ミニ門松の作り方
それでは、日本の正月の時期に欠かせない門松を、ミニサイズで手作りする方法を紹介していきましょう。刃物を使うので怪我には十分気をつけてください。
門松の作り方①土台の竹を切る
竹を切る前に、竹の上下の見分け方について知っておきましょう。門松は神様の依り代となるものなので、できれば上下が逆さまにならないように作ります。画像左のように、節にひっかかりがある側が上です。節は下側に向かって大きくくぼんでいることもありますし、直径10cm前後の竹になると節付近はとても硬くなっているので、底を切るときには節から2cm程度下を切ります。
鋸を持たないほうの手に軍手
すべり止め付きの軍手ならば両手にはめてもよいですが、すべり止めがない場合は鋸を持つほうだけは外します。鋸を握る手は滑らないように、竹を押さえる手は刃で傷つけないようにするためです。画像のように切る竹に枕をし、利き手側に切り落とす部分がはみ出すように乗せて切ります。枕がない場合は、椅子などの上にぼろきれなどを敷いて転がらないようにしてもよいでしょう。
門松の作り方②真ん中の竹を斜めに切る
「寸胴」型の門松を作る場合は真ん中の竹も、土台部分と同じようにまっすぐに切れば大丈夫です。しかし「そぎ」にする場合は斜めに切る必要があります。思い切って斜めにするほうが格好いいかもしれませんが、慣れない方でも切りやすいのは60°程度の角度です。体験教室などでは画像のようなガイドを用意してくれる場合もあります。
斜め切りは角度を揃える
ガイドがない場合は鉛筆やマジックで線を引いておくと切りやすくなります。1本切ったら、その竹を次に切る竹に当てて角度を写し、3本の斜めの角度が揃うように切るときれいです。また、節が同じ高さに揃うと束ねにくいので、次の画像のように、3本を束ねた時の節の位置がずれるように意識しましょう。節にかけて斜めに切ると笑っているようになりますが、節でない場所を切るよりは硬いです。
門松の作り方③真ん中の3本の竹を立てる
真ん中の3本の竹が斜めに切れたら、高さを変え、斜めの面が同じ方向を向くように揃えて束ねます。対で作る場合は左右が対称になるように作るのが一般的です。土台となる竹からどのくらい上に出したいのかを考えて、土台からはみ出さないように下の方を紐やガムテープで固定します。下の余分な部分を水平に切りそろえましょう。
こもや縄を巻く
土台にこも(藁)や縄を巻きたい場合は、この段階で巻きます。本来の門松では縄を下から7本、5本、3本になるように巻くのですが、ミニ門松ではたくさん巻けないかもしれません。その場合は、7、5、3本など奇数にします。本来は「男結び」と呼ばれる結び方をしますが、コマ結びでもOKです。竹がきれいな面を前面に決め、こもの端や結び目が後ろ側にくるようにします。
真ん中の竹を固定する
真ん中の3本組の竹を土台の竹に入れ、隙間を埋めていきます。門松の材料をとって余った竹を切ったり割ったりして使うとよいでしょう。直径1cm前後の竹があれば短く切るだけで済み、飾りを穴に入れて飾れるので便利です。土砂を入れて固定する方法もありますが、燃えないので後で分別する必要があります。
門松の作り方④飾り付け
大まかな竹の形ができたら松や縁起物を、生け花のようにお好みで飾ります。折り紙で飾りを手作りする場合は、末広がりの縁起物である扇や、長寿の象徴である鶴、干支などがおすすめです。100均で売っている竹ひごや長めの竹串に接着すればピックになります。生の植物を生けた場合は土台の竹に水を入れ、飾っている間は水を適宜足してあげましょう。
門松の作り方⑤毎年使う場合
竹のミニ門松を毎年使いたい場合は、余分な水分と油を除く「油抜き」をしてから使います。専門店で行う水酸化ナトリウム水溶液で煮る方法は危険です。そこで今回は火であぶって、にじみ出す油をぼろきれで拭き取る方法をご説明します。竹を火であぶると、表面が濡れたように見えてきますが、これがにじみ出た油です。
この油を、竹を火から外してぼろきれで拭き取ります。油が出てこなくなったら油抜き完了です。油抜きをすると青竹の色は淡くなりますが、つやが出て丈夫で長持ちします。あぶっている間は、火の上に長時間放置しないでください。火災はもちろん、節が閉じている状態だと熱で破裂する恐れがあるからです。他に、草木灰でゴシゴシ洗って油抜きする方法もあります。
毎年仕立て直すのもよい
飾りには生の植物を避け、100均の造花などを使います。本来の意味から考えれば門松を使い回すのは、新しく来てくださる神様に失礼とされる行為です。その年の干支などを加えながら、毎年仕立て直すのもよいかもしれません。油抜きした竹でも、何年か経つと割れが生じることがあるので、割れたら作り直しましょう。
素敵なミニ門松ができたから、福を呼び込めるように飾りたいわ。飾る方法や時期に決まりはあるのかしら?
出典:筆者撮影