はじめに
日々の料理に欠かせないフライパン。いつのまにか使用する度に焦げ付くようになったり、同じ料理を作っているのに食感が変わったりしますが、フライパンの替え時は何をもって判断するべきなのでしょうか。これから、フライパンの寿命やその見分け方、長持ちさせるポイントについてご紹介します。
フライパンの寿命と見分け方
一口にフライパンといっても、さまざまな種類が思い浮かびますよね。実はフライパンの表面加工の分野は、大きく3つのカテゴリに分けられます。ここからはご家庭のフライパンと照らし合わせて、チェックしてみましょう。
①フッ素加工のフライパン
フッ素加工のフライパンとは、アルミや鉄の素材をフッ素で表面加工したもの。よく耳にするテフロン加工は、デュポン社のフッ素コーティング技術の商標で、フッ素加工と同義です。フッ素の中に大理石を混ぜて作るマーブルコート、フッ素の中にダイヤモンドを混ぜて作るダイヤモンドコートなど、テフロン加工技術は多岐に渡ります。
フッ素加工のフライパンの寿命は2〜3年
テフロンをはじめとするフッ素加工のフライパンは、上手に扱っても2〜3年が寿命です。熱変化に弱くコーティングが剥がれやすいため、料理を毎日する方なら半年〜1年で替え時を感じることも。マーブルコートやダイヤモンドコートのもので、5層以上コーティング層があるものについても、2〜5年程度が使用の限界といえます。
食材が焦げ付くようになったら替え時
食材がくっついて取れなくなったら替え時です。擦り傷や水泡のようなコーティングの浮きが出たりするのもサインです。CMでお馴染みのティファールは、調理開始サインが入っていますが、このサインが焦げ付いて真っ黒になるのが大体1年ほどです。模様の入っているフライパンを選ぶと、見た目にも替え時が分かりやすいのでおすすめですよ。
②セラミック加工のフライパン
セラミックは、土を焼き付けたもの(陶器)を指します。素材が硬くて熱変形が少なく、じっくり加熱する料理が得意です。高温でも有毒物質が出にくく、健康面にも安心して使えます。セラミック加工のフライパンは表面が白いものが一般的で、調理の様子が目で見て分かりやすいのも嬉しいですね。
セラミック加工のフライパンの寿命は2~5年
セラミック加工のフライパンの寿命は、2〜5年と幅があります。これはセラミックそのものの質や、多層であるかなどの違い、日々の使用方法によって変わってきます。
寿命を伸ばす方法として
- 火力を弱火から中火にして使用すること
- 少量でも必ず油を引くこと
表面のツヤがなくなったら替え時
セラミック加工のフライパンの場合、表面のツヤがなくなってくると、焦げ付くことが多くなります。このタイミングが、表面加工そのものの寿命です。ただ、フッ素加工のフライパンに比べると、焦げ付きが落としやすく、まだ使うことができる状態ともいえます。弱火から中火でじっくり火を通す、煮込み料理用のフライパンとして取っておくのもおすすめです。
③鉄製のフライパン
鉄製のフライパンは、丈夫さ、火の通りのよさ、油馴染みのよさから、プロの料理人が好んで使う本格的なイメージがありますね。一般的には重たいものが多く、扱いづらい印象も受けますが、強火でカラッと炒める料理に最適で、家庭用のものもさまざまなメーカーから販売されています。
鉄製のフライパンの寿命は10年以上
鉄製のフライパンの寿命は、なんと10年以上!世代を超えて使う家庭もあるほどで、一生モノとも言えます。プロが使うもの、重そう…といったイメージはありますが、使用すればするほどに油が馴染むので焦げつきにくく、料理と一緒にフライパン表面の鉄分も摂れるといったメリットも。熱伝導性・耐久性ともに優れ、高い火力での調理に適しています。
鉄製のフライパンは手入れ次第で一生使える
鉄製のフライパンが一生モノと言われる理由は、表面加工がされていないからです。キズやコーティングのはがれを気にせず、たわしを使用してしっかりと洗えます。鉄製のフライパンの場合、コーティングの代わりに油が馴染んでいくので、毎日の洗浄は水だけでもOK。使用後に火を入れてしっかりと水気を飛ばし、サビ対策を行うことも重要です。
出典:写真AC