分厚いステーキは焼き方が難しい!
分厚い肉を焼いて「肉が固い」「焦げる」「縮む」といった失敗から、塊肉の調理を避けてきた方は多いのではないでしょうか。家庭のキッチンには肉をおいしく焼くための設備もありませんし、プロのように仕上げるのは難しいです。しかし、コツを押さえれば安い肉・家庭のガスコンロ・フライパンで塊肉をおいしく焼けます。
分厚いステーキの焼き方
材料(ステーキ)
ここでは分厚いステーキ(塊肉)の焼き方についてご紹介します。用意するものは下記です。
- 牛肉(厚いステーキや塊肉)
- ニンニク
- タイム(必要なら)
- 調味料(塩・コショウ)
- オリーブオイル
付け合わせの野菜を用意
付け合わせも準備しましょう。
- タマネギ
- ジャガイモ
- ニンジン
- 豆類
焼き方①肉を常温にもどす
冷蔵庫から出して冷たい状態では分厚い肉に火が通るのに時間がかかり、うまみを損ねます。肉は調理する1時間前に冷蔵庫から出しておきましょう。肉が分厚い塊ほど常温に戻すのに時間がかかります。表面に触れてみて、まだ冷たいようなら、調理をもう少し待ちましょう。
焼き方②下味をつける
焼き始める30分から1時間前、つまり冷蔵庫から出した時点で塩を肉の両面に、少し高い位置からふります。ステーキであってもブロックであっても、分厚い場所は多めにふっておくと味が均等になります。親指・人差し指・中指の3本の指で塩をつまむと約1gです。
焼き方③マリネしておく
マリネとは香味づけした液体に一定時間漬け込むことをいいます。肉をマリネすることで保水性が高まり(コーティングされるから)肉質を柔らかくできます。これはステーキやブロック肉を美味しく焼くコツのひとつ、バットにオリーブオイルとタイムを入れて30分ほど肉を漬け込みましょう。
焼き方④付け合わせを作っておく
ニンニクや玉ねぎは薄切り、ジャガイモは食べやすい大きさに切ります。フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れて炒め、そこに野菜を入れて炒めましょう。後の工程で熱をじっくり通しますが、ジャガイモはあらかじめレンジで熱を通しておくとよいでしょう。
焼き方④分厚いほうから焼く
フライパンは熱々にする必要はありません。フライパンに肉の分厚い方から乗せ、火をつけて弱火で焼きます。厚切りのステーキはトングを使って立てて、側面・前面・裏面と順番に手早く焼いていきましょう。余計な油を省くことがおいしい肉を焼くコツです。この段階で出てきた油をキッチンペーパーで油をふきとりましょう。仕上げ焼きをするので、長時間焼く必要はありません。
焼き方⑤炊飯器で保温する
肉厚のあるステーキやブロック肉に火を通すのに活躍するのが炊飯器です。下記の順番で材料をジャーに入れて行きましょう。
- タマネギ
- ジャガイモなどの野菜
- 牛肉
焼き方⑥強火で短時間焼く
炊飯器から出した肉を強火にしたフライパンに乗せ短時間で焼きます。表面に焼き色がついたら肉をフライパンから離しましょう。「何度で何分」ではなく、肉が高温にならないように注意し焼き色を付けるだけ、というイメージです。お皿に肉と付け合わせを盛り付けたら完成です。
美味しさは焼き方で決まる
テレビなどで強火で豪快に厚切り肉を焼くシーンを見かけますが、素人が同じような調理法で美味しい肉を焼くのは難しいです。家庭で肉を焼くポイントは、じっくりと熱を加え肉を焦がさないことです。
分厚いステーキを焼くコツ
前項でご紹介した分厚いステーキの焼き方は一般家庭でも十分おいしく焼ける方法です。特別な器具や高級食材は使用していません。前項の作り方を踏まえて、分厚い肉を簡単においしく焼くコツをおさらいしましょう。
直前に味付けしない
ステーキを焼く直前に塩やコショウをふる方もおられますが、調味料が肉内部に浸透する前に焼くことになるため厚切りの肉では味が足りず、モヤモヤの原因を作ることになります。また、調味料の粒が残った状態で焼きはじめるので焦げを作る原因にもなります。
分厚いステーキは弱火で焼く
熱々の煙が出たフライパンで肉を一気に焼くほうがよい感じがしますが、それは熟練のプロの技であり素人が同じことをすると失敗してしまいます。肉は熱を加えすぎると繊維を束ねているコラーゲンが縮み、うまみである肉汁が外に出てしまうからです。また、熱を加えすぎることで肉が固くなりパサパサした食感になります。ポイントは肉に熱を通しすぎないことです。フライパンに肉を並べてから点火、弱火で(65度以下)焼きましょう。
時間をかける
お伝えしたように一気に焼きあげるのは素人では難しいので、肉を縮ませないようじっくりと火を通すことをおすすめします。バーベキューなど屋外で肉を焼くときは、表面だけ少し火を通した後にアルミホイルを肉に巻いてバーベキューコンロの隅で間接的に熱を加えましょう。食べる直前に強火でサッと焼くとSNS映えし、おいしい肉になります。
まとめ
分厚い肉はプロしか扱えない感じがしますが、実は難しい工程はありません。また、ポイントを押さえることで高級品でなくてもジューシーでおいしい肉に仕上げられます。食事に豪快な塊肉が出されると嬉しいものです。肉の特性を押さえて家庭にあるアイテムを上手に活用し、豊かな食卓にしましょう。
出典:筆者撮影