甘鯛の松笠の作り方!おいしく食べるためのさばき方や揚げ方をご紹介!

甘鯛の松笠の作り方!おいしく食べるためのさばき方や揚げ方をご紹介!

甘鯛を使ったレシピの中から、松笠揚げの作り方をご紹介します。上品な甘さの身と一緒に鱗も食べる大変珍しい料理です。甘鯛のさばき方から揚げ方、そして盛り付け方など、画像をもとに詳しくご説明します。一度ご家庭で松笠揚げに挑戦してみてはいかがでしょうか。

記事の目次

  1. 1.甘鯛と笠松揚について
  2. 2.松笠揚げのつくり方①甘鯛をさばく
  3. 3.松笠揚げのつくり方②甘鯛を揚げる
  4. 4.松笠揚げのつくり方③盛り付け
  5. 5.まとめ

甘鯛と笠松揚について

甘鯛はどのような魚?

甘鯛はタイの仲間ではなく、スズキと同じ種類の魚です。体長は20センチから60センチほどの大きさになり、日本近海から熱帯域まで広く分布しています。水深30メートルから150メートルの砂地に生息して、小型の甲殻類などをエサにしています。

甘鯛は赤、黄、白の3種類

甘鯛は、「アカアマダイ」、「キアマダイ」、「シロアマダイ」の三種類が水揚げされ、高級魚として扱われています。甘鯛の中でいちばん漁獲量が多いのはアカアマダイで、全体の漁獲量の7割近くをアカアマダイが占めています。シロアマダイは「シラカワ」とも呼ばれ、水揚げも少なく味も良いことから超高級魚として扱われています。

松笠揚げとはどんな料理?

甘鯛の切り身の鱗をとらず素揚げした料理で、うろこ揚げと呼ばれることもあります。唐揚げにするので、パリッとした食感が楽しめます。油で揚げると鱗が立つところが、松ぼっくりに似ていることから、松笠揚げと呼ばれるようになりました。鱗を食べる料理は、松笠揚げだけなのでとても珍しい料理法です。

松笠揚げのつくり方①甘鯛をさばく

表面のぬめりを取る

包丁を左右に動かしながら、甘鯛の表面についているぬめりをとります。全体的にぬめりが多い魚なので皮目だけではなく、お腹と背中のぬめりも取ります。鱗は簡単に外れませんが、あまり強くこすると取れてしまうので、力加減に注意します。

頭を落とす

まず初めにカマに切れ目をいれます。画像のように胸ビレの付け根と、切れ目を入れたカマのラインを目安に切れ目を入れていきます。身をひっくり返し同じように切れ目を入れて頭を落とします。甘鯛の頭は焼いたり、酒蒸しにしても美味しいので、捨てないで残さず使います。

お腹を開いて内臓を取り出す

内臓をとり出し、洗う準備をします。おへそ(肛門)から逆さ包丁でお腹を裂きます。内臓を取り出したら、お腹の奥に黄色い厚い膜があるので、包丁で切れ目を入れておきます。黄色い膜の奥にある血合が見えるようにしておくと、洗うときに楽です。

身を洗って水気をとる

お腹の中の血合を水でよく洗い流したら、皮目のぬめりもいっしょに洗い流します。甘鯛は水分の多い魚なので、水に触れている時間が長いと身がさらに水っぽくなります。手早く洗い、あとで洗い直しがないように注意します。洗い終わったら皮目とお腹の中もしっかりと水気をふきとります。

身を3枚おろしにする

甘鯛の身を三枚おろしにします。甘鯛はとても柔らかい魚ですが、その見た目と違い、骨はとても硬い魚です。さばき方は他の魚と変わりませんが、骨が硬く身をおろすのが難しい魚です。身に鱗が付いていたら揚げムラになるので、残さず取り除いておきます。

腹骨を切り取る

逆さ包丁で、腹骨と背骨のつながっている箇所を外します。腹骨と背骨が外れたら、包丁を元に戻して、腹骨に沿って刃を滑り込ますようにして切り取ります。逆さ包丁で腹骨と背骨の接合部を外し、包丁の刃の通り道を作ることで、腹骨を切りやすくしています。

逆さ包丁とは、刃先を上にむけて柄を握ることです。包丁の先端で骨や身をすくい上げて切るときに使います。

小骨を抜く

頭がついていた向きを右側にして、指先で小骨を探しながらピンセットで引き抜いていきます。甘鯛は柔らかい魚なので、骨といっしょに身まで抜けないように、画像のように小骨の根本を押えながら、ピンセットで引き抜きます。魚の身を触りすぎないように、注意しながら抜いていきます。

小骨は頭に向かって生えているので、頭がついていた側を右側にすると抜きやすくなります。

おろした身を塩でしめる

甘鯛は水気が多い魚です。全体的に軽く塩をふって身をしめていきます。身だけではなく皮目にもうすく塩をふり、30分ほどおきます。塩で身をしめることで、全体的に塩がいきわたり、揚げたときに味が均一に入ります。使う塩の量は魚のお重さの1%くらいを目安にします。

出てきた水分が身に触れないように、すこし斜めに置くと良いでしょう。出てきた水分が身に浸ったままになると生臭くなります。

おろした身を切り身にする

三枚おろしにした身を切り身にします。切る大きさに決まりはないので、お好みで切ってください。今回は揚げやすさと食べやすさを考えて、35グラムから40グラムほどの大きさで切っています。鱗が皮についたままで切るので多少力が必要です。包丁に力を入れてバリバリと切っていきます。

切り身についた鱗は揚げムラになるので、取っておきましょう。

松笠揚げのつくり方②甘鯛を揚げる

身側にかたくり粉をつける

鱗は何も付けず素揚げにするので、身側のみに粉をつけます。使用するのは片栗粉で、高級感を出すなら葛粉でもよいです。ただし葛粉はとても高価なので、ご家庭で揚げるなら片栗粉で十分です。粉を均等につけたら、網目のお玉(網杓子)に鱗を上にして乗せます。ここまで出来たらいよいよ揚げに進みます。

お玉で油をかける①(鱗が上)

網杓子に鱗を上にして乗せます。油の温度は少々高めで、粉を落として”ジュッ”と音がするようになったら、お玉で油をすくって鱗にかけます。少しずつ鱗が立ってくるので、全体の9割くらい火を通すつもりで、やさしく油をかけていきます。

買ってきた切り身で作ると、水分が抜けていて鱗がうまく立たないことがあります。そのような時はさらしで表面に水分を与えてあげるとよいです。

お玉で油をかける②(鱗が下)

編杓子の上で身をひっくり返し、鱗を下にしてゆっくり油に浸して揚げていきます。切り身全体を油で揚げるのではなく、皮だけが油に浸っている状態にして揚げます。油の温度は少々高めの180度から190度くらいで揚げることで、水分が飛んで鱗がカラッと揚がります。

鍋に落として仕上げ

鱗が立ってきて、バリバリとした感じになったら、編杓子から取り出して、身を油に落として揚げていきます。油の泡が小さくなってきたところで、少しだけ火の勢い強めます。こうすることでカラッと揚がり、油のキレも良くなります。なお油で鱗を立たせてから、オーブンで焼くと松笠焼きになります。

松笠揚げのつくり方③盛り付け

すだちを添えて盛り付け

揚がった身をとり出し、油をよく切って盛り付けます。身をしめたときの塩味がついているので、味付けをする必要はありませんが、お好みで塩を盛ってもよいです。最後にスダチを添えたら完成です。今回はシンプルな盛り付けにしましたが、季節の野菜の素揚げを添える盛り付け方もあります。

まとめ

甘鯛のレシピの中から、松笠揚げをご紹介しました。鱗を食べる珍しい料理法で、クリスピーな触感が楽しめます。ぜひ一度お試しください。また揚げるだけではなく、焼いたり、蒸したり、また西京漬けにすることもできる魚なので、この機会にいろいろなレシピを研究してみてはいかがでしょうか。

参考動画

今回の記事は、銀座渡利様のYoutube動画を参考に作成をさせていただきました。

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銀座渡利
流星 緑
ライター

流星 緑

料理大好き。日本中のおいしいものを食べ歩きするのが夢です。

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