鉄フライパンに肉・野菜がくっついてしまう理由は?効果的な対策は?

鉄フライパンに肉・野菜がくっついてしまう理由は?効果的な対策は?

鉄フライパンはくっつくなど使い方が難しく、料理上級者が使うのものだと思っている人は少なくありません。しかし、鉄フライパンがくっつくには理由があり、しっかりお手入れすれば初心者でも使えます。この記事では、鉄フライパンに食材がくっつく理由などを紹介します。

記事の目次

  1. 1.鉄フライパンを使いこなすには
  2. 2.鉄フライパンに肉や魚がくっつく理由
  3. 3.鉄フライパンのくっつきを防ぐポイント
  4. 4.鉄フライパンのお手入れ方法
  5. 5.鉄フライパンをさっそく使ってみよう
  6. 6.まとめ

鉄フライパンを使いこなすには

Photo bypucho

鉄フライパンは料理の味をよくするといわれています。また、使うほど味が出て、一生ものといわれる魅力のある調理器具です。しかし、くっつかないで長く使うためには、適切な使い方をしなければいけません。

鉄フライパンは育てるもの

Photo byPexels

鉄のフライパンは「育てるもの」と言われていますが、お手入れ次第で一生使い続けられます。適切なお手入れをしていないことが、肉などの食材がくっつきやすく焦げる原因です。

鉄フライパンの特徴
長所
  • 傷に強くさびても再生できる
  • 使うほど油がなじみくっつかなくなる
  • 熱伝導率が高く短時間でおいしい料理が作れる
短所
  • 油をよくなじませないと焦げやすい
  • 空焼きなどの手入れが必要
  • 火加減の調整が必要

使いこんだ鉄フライパンは劣化したオイルで樹脂層が作られ、摩擦が少なくなります。また、鉄フライパンの熱伝導率はテフロン加工の約217倍もあるんですよ!

鉄フライパンに肉や魚がくっつく理由

Photo byLeo_Fontes

鉄製フライパンを使用中、食材がくっついて焦げる原因は複数あります。それらは使用する前の下準備や調理中のほんの少しの心がけで防止できますよ。

くっつく理由①最初に空焼きしていない

販売されている製品のほとんどは「防錆加工」が施されており、購入後空焼きして「防錆加工」をはがすとオイルがなじみやすくなります。

くっつく理由②油がなじんでいない

鉄のフライパンは油がなじまないうちに食材を入れると、くっつき焦げつきやすいです。加熱後、多めの油を入れたあともしっかり煙が出るまで加熱します。

くっつく理由③火加減を調整していない

鉄フライパンは熱伝導率がよいため、火加減を調整しないと焦げてしまいます。オイルが十分なじんでいれば、野菜炒めでも弱火か中火で十分おいしく調理可能です。

鉄フライパンのくっつきを防ぐポイント

Photo bydrnight2

鉄フライパンは熱伝導率がよいため、「温度」に気をつけることでくっつきを防止できます。

ポイント①予熱をしっかりする

鉄フライパンはどんな料理でも、はじめにしっかりと180℃まで予熱し多めのオイルをひきます。これはくっつかなくする方法の中で大切なポイントです。

ポイント②フライパンの温度は80℃以上

鉄フライパンは80℃未満ではタンパク質と結合しやすいため、食材がくっつかない方法は80℃以上に加熱することです。また、冷たい食材はフライパンの温度が下がるため、食材を混ぜて温度を保ちましょう。200℃以上の高温は焦げやすいため注意してください。

餃子や焼そばは、フライパン温度が下がらないようにお湯で蒸し焼きにする方法がおすすめです。

ポイント③冷たい食材は常温に戻す

冷たい食材はそのまま鉄のフライパンに入れるとくっつきやすいです。冷たい食材はなるべく常温に戻してから使いましょう。

鉄フライパンのお手入れ方法

Photo by mersy

鉄フライパンは使えば使うほど油がなじみ、使いやすくなってくるものです。しっかりお手入れすることで、食材のくっつき防止になり焦げることもなくなっていきます。

お手入れ①新品購入後に酸化被膜を作る

防さび加工を焼き切る(空焼きする)

鉄フライパンは、購入後に空焼きして「防さび塗装」を焼き切る必要があります。まず固くしぼったふきんで水ぶきし、強火でフライパン全体を熱して煙が出なくなるまで空焼きしてください。

お店で販売されている多くの鉄フライパンは、あらかじめ防さび加工がされています。焼き切りをすることで防さび加工がはがれ、油がなじみやすくなりますよ。

空焼きで酸化被膜ができる

鉄フライパンを空焼きすると表面の「防さび加工」がはがれ、「酸化被膜」がついてさびにくくなります。空のフライパンをコンロで熱しますが、コンロ上に置きっぱなしにせず全体をまんべんなく焼きましょう。焼き始めから表面が黒くなり灰色に変わったら完了です。冷めたらたわしでこすって洗います。

ガスコンロはあまり熱くなると安全装置が作動し、火が消えたり弱まったりします。また、IHコンロでは空焼きができないため、空焼き不要な鉄フライパンを選ぶのがおすすめです。

お手入れ②基本的に洗剤を使わず洗う

洗剤で洗わない

鉄フライパンは基本的に洗剤は使わず、キッチンペーパーで軽く汚れをとります。お湯で洗い流し加熱して、水分を飛ばし油を薄く塗っておきましょう。また、熱いまま洗剤で洗わないように注意してください。

油を塗ってお手入れする

鉄フライパンに油がなじまないと焦げやすくなります。焦げたら金だわしでこすりましょう。たとえ油が取れても、しっかり乾かして温めたあとに油を塗ると元に戻ります。

保管するときに油のヌルヌルが気になる場合は、新聞紙でくるみましょう。

お手入れ③洗ったあとは吸着水を飛ばす

使用後は表面の水を飛ばす

鉄フライパンと水は化学結合しやすいため、洗ったあとは表面に「吸着水」が残ります。吸着水がついたままでは食材がくっつきやすいため、洗ったあとしっかりと加熱して表面に酸化被膜を作りましょう。

吸着水を蒸発させるためにはフライパンの温度を250℃まで上げる必要があるといわれています。

吸着水を飛ばしたあと油返しをする

鉄フライパンの吸着水を飛ばしあとは、白い煙が出る直前まで温めてください。そして、油を注いで150~180℃まで温度を下げます。調理する場合はこのタイミングで必要な量の油を入れて、油がユラユラしたら食材を入れます。これが「油返し」です。

「油返し」は油ならしともいい、フライパンをしっかり熱したあと多めの油を入れてなじませることです。

お手入れ④さびはお湯でふやかす

鉄フライパンが焦げついたときは、お湯でふやかしたあとたわしなどで洗います。また、サビは水を入れて火にかけると汚れが浮きやすいです。クレンザーや重曹を使って洗ったあと、しっかり水分をとばして油ならしをしてください。

鉄フライパンをさっそく使ってみよう

Photo bytookapic

鉄フライパンに肉などの食材がくっつかないようにするには「温度」に注意しましょう。また、調理中の工夫でも鉄フライパンのくっつきを防止できます。ポイントを押さえながら、実際に鉄フライパンを使って調理してみましょう。

実践①オイルがなじみやすい料理から始めよう

鉄フライパンにオイルがなじまないうちは、野菜炒めやソーセージなどフライパンにオイルがなじみやすい料理から始めましょう。特に野菜炒めはオイルが劣化しやすく、フライパン表面に劣化したオイルが樹脂層をつくるため摩擦が減らせます。

実践②最初にしっかり加熱しよう

鉄のフライパンはどのような料理に使うときでも、最初にしっかりと熱することで食材がくっつかないようになります。特に、テフロン加工のフライパンを使い慣れている人は、最初の加熱のしかたが中途半端になることが多いため注意が必要です。

鉄フライパンは油を塗ってから収納しましょう。また、使うときは加熱して煙が出るまで油を温めます。

実践③適切な温度を保ちながら調理しよう

鉄フライパンの温度が80℃以上になったら食材を入れます。熱で油がユラユラしたときが、80℃のタイミングです。しかし80℃になっても野菜など冷たい食材を入れるとまた温度が下がるため、火力を調節して80℃以上に保ちましょう。調理中のフライパンは、120〜180℃に保つのが理想です。

それでは実際に、鉄フライパンでおいしい目玉焼きを作ってみましょう!

実例:おいしい目玉焼きの作り方

Photo bytidtee2015

1.鉄フライパンを温める

まず、鉄フライパンを弱火~中火で煙が出るまでしっかり温めます。

2.油を入れてなじませる

温めたフライパンに多めの油を入れて、再び煙が出るまで加熱し油をなじませてください。フライパンの油が多い場合は卵を入れる前に少し捨てましょう。

3.卵を入れる

卵を割り入れたら弱火でふたをして火が通ったら目玉焼きの完成です!

上の手順で目玉焼きを焼くと、くっついて焦げることなくおいしく仕上がります!

まとめ

Photo byStockSnap

鉄フライパンはお手入れが面倒なイメージがあります。しかし、お手入れをしっかりすることで、一生ものの価値のあるフライパンになりますよ。丁寧に使って、お気に入りの調理器具に育ててみましょう。

鉄フライパンでの油ならしのやり方!使い始めで失敗しない手順とは?のイメージ
鉄フライパンでの油ならしのやり方!使い始めで失敗しない手順とは?
鉄製のフライパンは最初に油をなじませる油ならしのお手入れが重要です。こちらの記事では、最初に行う油ならしや鉄フライパンに油分をなじませる洗い方などもご紹介。鉄フライパンの使い始めで失敗しない手順やシーズニングなどのメンテナンスについても解説します。
フライパンの焦げを簡単に落とす方法とは?力のいらない楽な方法は?のイメージ
フライパンの焦げを簡単に落とす方法とは?力のいらない楽な方法は?
フライパンについた頑固な焦げを落とすために苦労したことはありませんか?内側についてしまった焦げは残っていると作っている間も嫌な気分になりますし、外側についたこびりつきも固くて取るのが大変です。今回はフライパンの種類ごとに分けた焦げを落とす方法をご紹介します。
フライパンの寿命と見分け方は?長持ちさせる5つのポイントも紹介!のイメージ
フライパンの寿命と見分け方は?長持ちさせる5つのポイントも紹介!
テフロン・マーブルコート・鉄製などさまざまな種類を耳にするフライパン。使用を重ねるごとに劣化し、焦げ付くようになりますが、具体的な寿命については判断がしにくいものですよね。フライパンの種類ごとの寿命とその見分け方、長持ちさせるポイントについてご紹介します。
miki
ライター

miki

毎日を楽しみながら暮らしたい!そして、大切にしたいのは遊び心と好奇心です。

関連記事

記事ランキング