冷や麦(ひやむぎ)と素麺(そうめん)の違いは?原料・製法は違う?

冷や麦(ひやむぎ)と素麺(そうめん)の違いは?原料・製法は違う?

夏は、涼やかでのど越しが良いそうめんやひやむぎが恋しくなります。昼食の定番として毎日食べているという人もいるのではないでしょうか。では、ひやむぎとそうめんの違いをご存じですか?地域での呼び方や太さだけの違いと思っている人はぜひこちらの記事をご覧ください。

記事の目次

  1. 1.はじめに
  2. 2.ひやむぎとそうめんの違い【由来・発祥・歴史編】
  3. 3.ひやむぎとそうめんの違い
  4. 4.食べ方やゆで方に違いはある?
  5. 5.【番外編】色付きそうめんとは?
  6. 6.まとめ

はじめに

出典:写真AC

夏の暑さは年々厳しくなっています。夏の暑さをしのぐために、冷たいひやむぎ(冷や麦)やそうめん(素麺)を食べることもあるのではないでしょうか。つるつるとしたのど越しの麺類は暑い夏に最適です。でも、この二つの麺類の違いを考えたことはありますか?今回は、ひやむぎとそうめんの違いをご紹介します。

ひやむぎとそうめんの違い【由来・発祥・歴史編】

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ひやむぎとそうめんの歴史は、いつの時代から始まるのでしょうか。発祥の地やその由来などを見ていきましょう。

ひやむぎの由来

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ひやむぎのルーツはうどんを細くした「切麦(きりむぎ)」だといわれています。

ひやむぎが生まれたのは室町時代のころ。「切麦(きりむぎ)」という食べ物が発祥とされています。切麦は、太いうどんのような食べ物(麦縄)を切って細くした食べ物です。ゆでたての熱いままのものを「あつむぎ(熱麦)」、水にさらして締めたものを「ひやむぎ(冷麦)」と食べ方の違いで区別していました。

歴史を紐解くのもおもしろいぞ!

そうめんの由来

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そうめんのルーツは唐(中国)から伝わったお菓子といわれています。

一方そうめんは、奈良時代に唐(中国)から伝わった「索餅(さくべい)」というお菓子が発祥とされています。長野県の郷土料理である「ほうとう」に似た、麺のような食べ物で、小麦粉を練ったものを縄のようにねじってあったとされています。そのため、当時は「麦縄(むぎなわ)」と言われていたそうです。

ルーツは奈良時代のお菓子とな!もとはかなり古いものなんじゃな

ひやむぎとそうめんの出自

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奈良時代から伝わる索餅は、中国の食文化を踏襲し、手延べ麺のような形に変化したとされています。「索餅→索麺→素麺」と餅から麺へ変化を遂げたようですね。室町時代に麦縄(索餅の日本名)を切ったものが「切麦」と言われていたので、諸説あるようですが、ひやむぎとそうめんのルーツは同じだと考えるべきでしょう。

ひやむぎとそうめんの違い

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「ひやむぎ」と「そうめん」について、さまざまな角度から比較してみましょう。

①原材料の比較

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原料をみると、ひやむぎもそうめんも小麦粉と塩、水で作られています。手延べ麺の場合は、双方ともわずかながら植物油などを添加している製品も見受けられます。

原材料は小麦粉と水と塩。同じじゃな!

②製法の比較

出典:写真AC

ひやむぎとそうめんとでは「作り方が違うの?」と考えることもあるようです。作り方の工程に関しては、水で練った生地を熟成させるというところまでのプロセスは双方とも一緒です。

ひやむぎの場合

いわゆる「麦切り(手打ち)」スタイルの場合、熟成させた生地を伸ばして、包丁でめんの細さに切るのが一般的です。そばやうどんと同じ作り方といえるでしょう。手延べの場合は、油を生地に薄くつけながら、1本の麺の細さになるように撚りをかけながらどんどん伸ばしていく作り方をしています。

そうめんの場合

そうめんの製法は、今やひやむぎと同様、機械製法が主流となりましたが、手延べそうめんの場合は、油を生地の表面につけながら1本の麺の細さになるまで、手作業で引き延ばす作り方をとっています。なかには「よりかけ」(3本の麺を撚りあわせながら、1本の麺の太さになるまで延ばしていく作り方)を取り入れているところもあります。

作り方に大差はないが、そうめんは「索餅」や「麦縄」の流れを継承したようじゃ。

③太さの比較

ひやむぎとそうめんの違いで一番特徴的なのは「太さ」ではないでしょうか。「気づかなかった」という場合は、スーパーの乾麺売り場でチェックしてみるとよいでしょう。太さに関しては、農林水産省が示す日本農林規格をもとに、消費者庁が告示した「乾麺類品質表示基準」でひやむぎとそうめんの定義がなされています。

ひやむぎとそうめんの太さ一覧

参考:乾めん類品質表示基準(平成23年9月30日消 費 者 庁告示第 10号)
筆者の作図による

消費者庁品質表示基準一覧

商品パッケージに「ひやむぎ」や「そうめん」と記載するためには、いくつかある条件の中のひとつとして「太さ」もクリアしなければいけません。上記の表を見ていただけるとわかる通り、機械製法のひやむぎとそうめんの項目を見ると太さの基準に違いがありますね。そうめんが一番細く、次いでひやむぎ、より太いものはうどんとして扱われます。

ここまでで「大きな違い」は麺の太さのみじゃな!

④栄養価の比較

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ひやむぎとそうめんは同じ食品として分類されています。

ひやむぎとそうめんは、文部科学省が掲げる日本食品標準成分表において「同じ食品」としてカロリー表示されています。機械製麺の場合は乾麺100g当たり356Kcal、手延べの場合は乾麺100g当たり342Kcalです。国の標準で「同じ食品」としてカロリー表示がされているので、いずれも条件は同じです。

文部科学省:日本食品標準成分表(穀類)

結論:両者の主な違いは「太さ」にあった

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そうめんとひやむぎの違いの検証結果をまとめました。

ひやむぎとそうめんの違い・検証結果

  • いずれも発祥は唐の「索餅」から派生した「麦縄」である
  • いずれも原料は同じ小麦粉。日本食品標準成分表も同じ食品として成分表示している
  • そうめんは1.3mm未満、ひやむぎは1.3mm以上の太さであることが決められている
  • いずれも機械製法、手延べ製法いずれの方法も使われている

この結果を見ると、ひやむぎとそうめんの違いは「太さ」だけとみてよいでしょう。もちろん、手延べの場合地域伝承の製法などがあり、すべてがこれに当てはまるものではありません。私たちが普段手に取りやすい機械製法のひやむぎやそうめんは「太さが違うだけで後は同じ」と理解しておきましょう。

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食べ方やゆで方に違いはある?

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