生麩とは?
京都発祥の伝統的な食べ物
田楽や煮物の彩りとして人気の生麩は、1000年ほど前に中国から京都へ伝わってきたものとされています。当時は肉を食べられない僧侶たちの間で、食べ応えがありタンパク質も豊富な生麩は重宝されていました。現代では、低カロリーで消化吸収にも優れているため、ダイエットや健康維持のための食品としても人気があります。
もちもち食感の理由
小麦粉の中にある、グルテンと呼ばれるものだけを取り出して蒸したものが生麩です。グルテンと呼ばれるタンパク質は、蒸すことで独特のもちもちとした食感になります。さらに白玉粉を練り込んでから蒸すと、もちもち感がぐんと際立った「麩まんじゅう」ができます。麩まんじゅうは、京都土産としても人気のお菓子です。
生麩は簡単に作れる!
必要な材料は3つだけ
材料が手に入りにくく、作るのが困難なイメージをもたれやすい生麩ですが、実際に必要な材料は多くありません。家庭で常備していることの多い「強力粉」「塩」「水」だけで作れます。
混ぜる材料でオリジナルのアレンジも
手作りすると、アレンジや食べ方は自由自在です。ココアパウダーを入れてもちもちの生チョコのようにしたり、梅しそチューブを練り込んでおつまみ風にしたりと、自分好みの生麩が作れます。
生麩の作り方
必要な道具と材料
必要な道具
- ボウル
- 生麩を茹でるための鍋
材料(3〜4人分)
- 強力粉:2カップ(約210g)
- 水:150ml
- 塩:ひとつまみ
作り方
ボウルに材料を全て入れて混ぜる
ボウルに強力粉、塩、水を入れて混ぜましょう。生地がある程度のまとまりになったら、ボウルから出して手でこねます。最初はベタベタしてこねにくいですが、10分〜15分ほど続けるとベタつかなくなります。
ベタベタが気になるときは、使い捨ての手袋をはめて作業するといいですよ。
冷蔵庫で1時間ほど寝かせる
ボウルや深めのお皿に生地を入れてラップをかけ、冷蔵庫で1時間寝かせます。生地を寝かせているあいだに、トッピングなどの準備をしましょう。
水の中で生地をもみ洗いする
寝かせた生地を冷蔵庫から取り出し、ボウルにはった水の中でもみ洗いします。水が白くにごったら新しい水に変えて、さらにもみ洗いしてください。何度か続けると、水がにごらなくなっていきます。にごらなくなった水の中に残った生地が、もちもち食感の正体である、グルテンのみを取り出した状態です。生麩の生地はほぼ完成です。
白くにごっているのは、水溶性のタンパク質とデンプンが水にとけたもので、残っているのはグルテンなの。グルテンは水にとけないのよ。
味にアレンジを加えるならこの段階
水洗いが終わった生地をボウルから取り出します。味や色でアレンジを加えるのなら、この段階でしましょう。取り出した生地に、すりごまや抹茶パウダーなどを混ぜてこねるだけなので簡単です。食用色素などで、色だけアレンジするのもカラフルでかわいらしいですよ。
沸騰したお湯で茹でる
生麩の作り方には蒸す方法もありますが、今回は沸騰した湯で茹でます。まず、生地を食べやすい大きさにしましょう。棒状にして包丁で切る、丸める、自分の好きな形を作ってもよいですね。鍋に沸かした湯の中に入れて2~3分茹で、ザルにあげれば完成です。グルテンのおかげでもちもちとした食感の生麩ができますよ。
手作り生麩のアレンジレシピ3選
手作りした生麩を、おいしく料理しましょう。おいしい食べ方を知って、普段の食事やおもてなし料理にも取り入れてくださいね。
レシピ①生麩田楽
まずは、定番人気の生麩田楽です。甘くてしょっぱい田楽味噌は生麩にぴったりです。お茶請けとしても喜ばれます。
材料(2人分)
- 生麩:100g
- 味噌:大さじ1
- めんつゆ(2倍濃縮がおすすめ):大さじ1
- 砂糖:小さじ2~大さじ1(お好みで)
作り方
- オーブントースターにアルミホイルを敷く
- 生麩を1のオーブントースターで両面に焼き色がつくまで焼く(片面3〜5分ずつ)
- 味噌、めんつゆ、砂糖を混ぜて田楽味噌を作る
- 生麩を皿に盛り付け、田楽味噌をかける
- お好みでゴマやきざんだ大葉をちらす
レシピ②麩まんじゅう
京都で人気の麩まんじゅうを手作りしてみましょう。白玉粉を入れて蒸すことで、よりもちもちとした食感が楽しめる、おいしい食べ方です。
材料(2人分)
- 茹でる前の生麩生地:200g
- 白玉粉:50g
- 水飴(砂糖):大さじ2
- 餡:適量
- お好みでゴマやよもぎなど:適量
作り方
- 水洗いの終わった生麩生地を、常温で1時間以上休ませておく
- 休ませた生地に、白玉粉と水飴(お好みでよもぎやゴマ)を入れてよくこねる
- 水を入れながら耳たぶよりも柔らかいくらいに生地のかたさを調節する
- お好みの大きさに分けた生地を手や麺棒で伸ばし、餡を包む
- 濡らしたさらしで生地を包み、蒸し器で10〜15分蒸す(水は沸騰したときに生地に触れない高さ)
レシピ③揚げ出し生麩
生麩を揚げ出し豆腐のように食べる、少し変わった食べ方もおいしいですよ。揚げ出し豆腐と違い、水切りの手間がないので揚げ出し生麩のほうが簡単かもしれません。
材料(2人分)
- 生麩:100g
- 片栗粉:適量
- 揚げ油:適量
出汁
- だし汁:1/2カップ(100ml)
- 醤油:大さじ1と1/2
- みりん:大さじ1と1/2
- 大根おろし:適量
- おろし生姜:適量
作り方
- 生麩を食べやすい大きさに切り、片栗粉をまぶす
- 低音の油で揚げる
- 皿に盛り付け、出汁をかける
- お好みで大根おろし、おろし生姜をのせる
おいしい生麩を作ってみましょう!
生麩は、手に入りやすい材料で簡単に作れます。いつもの食卓に、ぜひ取り入れてみましょう。アレンジレシピもあわせて試してみてくださいね。
出典:写真AC