ウイスキーとは?
まずはじめに、ウイスキーとはどんなお酒なのか、その定義や種類について詳しく解説していきましょう。
ウイスキーの定義
以下の3つの条件を満たしたものを「ウイスキー」と呼びます。
- 原料が穀物(大麦、ライ麦、トウモロコシなど)であること。
- 穀類を麦芽などで糖化させ、発酵、蒸留を行って造られる蒸留酒であること。
- 木樽で熟成していること。
ウイスキーの主な種類
次にウイスキーの主な種類について、ジャパニーズウイスキーを例に見ていきましょう。ウイスキーは原料と蒸留方法の違いにより、「モルトウイスキー」、「グレーンウイスキー」の2種類に分けられ、さらにこの2つを合わせた「ブレンデッドウイスキー」の3つに分けられます。
モルトウイスキーとは?
モルトウイスキーとは、モルト(大麦麦芽)だけを原料に、単式蒸留器で蒸留されたウイスキーのことです。その中でも、単一の蒸留所でつくられるものを「シングルモルト」、複数の蒸留所でつくったモルトウイスキーをブレンドしたものを「ピュアモルト」と呼びます。
日本の製造メーカーの代表的なブランドは、サントリー製造のシングルモルト「山﨑」「白州」、ニッカウヰスキー製造のシングルモルト「余市」「宮城峡」、ピュアモルト「竹鶴」などです。
グレーンウイスキーとは?
グレーンウイスキーとは、トウモロコシなどの穀物を主原料に、連続式蒸留器で蒸留されたウイスキーです。「グレーン」とは穀物という意味で、ブレンデッドウイスキーをつくるベースとして主に使われます。日本の製造メーカーの代表的なブランドは、サントリー製造の「知多」、ニッカウヰスキー製造の「カフェグレーン」です。
ブレンデッドウイスキーとは?
ブレンデッドウイスキーとは、モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしてつくられるウイスキーのことです。日本で多く飲まれているウイスキーのほとんどは、ブレンデッドウイスキーといわれています。日本の製造メーカーの代表的なブランドは、サントリーの定番ブランド「角瓶」「トリス」「オールド」、ニッカウヰスキーの定番ブランド「スーパーニッカ」「ブラックニッカ」などです。
世界の5大ウイスキー
ウイスキーは世界中で造られていますが、なかでも代表的な5つの生産国で造られているウイスキーのことを「世界5大ウイスキー」と呼びます。それぞれの生産国で使用する原料や製法、熟成期間などの定義は異なっており、造られるウイスキーの種類もさまざまです。こちらでは、世界5大ウイスキーで造られている主な種類や製品についてご説明しましょう。
世界5大ウイスキー
- アイリッシュウイスキー(アイルランド)
- スコッチウイスキー(スコットランド)
- アメリカンウイスキー(アメリカ)
- カナディアンウイスキー(カナダ)
- ジャパニーズウイスキー(日本)
スコッチウイスキーの種類と製品
スコッチウイスキーは、スコットランドで製造されるウイスキーのことで、ウイスキーの全消費量の約6割を占めるといわれており、名実ともにウイスキーの代名詞的存在です。「モルトウイスキー」、「グレーンウイスキー」、2つを合わせた「ブレンデッドウイスキー」の3種類がつくられています。日本のウイスキーは、スコッチウイスキーをお手本に誕生したといわれています。
スコッチウイスキーの代表的なブランドは、ジョニーウォーカー、バランタイン、シーバスリーガル、カティサーク、オールドパーなど、バーではおなじみのウイスキーばかりです。なかでも、ジョニーウォーカーは世界でいちばん飲まれているウイスキーといわれ、世界中から愛されています。
アイリッシュウイスキーの種類と製品
アイリッシュウイスキーは、ウイスキー発祥の地ともいわれるアイルランドで造られるウイスキーで、かつては生産量世界一を誇っていた時代もあったそうです。「ピュアポットスティルウイスキー」、「モルトウイスキー」、「グレーンウイスキー」、「ブレンデッドウイスキー」の4種類がつくられています。
アイリッシュウイスキーの代表的なブランドは、ブッシュミルズ、ジェムソン、タラモア・デューなどで、コアなファンが多いウイスキーです。
アメリカンウイスキーの種類と製品
アメリカンウイスキーは、アメリカでつくられているウイスキーの総称。原料の違いによって、「バーボンウイスキー」「コーンウイスキー」「モルトウイスキー」「ライウイスキー」など数種類ありますが、生産に占める割合はほとんどが「バーボンウイスキー」。その中でも、テネシー州で生産、チャコールメローイング製法を行っているものだけを「テネシーウイスキー」と呼びます。
アメリカンウイスキーの代表的なブランドは、ほとんどがバーボンウイスキー。ワイルドターキー、I.W.ハーパー、メーカーズマーク、フォアローゼズなど日本でも有名で人気の高いウイスキーばかりです。また、テネシーウイスキーのジャックダニエルは、世界で2番目に売れているウイスキーといわれています。
カナディアンウイスキーの種類と製品
カナディアンウイスキーは、「フレーバリングウイスキー」、「ベースウイスキー」、二つをブレンドした「カナディアンブレンデッドウイスキー」の3種類がつくられています。製品のほとんどはカナディアンブレンデッドウイスキーで、代表的なブランドは、カナディアンクラブ、クラウンローヤル、ブラックベルベットなどです。
出典:イラストAC