ウイスキーの製造方法
次に、ウイスキーがどのように製造されているか、日本のモルトウイスキーの製造工程を例にご説明しましょう。
ウイスキーの原料
ウイスキーの原料は、シンプルな分それぞれが風味に与える影響は大きくとても重要といえます。
ウイスキーの原料
- 穀物(大麦、ライ麦、トウモロコシなど)
- ミネラル分がバランスよく含まれた天然水
- 酵母(イースト菌)
ウイスキーの製造工程
ウイスキーは世界中でつくられていますが、基本的な製造工程は同じです。今回はモルトウイスキーができるまでの一般的な6つの工程をご説明しましょう。
モルトウイスキーの製造工程
- ①製麦
- ②仕込み(糖化)
- ③発酵
- ④蒸留
- ⑤熟成(貯蔵)
- ⑥ブレンド(ヴァッティング)
①製麦(せいばく)
まずは、発芽させた大麦を乾燥させ、大麦麦芽(モルト)を作ります。
②仕込み(糖化)
大麦麦芽(モルト)を粉砕、温水にした「仕込み水」と混ぜお粥状にします。そして、大麦のでんぷんを糖に変化させ、麦汁(ばくじゅう)を作ります。
③発酵
麦汁に酵母を加え、アルコールに分解。約60時間かけて発酵し、アルコール度数約7%の発酵液(もろみ)ができます。
④蒸留
もろみを銅製の「ポットスチル(単式蒸留器)」に入れ、2度蒸留(1回目を初留、2回目を再留と呼ぶ)。沸点の違いを利用してアルコール濃度を65~70%に高め、無色透明な「ニューポット(蒸留液)」が誕生します。
⑤熟成(貯蔵)
ニューポットを樽の中で長時間寝かせ、ウイスキーらしい琥珀色で深みのある、まろやかな風味に仕上げます。樽熟成は、ウイスキーにとって風味や酒質を左右する重要な工程といえます。
⑥ブレンド(ヴァッティング)
最後に、製品化に向け、ウイスキー職人であるブレンダーによって、複数樽の原酒を混和させる作業「ヴァッティング」が行われます。熟成後のさまざまな原酒をブレンドする作業は、ウイスキーの風味を決定する重要な工程といえます。
出典:写真AC