本格チーズは自宅で作れる
チーズにはさまざまな種類があります。その中でも、フレッシュチーズは自宅でかんたんに作れるチーズです。酵素や乳酸菌といった材料もスーパーで手に入るもので代用できるので、熟成などの手間がいらず、短時間で作れますよ。家族とワイワイ作ってみたり、小学生の自由研究で作ったりするのもおすすめです。
酵素や乳酸菌は代用品でOK
基本的に、チーズを作るときは、レンネットと呼ばれる牛乳を固める酵素や、スターターと呼ばれるカビや乳酸菌の「もと」が必要です。しかし、なかなか手に入れるのが難しく、一度の購入量も多くなるため、この記事では、レモン汁や酢(レンネット代わり)、ヨーグルト(スターター代わり)など身近なもので代用します。
必要な道具と事前準備
これから紹介する4種類のチーズの作り方に必要な道具と事前準備は共通します。
必要な道具
- 鍋
- ざる
- 布巾などこせるもの
- ボウル
事前準備
ボウルにざるをセットし、布巾などをかぶせてこせるように準備をしておく。
作り方①自家製カッテージチーズ
カッテージチーズは、ポロポロとして適度な酸味とあっさりした味わいがあるフレッシュチーズです。牛乳から乳脂肪を取り除くという基本的な方法で作られています。そのため、高タンパク低脂肪で、塩分も少なく、ダイエット中やトレーニング中、離乳食にもおすすめのヘルシーなチーズです。
カッテージチーズの作り方
自家製カッテージチーズの材料(できあがり量100g前後)
- 牛乳:500mL
- 酢(レモン汁):25~50mL
- 塩:お好みで
作り方
- 牛乳を60℃~70℃程度に温める
- 火を止め、酢またはレモン汁を加えてかき混ぜる
- 水分(ホエイ)と固形物が分離したら、ざるにあける
- 水気を切ったら、好みで塩を加えてできあがり
牛乳を沸騰させないようにすることと、水を切りすぎないようにすることがおいしく作るコツです。
チーズを作るときに出る水分
フレッシュチーズを作るときに出てくる水分は「ホエイ(乳清)」といいます。栄養価が高く、サプリメントにも使われています。甘味と酸味があるのでラッシーやレモネードなどのドリンクにも加えてもよいですし、パンやお菓子に加えるとふんわりおいしく仕上がりますよ。
カッテージチーズの食べ方
くせがなく、さっぱりとしているカッテージチーズは、いろいろ味付けするよりもシンプルな食べ方があっています。サラダや和え物、カナッペなど、カッテージチーズの素材を生かした料理がおすすめです。また、トマトと一緒に冷製パスタに使うのも、ナッツやはちみつを混ぜてパンに塗ってもおいしいですよ。
作り方②自家製リコッタチーズ
リコッタチーズのリコッタとは「2回煮る」という意味で、一度加熱されて作られたチーズのホエイをもう一度煮詰めて作るチーズです。乳糖と呼ばれる糖分が含まれているので、ほんのり甘く、くせがありません。ホエイはチーズ作り以外にも、水切りヨーグルトを作ったときに出てきます。ヨーグルトやチーズ作りを始めた際は、ホエイを余すことなく活用しましょう。
リコッタチーズの作り方
自家製リコッタチーズの材料(できあがり量100g程度)
- ホエイ:400mL
- 牛乳:400mL
- 酢(レモン汁):20mL
作り方
- ホエイと牛乳を60℃~70℃程度に温める
- 火を止め、酢またはレモン汁を加えてかき混ぜる
- 水分と固形物が分離したら、ざるにあける
- 布巾などで包み、半日から一晩程度おいて水気をきってできあがり
本来はホエイだけで作りますが、取れる量がとても少ないので牛乳を足して作るレシピが一般的です。
牛乳は加工乳や低脂肪乳ではなく、脂肪の多い「牛乳」と分類されたものを使うとうまくいきます。
リコッタチーズの食べ方
リコッタチーズは、カッテージチーズと同じようにくせがなく、ほのかな甘みが特徴です。そのままフルーツと一緒にはちみつで食べたり、塩コショウやオリーブオイルをかけたりするとおいしく食べられますよ。おすすめはパンケーキやチーズケーキなどスイーツで、ふわふわになるだけでなく、風味も豊かになります。
作り方③自家製クリームチーズ
クリームチーズは、牛乳に生クリームを加えて作るチーズのことです。そのため、カッテージチーズやリコッタチーズより脂肪分が多く、こってりとしたコクがあり、乳酸菌の酸味とクリーミーでなめらかな舌触りを楽しめます。スーパーでもよく見かけられますが、手作りすればより安く、より新鮮でおいしいクリームチーズが食べられますよ。
クリームチーズの作り方
自家製クリームチーズの材料(できあがり量100g程度)
- 牛乳:250mL
- 生クリーム:100mL
- ヨーグルト:大さじ1程度
- 塩:お好みで
作り方
- 牛乳と生クリームとヨーグルトを40℃程度に温める
- 火を止め、酢またはレモン汁を加えてかき混ぜる
- 水分と固形物が分離したら、ざるにあける
- 布巾などで包み、半日から一晩程度おいて水気をきってできあがり
クリームチーズの食べ方
クリームチーズは、そのなめらかさとコクが特徴です。レアチーズケーキなどのスイーツはもちろん、サラダやパスタなど料理を選びません。そのままでも熱を通してもおいしく食べられます。トマトやサーモンとの相性もよく、オードブルやサンドイッチ、ベーグルなどで一緒に食べるのもおすすめです。
作り方④自家製マスカルポーネ
マスカルポーネチーズは、乳脂肪分が80%とほかのチーズに比べ、非常に多くなっています。ほかのチーズが牛乳を使うのに対し、マスカルポーネチーズは生クリームをメインに作るチーズだからです。口に含むとすっとなくなるような軽い口あたりで、ほのかな甘味が感じられます。
マスカルポーネチーズの作り方
自家製マスカルポーネの材料(できあがり量100g程度)
- 生クリーム(低脂肪以外):200mL
- 酢(レモン汁):10mL
作り方
- 鍋に湯を沸かし、弱火で60℃程度に保つ
- 生クリームをボウルに入れ、10~20分湯煎する
- 酢、もしくはレモン汁を加え、分離するまでかき混ぜ続ける
- 布巾などで包み、半日~ひと晩ほどおいてできあがり
マスカルポーネの食べ方
マスカルポーネチーズを使ったものといえば、ティラミスが有名です。くせがなく、お菓子作りに使われることの多いマスカルポーネチーズですが、コクを与えてくれるため煮込み料理をはじめとした洋食に使えます。また、クリームチーズのようにオードブルやサラダに使ってもおいしく食べられますよ。
自家製チーズで料理を楽しもう!
今回ご紹介したチーズは、小学生でも作りやすい基本的でかんたんなものです。材料も身近で手に入りやすく、やけどなどの危険性の少ないものですよ。レンネットやスターターなどの材料を揃えるなどの手間をかければ、モッツァレラチーズなどの少し難しいチーズも家庭で作れます。新鮮でおいしい自家製チーズを、さまざまな料理で楽しんでみてはいかがですか?
出典:写真AC