえます。梅雨の期間に白い花を咲かせる姿は可憐ですが、独特な匂いを苦手とする人は多いのではないでしょうか。どくだみは民間薬に用いられ、漢方では10個の薬効を持つ薬草として健康づくりに役立ってきました。生の葉には抗菌作用、乾燥させてから煎じて煮出すと利尿作用や高血圧の予防に効き目があるとされるどくだみから作る「どくだみ茶」をご紹介します。
どくだみとは
日本、中国をはじめ東南アジアに分布し、日本では北海道を除く本州・四国・九州・沖縄の木陰、日陰~半日蔭の湿った藪や人里の庭に群生する多年草です。生命力はとても強く地下に張りめぐらされる地下茎から芽を伸ばしてどんどん増えていき、根っこの一部が土中にあると庭などでどれだけ掘り返して抜いても、いつのまにか増殖してくるガーデナー泣かせの植物といえます。
欧米では旺盛な繁殖力が日陰でもグリーンでおおえて手間いらずと人気です。ベトナムのどくだみは日本産よりも匂いが弱いのが特徴ですよ。
どくだみ茶の効果
どくだみ茶を煎じて煮出した成分にはクエルシトリンをはじめとする多種のフラボノイドやカリウムなどのミネラルが豊富に含まれています。どくだみ茶を摂取することによって老廃物の排出をうながし利尿や便秘の解消、むくみ・吹き出物などの改善、高血圧などの生活習慣病の予防、アトピーなどの体質改善などのいろいろな健康づくりに期待ができます。
どくだみ茶に含まれる主な成分
- クエルシトリン
- イソクエルシトリン(ケルセチン・クェルセチン)
- カリウム
- カルシウム、鉄、亜鉛、マンガンなどのミネラル
どくだみの特有な匂いが苦手な人は多いですよね。乾かすと匂いはほとんど飛んでしまいますよ。
どくだみ茶の効果①毒素の排出をうながす
どくだみの葉や茎に含まれる、カリウムは余分な体内の水分・毒素や老廃物を排出する働きがあります。クエルシトリンには利尿作用や便を緩くする効能があるため便秘の改善が期待でき、毒素を取り除く効果、新陳代謝を活性化してくれるのでむくみの解消にもつながります。
どくだみ茶の効果②肌トラブル改善
便秘が続くと腸全体の働きが滞りがちで、血行や新陳代謝もスムーズでなくなります。また老廃物が腸内で溜まることで毒素が出てしまい肌のキメをみだして、吹き出物やシミ・ニキビができるなどの肌トラブルの原因にもなります。クエルシトリンの便を緩くする効能で慢性の便秘解消が期待でき、それに伴うニキビや皮膚疾患の改善にも有効とされているのです。
美肌効果への期待
美肌を保つには皮膚表面のケアだけでは不十分です。体内の老廃物や毒素を滞ることなく排出されることでむくみが解消され老廃物が取り除かれるので血液やリンパの循環がよくなります。循環が好転することで吹き出物やニキビなどの肌トラブルの改善・予防に加えて、内側から肌に適切な潤いをキープし美肌へのステップアップが期待できるのです。
どくだみ茶の効果③血行促進
クエルシトリンをはじめとする多種のフラボノイドは毛細血管を強化し、特にイソクエルシトリンは腸でケルセチンに変化して血液をサラサラにします。豊富なカリウムは余分なナトリウムを体内から排出し高血圧の予防にも役立つのです。また血行をよくするので、血圧を安定させ動脈硬化など生活習慣病の予防効果も期待できます。
どくだみ茶の効果④体質改善
毛細血管の強化で血行がよくなると、血液やリンパの流れがスムーズになるので毒素が排泄されやすくなります。毒素がなくなることで体にそなわっている免疫力がアップし、アトピーなどのアレルギーが改善するケースもあるのです。
名前の由来は毒の痛みに効く「毒痛み」が転じてどくだみになった説、「毒を矯める」「毒止め」が転じた説などが有力とされとるぞ。