パルダリウムのDIY！必要な材料・道具や作り方の手順をご紹介！

パルダリウムとは、水槽を使った盆栽の一種です。シダやコケ、ランなどの植物と流木や火山石を組み合わせて、水槽の中に熱帯雨林の情景を再現して楽しみます。水中部分に熱帯魚などを飼うアクアリウムやアクアテラリウムとは違って水中箇所を設けないことが特徴です。

同じく水槽で植物を育てる箱庭園芸にテラリウムがあります。テラリウムとパルダリウムは非常に似ているのですが、熱帯雨林のジャングルを表現したパルダリウムに対し、テラリウムは表現すべきテーマが自由という違いがあります。

熱帯雨林に多く生息する色鮮やかな爬虫類の飼育環境にパルダリウムは適しており人気があります。特に、原色の黄色や青など鮮やかで美しい色彩のヤドクガエルの飼育用に人気があります。生き物を入れることでよりリアリティが高まります。

【材料】

• パルダリウム（テラリウム）用水槽
• 水槽用土
• ピンセット
• バケツかじょうろ
• 霧吹き
• 装飾用小道具（流木、石など）
• 植物（シダ、コケなど）

まずは土を準備します。全体が平らではなく坂をつくるように斜めに土をいれるのが立体的なパルダリウムを作るコツです。水槽の手前が低く奥が高くなるように心がけましょう。

水槽の壁面にも植物を植えたいときは植栽パネルを使うとよいでしょう。植栽パネルとは植物を植えることができるスポンジ状の板のことです。また、植栽パネルを造形材という粘り気のある土材で覆うことで、自然な凹凸感を表現することもできます。

装飾用の小道具を水槽内に置いて、ベースの情景を決めます。流木や石などを装飾材料に使えば、それ自体が植物の生育環境になるためにより自然に仕上げることができます。自分で拾ってきた流木などを装飾材料に使いたいときは念のため、煮沸するとよいでしょう。煮沸することで殺菌とアク抜きができます。

メインになる植物をピンセットで仮置きします。シダやラン科の植物は熱帯雨林の雰囲気を演出しやすくおすすめです。光が少なく、水が多い環境で育つ植物を選ぶとよいでしょう。

緑の葉に鮮やかな金白の模様が美しい植物です。ジュエルオーキッドは宝石蘭とも呼ばれています。直射日光を嫌う植物で7～9月ごろに開花し、緑白色の小さな花が10個前後楽しめます。

大きなハート型の葉が特徴のカンアオイです。日本国内の山野に自生する植物で、実際の熱帯雨林には生息しませんが光をあまり必要としないためパルダリウムにおすすめです。日陰でも育つといわれる植物です。

小さなヤシの木のような樹形のカタバミ科の植物です。明るいところでは葉を開き、暗くなると葉を閉じるユニークな習性があります。

メインの植物を植えたら一度水やりをします。注ぎ口のあるバケツやじょうろを使って静かに水を与えましょう。水分量の目安は全体がしっとりとする程度がよいでしょう。

水草やコケを全体に植えこみます。地道な作業ですが、ピンセットを使って丁寧に地道に行いましょう。途中表面が乾いた場合は、霧吹きで水を吹きかけながら続けるとよいでしょう。全体に植物の植え込みができたら完成です。水やりは一日に1～2回霧吹きを使って行うとよいでしょう。

ヤドクガエルなどの爬虫類の飼育環境として作られることもあるのがパルダリウムの特徴です。興味はあるが飼育が難しい場合には、フィギュアなどを使うこともできます。ガチャガチャ用フィギュアでもリアルなものがあるので探してみてくださいね。

こちらは、背面にもしっかりと植物を植えて演出を施したパルダリウムです。奥の空間にもしっかりとコケやシダ植物を植えることで、まるでジャングルの一部を切り取ってきたかのようなリアリティが生まれます。

こちらは、球状の水槽を使ったパルダリウムです。背面を立ち上げずにセンターにボリュームを持たせることで、360度どの角度からみても楽しめるパルダリウムを作ることもできます。

コケから覗く湿った岩肌がリアルなパルダリウムです。全体を覆ったコケの緑が美しく、中央から覗くシダ植物ビオフィツムのひっそりとした生命力がリアルです。細い枝を配置することで全体に広がりが感じられます。

小さな水槽の中に大木を表現できるのもパルダリウムの醍醐味です。こちらは、熱帯雨林の幹に見立てた土台にコケやランを茂らせることで大木を表現しています。ちなみに、ブセファランドラという水上でも生育できて葉の種類が多い水草を多用しています。

はじめてパルダリウムを作る方は、専門店のキットを使う方法もあります。こちらは水槽や景観用の石、土、シダやミズゴケなどの植物と説明書がセットになっており、ミストスプレーやピンセットなどの道具さえ用意すれば届いたその日にパルダリウムを作ることができます。

パルダリウム専用のガラスケース（水槽）です。こちらは植物の管理の際に便利なアルミ製の通気孔や排水穴、ミスト穴などが装備され、また底面は立体的に演出がしやすいよう後ろがやや高めの斜め底です。

こちらは、水槽に入れて植物を植えるためのパルダリウム用の土です。パルダリウムを始める際は通常の園芸羊土ではなく、パルダリウム用の土を使うようにしましょう。テラリウムやアクアリウム用の土（ソイル）でも代用可能です。

水槽の情景の演出には流木が便利です。海岸が近い場合は流木を探して拾ってくることもできますが、購入することもできます。こちらは、半日～1日に込んでアクを抜いて殺菌した流木ですぐに使えます。

こちらは、コケや植物を生着させるのに便利な吸水石です。表面はぷつぷつと細かい穴が大量に開いており、こちらの穴に水分が入り込むことで保持しやすい多孔質構造になっています。また、ノミやハンマーなどの道具を使って砕けば、大きさを変えたり趣を調整することも可能です。

こちらは、スポットライトタイプのLEDで水槽内の植物を日光に代わって鮮やかに照らしてくれます。スポットライト型を使うことで熱帯雨林の木漏れ日のような演出が可能になります。水槽内で生き物を同時に飼いたい場合、太陽光よりもLED照明が温度管理がしやすくおすすめです。

植栽パネルを使えば、垂直にも植物を植えることができます。背面などに設置し、ピンセットで植物を植えていくだけと簡単です。やわらかく水含みのよいスポンジ状でハサミでも簡単にカットができます。

水槽内に熱帯雨林の情景を再現する盆栽「パルダリウム」のご紹介でした。パルダリウムはアクアリウム、テラリウムに続いて今注目が高まるインドアグリーンです。インテリアグリーンの選択肢のひとつに覚えておいていただけましたら幸いです。