油かすとは?
油かすとは本来、食肉を熱して油をとる際にできる副産物です。ラードなどを作ると熱で溶けだした油以外のものがかすとして出ます。鶏皮せんべいやおでんに入れる鯨のコロも油かすです。
油かすの原料
油かすの原料は食肉の脂の多い部分です。鯨、豚、鶏皮など脂の多い部分を使って作れます。大阪名物のかすうどんに使用される油かすの原料は牛の小腸です。
油かすの作り方
本来の意味での油かすは食肉の油の多い部分に熱を加えることで作れます。今回は手に入りやすい、豚の脂身と鶏皮での作り方をご紹介します。
家庭での油かすの作り方①豚の脂身
豚を使った油かすのレシピです。こちらは豚ロースの脂身です。調理する前に食べやすい大きさに切ります。
フライパンに少量の水と豚の脂身を入れます。水を入れるのは焦げ付き防止です。脂が溶けるにしたがって水は蒸発します。
弱火で炒め続けると、油がかなり出てきます。カリカリになるまで、揚げすぎないように気を付けながらじっくり火を加えます。このくらいになると、時々油がはじけるのでやけどしないように気を付けながら作業を行ってください。
カリカリになれば完成です。おすすめの食べ方ですが、ラーメンに入れるとコクとうまみが加わっておいしいですよ。残った油はラードとしていろんなお料理に使えますので、捨てずにとっておきましょう。チャーハンや野菜炒めに使うとよいです。
家庭での油かすの作り方②鶏皮
鶏皮を使った油かすのレシピです。今回は鶏皮せんべいを作ります。調理しやすく食べやすい大きさに切って、フライパンに並べます。
テフロン加工などのこびりつかないフライパンの方が作りやすいですが、そうでない場合は、薄く油を塗っておきます。鶏皮が重ならないように並べたら、鶏皮がひっくり返ってこないように、落しぶたなどで押さえます。このとき、鶏皮がくっつかないように、落しぶたにも薄く油を塗ります。落しぶたがない場合は、アルミホイルなどで押さえて、鍋やフライパンをのせて重しにするとよいです。
弱火で焦げないようにじっくりと熱を加えます。片面がきつね色になったら、ひっくり返して、落しぶたをのせてさらに過熱します。脂が抜けてパリパリになるころにはかなり小さくなります。
カリカリになれば鶏皮せんべいのできあがりです。塩を振ってそのまま食べてもおいしいですが、おすすめの食べ方としては、細かくしてサラダのトッピングにすることです。この鶏皮せんべいを作ってできた油も、さまざまな料理に使えるので捨てずにとっておきましょう。ラード同様、チャーハンや炒め物に使ってもよいですが、ラーメンにそのまま入れるとコクがでます。
油かすうどんの作り方
油かすうどんのレシピです。牛の小腸で作った油かすはスーパーでは手に入りにくいですが、ネットショップなどで購入できます。こちらでは手順だけ簡単に説明します。
①油かすを食べやすい大きさに切る
大ぶりにして食べ応えを楽しむのもよし。小さめの油かすをスープと共にたのしむのもよし。大きめに切るより、小さめにしたほうが戻るのは早くなります。
②油かすをだしと一緒に数分煮込む
油かすを戻すためと、油かすからもだしが出るため数分煮込みます。お好みの固さになるまで火を通してください。
③ゆでたうどんにだしをかけお好みのトッピングで完成!
ゆでたうどんを器に入れ、うどんつゆと油かすをのせます。お好みで、ネギや卵、とろろこんぶなどをのせたら完成です。
上の写真は、かすうどんで使われている牛の小腸を使ったものではありませんが、自作の豚の脂身で作った油かすでうどんです。豚の脂の油かすは、ラーメンに入れる食べ方がおすすめですが、うどんに入れてもおいしいですよ。うどんのトッピングの定番は天かすで、油のコクがでますが、油かすを入れてもあっさりしたうどんにこってりした味わいが加わっておいしくなります。
まとめ
油かすとはなにかから、実際に家庭でも作りやすいレシピを紹介しました。油かすだけではなく、油かすを作る工程でできたラードや鶏油も料理に使えますので、ぜひ参考にしてくださいね。
出典:写真AC