石窯の作り方①石窯の形状を考える
では、いよいよ石窯をDIYで手作りする方法について考えていきましょう。石窯とひとくちにいっても、その形状にはいくつかの種類があり、それぞれメリットやデメリットがあります。また、石窯の形状によってDIYをするときの難易度も変わってきます。ここでは、石窯の形状の特徴や性質、自作するときの難易度についてお話ししていきます。
石窯の形状は主に3種類
箱型
四角い箱のような石窯です。他の形の石窯より材料が少なくて済むため、比較的低予算でつくれます。面倒な左官作業もなく、レンガを積むだけでできるため、初心者でも簡単に自作しやすいです。しかし、開口部が広いので熱が逃げやすく、滞留が起こりづらいなど熱効率が悪く、火力が安定しません。開口部の形や煙突の位置を工夫することでいくらか軽減できます。
かまぼこ型
構造は箱型石窯と変わりませんが、天井がアーチ状になっているかまぼこ型の石窯です。箱型とは違い、天井にアーチを作る分、必要なレンガの量も多く加工も必要で、アーチの型の自作や左官作業が必要になるため、DIYの難易度は上がります。しかし、アーチにより熱効率はいいです。箱型と同じように開口部や煙突の位置を考えることで、更に熱効率を上げられます。
ドーム型
石窯で一番熱効率がいいのが、このドーム型です。他のものと違い、天井より開口部が低くなっているため熱が逃げにくく、その丸い形状で熱のまわり方が均一になりやすい特徴があります。その一方で、ドーム型の形を作るのが簡単ではなく、レンガの加工や左官作業などDIYで自作するには高い技術が必要です。
石窯の作り方②石窯の構造を考える
石窯の構造タイプは大きく分けて2種類あります。もちろん、構造タイプにもそれぞれメリットとデメリットがあり、DIYの難易度も異なります。
単層式石窯(一層式石窯)
単層式の石窯は薪や炭を燃やすところ(火床)とピザなどを焼くところ(焼床)が同じ場所です。はじめに薪や炭を燃やし、窯内が温まったら薪や炭をどかしてピザなどをいれて焼きます。単純構造なので、材料も少なく、初心者でも簡単に手作りしやすいです。しかし、窯の大きさが小さいため冷めやすく、薪や炭を新しく追加できないため追い焚きがしづらいです。
二層式石窯
上にピザやパンなどを置く焼床、下に炭や薪を入れる火床と二層に分かれている石窯です。一層式と違い、焼床と火床が遠いため熱が伝わりにくく、薪や炭を多く必要とします。また、大きいため、レンガが多く必要で作るのにも手間がかかりますが、窯内が広く使え、追加の薪や炭を入れることができるというメリットがあります。
次のページでは、石窯を手作りする際のDIY用おすすめ材料についてお話ししていきます。
出典:写真AC