はじめに
入園グッズで、「袋にマチをつけてほしい」というような指定を受けて困った思いをしたことはありませんか?コップ袋などは、容量を気にしなければ子供が出し入れしにくい袋物となってしまいます。市販の袋のように自在に底マチが作れる方法をここで紹介いたします。アレンジ次第でたっぷり容量の袋物がかんたんに作れます。
「マチ」とは
裁縫用語で、物の厚みを考慮した「ゆとり」にあたる部分を指しています。バッグなどを作るとき、マチ部分を考慮することで、容量が増え多くのものが入れられます。特に子供は袋に物を雑然と入れることが多いので、入園グッズにはマチがあると出し入れしやすくなるようです。小物や絵本などを入れる場合にも役立ちます。
裁縫が苦手な人でもマチ作りにかんたんに取り組めますよ!
袋物の底マチの種類①基本のマチ
手提げ袋作りで重宝する「つまんで縫う」かんたんなマチです。裁縫初心者の方でも作りやすい方法です。3cm~5cm程度のマチだったらこの方法で作れます。デメリットは、縫い方次第でマチがゆがんでしまう点が挙げられます。小物ポーチや、手提げ袋(レッスンバッグ)などに向いています。
作り方①両脇を縫う
今回は輪裁ちにした生地を使いました。両脇を縫い、袋状にします。縫い代はアイロンで割っておきましょう。
作り方②角をつまんでマチを決める
マチを作るため、角をつまみます。このとき、脇の線を中心に左右45度ずつの三角形を作るようにするとうまくいきます。脇の線を中心に左右同じ長さで線を引きます。3cmのマチを作るときは、脇の線を中心に左右1.5cmずつ幅を取りましょう。マチが決まったらマチ針を打ち、縫い合わせラインを引きましょう。
底の中心線と脇の縫い目を合わせることも重要なポイントです!
作り方③できあがり線を縫う
ミシンで、先ほど印付けした縫い合わせラインを縫い合わせます。返し縫いをしっかりしておきましょう。つまんだ三角形の部分は不要な部分になるので、縫い合わせたところから1cm程度残して切り落とします。
作り方④布始末をして完了
布端はジグザグミシンをかけるか、バイヤステープで包んで布始末をします。これで、マチは完成です。
小物袋をサクっと縫いたいときにできる、かんたんな方法です。
袋物の底マチの種類②型紙マチ
あらかじめ型紙でマチを考慮する方法です。先述のつまんで縫うマチの展開図です。型紙を作ることで、つまんで作るマチで起こりやすい歪みを防げます。しっかりとした作りのバッグや、小物用ポーチを作りたい場合におすすめです。こちらのデメリットは、型紙を作る面倒があることでしょうか。
作り方①型紙を作る
図のように型紙を作ります。型紙にはできあがり線のほか、縫い代を1cm取っておくと便利です。マチの長さが5cmの場合は、型紙には2.5cm分の脇マチと底マチを取りましょう。画像では、縫い代を確保していません。
輪裁ちの型紙ですが、輪を作らない場合は、底マチにも1cmの縫い代を作ってください
作り方②脇を縫う
型紙通りに生地を裁断したら、脇を縫い合わせます。縫い代はアイロンで割っておきましょう。
作り方③底マチを縫う
基本のマチと同様、脇線を中心に持っていきマチを縫います。布を裁断する時点であらかじめ縫い代を取っているので、左右を合わせて縫製するときれいに収まります。縫い代の端処理も基本のマチと同じです。
型紙の作り方がわかると、裁縫スキルが上がりますね!
袋物の底マチの種類③舟底マチ
「この底どうやって作るのかな?」と不思議に思ってしまうのが舟底マチです。小舟のように見えるため、舟底マチとよばれています。円筒型のものが入れやすいマチです。入園グッズの定番、巾着に仕立てたコップ袋などに向いています。デメリットは大きなバッグのマチには向いていないという点が挙げられます。
作り方①マチを作る
布を中表に2つ折りにします。輪になったところを、マチの半分の長さだけ折り上げます。ずれないように、マチ針を打って固定しておきます。
作り方②脇を縫う
この状態で両脇を縫い合わせます。表に返すと舟底マチができています。
折って、ミシンで縫うだけなんて、思った以上にかんたんでしたね。
出典:筆者撮影