シルクスクリーン製版に挑戦してみませんか?ホワイトインク印刷も可能!

シルクスクリーン製版に挑戦してみませんか?ホワイトインク印刷も可能!

Tシャツや革小物に印刷してオリジナルグッズを自作したい、ホワイトやゴールドのインクを使ってカードなどを作りたい、そんな方は自宅でシルクスクリーン製版にチャレンジしてみませんか?自作できるシルクスクリーン製版と印刷の方法をご紹介します。

記事の目次

  1. 1.自作シルクスクリーンに挑戦してみよう
  2. 2.自作シルクスクリーン~製版~
  3. 3.自作シルクスクリーン〜印刷〜
  4. 4.自作シルクスクリーン製版まとめ

自作シルクスクリーンに挑戦してみよう

Photo byStockSnap

シルクスクリーンを自宅で行うのは難しそうに感じますね。実は少しコツはいりますが、道具さえあれば自宅で製版できますよ。シルクスクリーン製版ができれば、オリジナルTシャツや、ホワイトインクやゴールドインクを使ったオリジナルグッズが作り放題になります。DIYの可能性を大幅に広げてくれるので、ぜひ挑戦してみてください。

シルクスクリーンとは?

Photo by Fauxlaroid

「ステンシル」をやったことがありますか?耐水ペーパーの一部に穴を開け、その上からスタンプなどで色をつけて絵柄を抜く技法です。シルクスクリーンも同様に、スクリーンの一部に穴を開け、そこからインクを流しこむことで印刷する技法です。

自作シルクスクリーン~製版~

Photo by Women's Studio Workshop

さっそく製版してみましょう。難しそうですが、道具を揃えることができれば誰でも挑戦できますよ。

必要な道具

製版に必要な道具は以下です。

  • スクリーン
  • スクイージ
  • ジアゾ感光乳剤
  • ジアゾ再生液
  • 印刷したい原稿
  • 黒い紙または布
  • ストップウォッチまたは時計

スクリーン

サン描画スクリーンセット 標準判(内寸105×175mm)【スクリーンわく+スクィジー】【ネコポス対応2個まで】

参考価格: 570円

出典: 楽天
出典: 楽天
出典: 楽天
楽天570円

スクリーンは枠とセットになっているものが便利です。スクリーンは目の細かさを「メッシュ」という単位で表しています。単純な模様やラメの入ったインクを使いたい場合は、粗く目詰まりを起こしにくい80メッシュを、繊細な線などを表現したい場合は細かい120メッシュを使うと良いでしょう。

スクイージ

スクィジー・樹脂製 標準判(幅100mm)【ネコポス対応8個まで】

参考価格: 65円

出典: 楽天
出典: 楽天
出典: 楽天
楽天65円

感光乳剤やインクを薄く伸ばす道具です。樹脂製とゴム製があり、どちらも使えます。

ジアゾ感光乳剤

ジアゾ感光乳剤EX 50ml[水性・油性インク用]

参考価格: 725円

出典: 楽天
出典: 楽天
出典: 楽天
楽天725円

光に反応して固まる薬品で、大きい画材店の版画コーナーかネットショップで購入できます。50mL入りではがきサイズの版が7〜8枚製版可能です。

ジアゾ再生液

ジアゾ再生液E 50ml

参考価格: 420円

出典: 楽天
楽天420円

ジアゾ感光乳剤専用の再生液です。失敗してしまった時や、もう使わない版の乳剤を落とし、再利用可能な状態にしてくれます。

印刷する原稿

出典:著者撮影

印刷する原稿は、完成時にインクが乗らない部分は光を通すように加工する必要があります。この3パターンのいずれかで原稿を加工しましょう。

  1. 透明フィルムに印刷する
  2. トレーシングペーパーに印刷
  3. レーザープリンターで印刷し、油にひたして透かす
2の場合は2枚印刷し、黒い部分が光を通さないよう重ねてスプレー糊で固定します。3の場合は2枚印刷し、黒い部分が光を通さないよう重ねて使用します。コンビニのコピー機などでも作成できますが、間に気泡が入らないよう注意しましょう。3パターンのいずれかの方法で原稿を用意したら、スクリーンより1回り小さくカットしておいてください。

黒い紙か布

スクリーンより1回り以上大きい黒い紙か布を用意してください。書道用の下敷きも使いやすいです。露光するとき、床や地面から光が跳ね返るのを防ぎます。

ストップウォッチか時計

露光時間を計測するために用います。

製版工程

Photo by yubathom

材料の準備ができたところで、実際に製版をしてみましょう。

①スクリーンの油分をとる

スクリーンを中性洗剤で洗い、油分や汚れをとります。その後はよく乾かしてください。

②感光剤と乳剤を混ぜる

出典:著者撮影

ジアゾ感光乳剤の箱を開けると、感光剤と乳剤、2つのビンが入っています。感光剤を温水で溶き、乳剤の瓶に入れてよく混ぜ合わせます。

ジアゾ感光乳剤は紫外線で固まるため、必ず太陽光を遮断してください。蛍光灯の光にも反応するので、長時間の作業は避けたほうがいいでしょう。

③感光乳剤をスクリーンに塗布し乾かす

出典:著者撮影

スクリーンに感光乳剤を垂らし、スクイージで薄く均一に伸ばします。伸ばしたら押入れなど光の入らない場所でよく乾燥させてください。ドライヤーの冷風を用いてもいいでしょう。

④露光する

出典:著者撮影

露光させるまでは版を光に当てないよう注意して作業してください。上から順に、

  1. 裏面を上にした原稿
  2. 裏面を上にしたスクリーン
  3. 黒い画用紙か布
の順で重ね、太陽光にさらします。露光時間は夏の直射日光で30秒程度、冬なら1〜3分です。何度か行って適切な露光時間を探ってください。

⑤シャワーで洗い流し乾燥させる

出典:著者撮影

露光後はすみやかにシャワーで洗い流します。露光時間が短すぎると関係ないところまで流れてしまい、長すぎると上手く抜けなくなります。ちょうどよい時間に流すと、原稿の黒い部分だけをきれいに抜くことができます。上手くいかなかった場合は再生液を使って落版し、再挑戦しましょう。

⑥白抜けしたところを埋める

感光乳剤を伸ばすときにうっかり抜けてしまったところや、シャワーで洗い流すときにこすりすぎてできたピンホールなどを感光乳剤で埋めておきましょう。最後にしっかり光に当てると版が固定され、数十回使っても大丈夫な状態に仕上がります。

TシャツくんJr.で簡単に

太陽精機 TシャツくんJr スモールスクリーン 80M 5枚入

参考価格: 1,485円

出典: 楽天
楽天1,485円

手軽にシルクスクリーンが作れるキット「Tシャツくん」を使えば、工程を大幅に省略することができます。「TシャツくんJr.スモールスクリーン」には、先ほどの工程表の①〜③が終わった状態のスクリーンが入っているので、手軽に失敗なく版作りができます。大型の「Tシャツくんワイド」から小型の「TシャツくんJr.」までいくつか種類があり、粗さも60メッシュから230メッシュまで販売されています。

これでシルクスクリーン製版は完成です。次のページでは実際にこの版を使って印刷してみます。

次のページ

自作シルクスクリーン〜印刷〜

関連記事

記事ランキング