紅茶キノコとは?
紅茶キノコ(こうちゃきのこ)は、紅茶や緑茶などのカフェイン入りのお茶に、砂糖と種菌を加えて、しばらく発酵させた飲み物です。種菌が発酵した物が、ゲル状でキノコに見えることから紅茶キノコと呼ばれています。起源はモンゴルで、その後世界中で飲まれるようになりました。乳酸菌がたくさん含まれていて、腸内環境を整える効果が期待できると話題になっています。
紅茶キノコとコンブチャの違い
どちらも同じ飲み物です。ヨーロッパやアメリカなどでは、kombucha(コンブチャ)と認識されており、セレブやモデルを中心に人気になりました。コンブチャの由来は、諸説ありますが、種菌の株を海草のコンブと勘違いした欧米人が、最初にコンブチャと呼んだという説があります。
紅茶キノコの飲み方
少しピリピリとした炭酸と、リンゴ酢に似ているような酸っぱい風味なので、水で割るだけでも飲めます。アレンジとしては、ヨーグルトや牛乳、ジュース、炭酸水、スムージーに混ぜて飲んでもおいしく飲めます。また、飲むだけではなく、ドレッシングのように料理にかけても使えます。
紅茶キノコの作り方に必要な種菌は?
紅茶キノコを作るときに必要で重要な種菌は、一般的にスコビーと呼ばれています。種菌があれば、紅茶キノコの作り方は意外に簡単なので、家庭で手軽に手作りできます。スコビーについては、どんなものか想像がつかない人も多いですよね。詳しくみていきましょう。
スコビー(紅茶キノコの種菌)
酢酸菌とイースト菌を一緒に培養した共生株がスコビーです。酸素と糖分を栄養にして、どんどん発酵していきます。最初は薄い膜のようになり、大きくなると白っぽくてプルプルとした見た目になっていきます。酸味が強いですが、食物繊維なので、そのものを食べる人もいます。
紅茶キノコのレシピ
紅茶キノコの作り方①株あり
家庭で紅茶キノコ作りに初挑戦する場合は、種菌の取り扱いに慣れていない人もいますよね。その場合は、紅茶キノコの手作り専用キットを使った作り方が、おすすめです。キットには、スコビーが複数入ったタイプもあるので、万が一失敗してしまっても安心です。
基本の準備物
キットにお茶の葉が入っている場合もありますが、準備するものは以下の材料です。
- スコビー株(1個)
- 熱湯(500mL)
- 耐熱性のガラス瓶
- 紅茶、緑茶の葉かティーパック
- 砂糖(30~40g)
- キッチンペーパーか布
- 輪ゴム
作り方
- ガラス瓶を煮沸消毒して、冷ましておきます。室温よりも、冷たくなるようにして下さい。
- 熱湯で紅茶を作り、砂糖を溶かします。紅茶は濃いめに淹れたほうが、おいしくできるので調節して下さい。ガラス瓶に入れるのは、常温になってからにしましょう。
- 甘く濃いめの紅茶にスコビーを入れます。
- ガラス瓶にキッチンペーパーか布で蓋をして、輪ゴムでとめます。
保管
空気は発酵するときに重要な役割をはたすので、空気を通す素材で蓋をしています。直射日光の当たらない場所に置きましょう。また、発酵の妨げになるため、ガラス瓶を揺らさないように保管して下さい。発酵に適した室温は、25度~30度なので、室温が低い場合は、発酵スピードが遅くなる可能性があります。
完成
夏場なら数日、冬場なら2週間程度すると、表面に膜ができてきます。酸や炭酸が出ているようなら、味見をしてみましょう。味見をするときは、腐敗防止のため、清潔なスプーンかストローを使って下さい。好みの味になっていたら完成です。
紅茶キノコの危険性?
あきらかに間違った作り方をしないかぎり、ほぼ危険性はありません。ただし、生きた菌を扱うので衛生面には、注意して下さい。何らかの細菌が混じりこんだり、そのまま何ヵ月も保管していると、カビが発生する危険性があります。また、味見などで頻繁に口に含んでいると、歯が溶ける危険性もあるので、味見のあとは、うがいをするようにして下さい。
紅茶キノコの作り方②株なし
株を入手できない、キットがないという場合でも、株を自分で培養できます。その方法は、お店やネットで購入できる液体の紅茶キノコをもとに、スコビーを培養します。さまざまな風味のものがありますが、プレーンのほうが使いやすいかもしれません。
準備物
ferment works KOMBUCHA classic [国産無添加クラフトコンブチャ/紅茶キノコ/ストレートタイプ] 720ml
参考価格: 1,570円
スコビー株があるときの基本の準備物とほぼ同じです。スコビー株の代わりに、購入した紅茶キノコ液(500mL)と、ガラス瓶は2本用意してください。ガラス瓶は、完成した株を保管する分と、液体を入れる分として使用します。
作り方
- スコビー株ありの作り方の1、2項目同様の手順を済ませておきます。ガラス瓶は、2本分を煮沸消毒して冷まして置いて下さい。
- 甘く濃いめの紅茶に紅茶キノコ液を入れたら、よく混ぜます。
- ガラス瓶にキッチンペーパーか、布で蓋をして輪ゴムで止め、直射日光を避けて温かい場所に置きます。
保管~完成
数日すると表面に薄い膜ができてきます。味を見て、好みの酸味や炭酸加減であれば完成です。ガラス瓶に液体を移し密閉しましょう。完成した株を使って、株ありの手順を繰り返すと、再度紅茶キノコを作れます。すぐに使わないときは、株も冷蔵保管しましょう。
ポイント
薄い膜ができたあとに、さらに数日から2週間ほど放置すると、もっと発酵し大きな株となります。そのときの液体は、酸が強く飲む用には適していないので、処分したほうがよいでしょう。
まとめ
今回ご紹介した紅茶キノコのレシピと作り方を参考に、ぜひ、ご家庭で手作りしてみて下さい。手作りする際に思わぬトラブルを生まないように、必ず衛生面には気をつけましょう。そのうえで株の成長や、飲み方のアレンジなどを楽しんで、生活の一部に取り入れて下さい。
出展:写真AC