ハマグリのお吸い物の作り方!蛤の下処理方法や煮込む時間のコツは?

ハマグリのお吸い物の作り方!蛤の下処理方法や煮込む時間のコツは?

「ハマグリのお吸い物」の作り方をご紹介します。ハマグリは「貝むき」と呼ばれる下処理で、海水が混ざることなく、砂や汚れもきれいに取り除けます。今回は、お店でも出されるような絶品のハマグリのお吸い物の作り方を、貝むきの方法や煮る時間も含めお話しします。

記事の目次

  1. 1.お祝い事の定番「ハマグリのお吸い物」
  2. 2.ハマグリとは
  3. 3.ハマグリのお吸い物の作り方【下ごしらえ編】
  4. 4.ハマグリのお吸い物の作り方【調理編】
  5. 5.本格的なだしで絶品「ハマグリのお吸い物」を食べよう

お祝い事の定番「ハマグリのお吸い物」

出典:写真AC

お祝い事には定番のハマグリのお吸い物ですが、その由来をご存知ですか?ハマグリは二枚貝で、ペアになっている貝としかピタリと合いません。そのことから「良縁に恵まれる」「夫婦円満」といった縁起を担ぎ、願いをこめて、お祝いの席やひなまつりによく食べられるようになりました。今回は、プロが作る本格的な「絶品ハマグリのお吸い物」のレシピについて学びます。

ハマグリとは

出典:写真AC

ハマグリは、スーパーでもおなじみの食材です。流通しているのはシナハマグリや台湾ハマグリ、ミハマハマグリと呼ばれる輸入品が多く、地ハマグリ(チョウセンハマグリ)は高級品とされています。かつては、日本の内湾にもハマグリが生息していましたが、高度成長期の水質汚染や護岸工事などによりその姿を消し、絶滅危惧種となっています。

ハマグリの旬

Photo by ysishikawa

ハマグリの旬は2月~4月です。ハマグリは5月から10月に産卵期を迎えます。産卵をひかえ、栄養を体に溜め込んでいる春の時期が、ハマグリが一番美味しい旬です。旬のハマグリは、他の時期に比べ、さらに身がふっくらとして柔らかく、身の味もダシ汁もおいしくいただけます。お吸い物に使うときは、同じく春が旬の具材を合わせると、より季節感が感じられます。

春が旬のおすすめ具材

  • せり(12~4月)
  • 菜の花(2~3月)
  • 三つ葉(3~4月)
  • たけのこ(3~4月)
  • 絹さや(4月~5月)
  • ふき(4月~6月)
など

新鮮なハマグリの選び方

出典:写真AC

ハマグリに限らず、貝は生きていることが前提です。死んでしまったものは火を通しても食べられません。ハマグリ同士ぶつけてみて、カチカチと澄んだ音がすれば新鮮です。見た目では、貝の口がしっかり閉じているもの、もしくは触ったときにさっと閉じるものを選びましょう。殻にツヤがあり、水で流すと落ちる程度のぬめりがあるものも鮮度がいいです。

ハマグリのお吸い物の作り方【下ごしらえ編】

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ハマグリはそのまま調理してしまうと、ハマグリの砂がお吸い物に入ってしまうのでおいしくできません。そこで、貝の殻をむく方法や塩水につける方法で砂抜きをしていきます。また、ハマグリのお吸い物は、おもに昆布だしを使います。ここでは、ハマグリの殻のむき方と昆布だしのとり方についてお話しします。

ここからは、銀座で板前をなさっている「銀座渡利」さんのYouTube動画を参考に解説していきます。動画は記事の最後に掲載しているのでお楽しみに。

ハマグリのお吸い物の材料【2人分】

  • ハマグリ:4~6個(大きさによってお好みで)
  • 水:400mL
  • だし用昆布:5g(5cm角)水に対して1%程度
  • 酒:大さじ1.5
  • 薄口醤油:小さじ1
  • 塩:少々
  • 菜の花やたけのこ、三つ葉などお好みの具材

下ごしらえ①ハマグリの下処理(貝むき)

出典:写真AC

貝の殻をむくことを「貝をむく」といいます。貝をむくことで、身だけでなく、ハマグリの「水管」と呼ばれる細かい管の中に入ってしまっている砂や汚れまでしっかり掃除できます。煮蛤などをつくるときにも使う方法です。少しコツとちからがいりますが、覚えてしまえばプロじゃなくても簡単にできますよ。

貝むきの道具

貝むきは、上の画像のような「貝むき」を使います。最近では100円ショップで「オイスターナイフ」として置いてあるところもあります。貝むきがない場合は、テーブルナイフやバターナイフなど薄い刃のものを使うといいでしょう。また、手をケガしやすいので、軍手などもあるといいでしょう。

貝むきの方法

1.ハマグリを握り込むように持ち、貝むきを貝の口にあてます。

2.ぐっと握り込むような形で力を入れ、貝むきを押し込みます。貝むきがハマグリに入ったら貝がらについている貝ひもをはがすように、貝がらに沿って貝むきの先を動かします。

ハマグリから出る水分は、ハマグリのうまみ成分と海水が混ざったものです。海水のえぐみが出るので、使うかどうかはお好みに合わせてくださいね。

3.貝柱はこの位置にあるので、これを切ると貝が開きます。身の裏側も同じように貝柱を切って貝がらを外します。

4.身が外れたら、次は水管の掃除です。身の内側から水管に、竹ひごなどの細い串に差し込んでいきます。

5.他のハマグリも同じように処理して串にぶら下げ、ボールに張った水の中で揺すって砂や汚れを落とします。

貝をむかないときは塩水で砂抜きを

出典:写真AC
貝むきをしない場合は、塩水での砂ぬきをしましょう。貝同士こすり合わせて洗った後のハマグリを3%の塩水につけ、暗所におきます。スーパーのものなら1時間程度、とったものなら半日程度でOKです。3%の塩水は、500mLのペットボトルの水にキャップ2杯分の塩を溶かせば簡単につくれますよ。

昆布だしの準備

出典:写真AC

  1. 昆布の表面を固く絞った布巾で拭き、砂などの汚れを取り除きます。
  2. 昆布を水にいれ、半日から1日程度おきます。

昆布についている白い粉は、「マンニット」と呼ばれるうまみ成分です。拭き取ってしまわないように気をつけましょう。

昆布だしのとり方をご紹介しましたが、カツオだしやハマグリのだしだけでつくるものなどさまざまなお吸い物があります。お好みのだしでOKです。

いよいよ、次はハマグリのお吸い物【調理編】です。プロのレシピをご紹介しますよ。

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ハマグリのお吸い物の作り方【調理編】

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