シンコ(新子)のさばき方と仕込み方!酢締めのコツ・立て塩のやり方!

シンコ(新子)のさばき方と仕込み方!酢締めのコツ・立て塩のやり方!

シンコ(新子)は出世魚で、コハダやコノシロの幼魚です。たった4~5cmのシンコのさばき方は細かい仕事で、寿司屋泣かせといわれます。魚体が小さいゆえに仕込み方も独特です。シンコのさばき方とともに、立て塩や酢締めなどの仕込み方をご説明します。

記事の目次

  1. 1.シンコ(新子)とは?
  2. 2.シンコのさばき方
  3. 3.シンコの酢締めの仕込み方
  4. 4.シンコを酢締めにして食べよう

シンコ(新子)とは?

出典:写真AC

シンコ(新子)とは、コハダやコノシロの幼魚を指します。成長に応じて呼び名が変わる出世魚になのです。4~5cmのものがシンコ、7~10cmがコハダ、13cmほどがナカズミ、15cm以上になるとコノシロと呼ばれます。サイズが小さいほど値段が高いのが、この魚の特徴です。産卵が春なので、孵化して4~5cmに育った初夏がシンコの旬になります。

職人の技量が試されるネタ

シンコは江戸前寿司には欠かせないネタですが、寿司職人泣かせの魚かもしれません。シンコは小さく身が薄いため、さばきにくいとされます。また、シンコの大きさにより寿司1貫(1個)で2~5匹を使うため、下処理に非常に手間のかかる魚です。加えて、塩や酢の加減で味や風味が変わりやすく、料理人の技量や特徴が如実に表れます。

では、シンコのさばき方をご説明しますぞ。

シンコのさばき方

小さなシンコを何匹もさばくのは、根気のいる作業かもしれません。しかし、慣れてくれば同じ作業の繰り返しです。シンコのさばき方をご紹介しましょう。

さばき方①背びれとうろこを取る

ボウル2つに冷水(氷水)を用意し、片方にシンコをすべて浸しておいてください。もう一つのボウルの冷水は、うろこや頭を取ったシンコを入れるためのものです。まず、背びれとうろこを取ります。背びれを包丁の刃先で立ててから、根元で切りましょう。うろこは、刃先を尾側から頭側へ動かして取ります。

さばき方②頭と尾を落とす

えらのすぐ後ろにある黒い点の位置で、頭を落とします。表裏から切り込まず、一息に落としてください。尾は画像のように斜めに切り落とします。

さばき方③内臓を出す

画像左のように、肛門の位置から腹にかけての部分を切り落としましょう。指か刃先で内臓を出してください。先程用意したきれいな冷水(氷水)に浸します。

この段階まで、すべてのシンコをさばきます。終わったら、うろこや内臓をよく洗ってください。小さくてたいへんですが、血合いの部分も指先で洗います。ざるに上げて水気を切りましょう。

シンコは腹開きにするぞ。

さばき方④腹開きにする

シンコの腹を自分のほうに向けて置き、中骨の上に刃を入れていきます。小さいながらもしっかりした骨なので、境目はわかりやすいです。背側は切り開かないように注意し、皮1枚残してください。開いたら中骨を下にしてまな板に置き、中骨の上に刃を入れて骨を切り離しましょう。中骨が上がになるように置いてさばく方もいます。

さばき方⑤小骨などを取り除く

腹骨をそぎます。魚体を縦にして置き、向かって左の腹骨をそぎ、皮1枚になったら刃を立てて切り落としましょう。魚の向きを変えずに、反対側の腹骨もそぎます。先程と同様に、最後は刃を立てて切り落としてください。ついでに腹の身の縁を切り揃えると、きれいに見えます。

背びれがついていた部分が硬いので取り除きます。刃先で押さえて引っ張るようにして取ってもよいですし(画像左)、切り落としてもよいです(画像右)。

さばいたシンコは大きさに合わせて重ねておきます。シンコは大きさにばらつきがあるため、次の段階(仕込み)の処理時間を調整する必要があるためです。

ふう、やっと全部さばき終わったわい。次は仕込みじゃ。

シンコの酢締めの仕込み方

シンコは、コハダと同様に酢締めにされることがほとんどです。酢締めにしたシンコは握り寿司にしてもよいですが、一品料理としても楽しめます。画像は、酢締めのシンコに海ブドウと早生ミカン、わさびを添えて盛り付けたものです。シンコの仕込みとして、立て塩と酢締めを順にご説明しましょう。

仕込み方①立て塩の仕方

酢締めの前に「立て塩」という処理を行います。立て塩とは、塩水に浸ける作業です。普通の魚でいえば、臭み抜きのふり塩にあたります。身が薄く小さいシンコに直接塩をふると味が強くなり過ぎるので、塩水に浸けるのです。

立て塩は海水濃度が目安

冷えた塩水を用意します。塩分濃度は海水と同じくらい(約3%)か、若干濃い程度です。塩水に氷を入れて冷やす場合は、溶けるにしたがって薄まることを意識して調整しましょう。最初に大きいサイズのものを塩水に入れ、30秒おいてから中サイズ、また30秒おいてから小さいものを入れます。1つのボウルに入れるのが不安な方は、サイズごと別々に処理してください。

シンコが塩水の中で1枚ずつばらばらになり、まんべんなく塩水に浸るようにしましょう。塩がほどよくきいて水分が出たシンコは、皮が若干反り返ってきます。頃合いになったものから順に、塩水から引き上げます。その際、シンコ2枚を背中合わせになるように重ねると、皮の銀色の輝きが褪せません。

仕込み方②酢締めの仕方

立て塩が済んだら、シンコを酢締めにします。酢水の濃度は、酢:水が1:1程度です。酢水も塩水と同様に、氷や冷蔵庫でよく冷やしたものを用意します。シンコを酢水に入れ、表も裏も均一に味が入るようにしてください。

酢水に浸す時間は、シンコの大きさやお好みによりますが、30秒~1分程度です。表面が白っぽくなるのも目安になります。酢水から上げたら背中合わせに重ね、ざるに上げてください。半日程度冷蔵庫でねかせましょう。寿司ネタや一品料理として召し上がれます。

立て塩も酢締めも、塩や酢の濃さと浸け時間の加減がうまさを左右するのじゃ。自分の好みの塩梅を見つけよう。

シンコを酢締めにして食べよう

出典:写真AC

シンコはコハダやコノシロの幼魚で、体長4~5cmしかありませんが、立派な高級魚です。コハダと同じく酢締めにすると絶品で、初夏の江戸前寿司には欠かせません。小さいゆえにさばき方や仕込みで職人の技術がわかるといわれます。シンコが手に入ったらさばきと酢締めに挑戦し、江戸前の粋に迫ってみてはいかがでしょうか。

参考動画

本記事は銀座渡利様のYouTubeチャンネルを参考にさせていただきました。数々の名店で修業を積んだプロの料理人が、魚の知識やさばき方、調理方法をわかりやすく説明してくれます。よろしければぜひご覧くださいませ。

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【プロフィール】 ・東京銀座の鮨屋で働いていた板前です。 ・2020年10月1日に、個室を間借りする形で、鮨 渡利(@渋谷青山)を開業いたしました。 料理はそれぞれが「自由に」作ることが一番大切なのかな?と考えおりまして、(細かい分量を出さないこともありますが、)皆さんが、視聴後に、ご自身で料理をして、美味しかっ...
jitsu
ライター

jitsu

薬科大学卒業後、食品や水の検査に携わっていました。ものづくりと読書が大好きで、家の中は手芸作品でいっぱい!いろいろな木の実を集めたり、植物の写真を撮影したりするのも趣味です。里山づくりに参加しており、放置竹林伐採作業や自然工作イベントのスタッフの経験があります。

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