ノドグロのさばき方と食べ方!煮付け・塩焼き・炙り・握りの作り方!

ノドグロのさばき方と食べ方!煮付け・塩焼き・炙り・握りの作り方!

ノドグロ(正式名アカムツ)は「白身のトロ」と称されるほどの美味で知られています。ノドグロが入手できたら、その特徴を踏まえたさばき方をし、煮付けや塩焼き、炙りなどさまざまな食べ方で楽しみたいものです。ノドグロの旬やさばき方、おいしい食べ方をご紹介します。

記事の目次

  1. 1.ノドグロとは
  2. 2.ノドグロのさばき方
  3. 3.ノドグロの食べ方①煮付け
  4. 4.ノドグロの食べ方②塩焼き
  5. 5.ノドグロの食べ方③炙り刺身
  6. 6.ノドグロの食べ方④握り寿司
  7. 7.ノドグロの食べ方⑤一夜干し
  8. 8.ノドグロの食べ方⑥吸い物
  9. 9.まとめ

ノドグロとは

出典:写真AC

ノドグロ(アカムツ)は「白身のトロ」と称される高級魚です。正式名称は「アカムツ」ですが、「ノドグロ」という名前のほうが知られています。

ノドグロ(アカムツ)の名前の由来

出典:銀座渡利のYouTubeチャンネル
(前編)
https://www.youtube.com/watch?v=cbVzB3NNNL8
(後編)
https://www.youtube.com/watch?v=432W0sXqoT8

「ノドグロ」の名の由来は、画像のようにのどが真っ黒なことです。正式名称の「アカムツ」は、文字通り体色が赤いムツを意味します。しかしスズキ目ムツ科ではなく、スズキ目ホタルジャコ科の魚です。「ムツ」は脂っぽいという意味の「むつっこい」「むっこい」という方言に由来するといわれ、季節を問わず脂がのっています。

ノドグロの旬は?

出典:写真AC

ノドグロ(アカムツ)の旬の時期は、産地や人によって違います。例えば、新潟県産のノドグロは7月~9月が旬とされます。産卵時期でよくエサを食べて脂がのっており、子持ちのノドグロは絶品だというのです。一方、島根県産のノドグロの旬は9月~12月だといいます。ノドグロは大きいほど脂のりがよくおいしいとされ、山陰沖では夏以降の時期に中型~大型のノドグロが水揚げされるからです。

ノドグロの旬は産地によりけり

また、石川県産のノドグロは、11月から2月の時期が旬だとされます。この時期のノドグロは、寒さを乗り越えるために脂肪を蓄えるからです。産卵時期の漁を避けることで資源保護にもなります。一般的にノドグロは1年中脂がのっており、一年中が旬だといっても過言ではありません。ノドグロの脂のりは季節や時期に左右されず、個体差が大きいという研究結果もあります。

ノドグロのさばき方

ノドグロのさばき方を知っていれば、例えば半身は炙り、半身は塩焼きというように、複数の食べ方を自由に楽しめます。まずは、ノドグロの三枚おろしのやり方をご説明しましょう。

さばき方①うろこを落とす

まず、うろこを引きます。ノドグロは比較的うろこが取れやすい魚です。うろこ取りを尾側から頭側に動かして、うろこを取りましょう。

家庭では新聞紙の上かビニール袋の中で行うと片付けが楽です。

各ひれのつけ根など、細かい部分に残ったうろこは、包丁の先でていねいに始末します。

さばき方②頭を取る

頭側に残る身が少なくなるように、腹びれの後ろから口のほうに向かって斜めに包丁を入れます。姿煮などにする場合は頭を落とさないので、エラを外して腹を開きましょう。

胸びれのつけ根と頭の上を結ぶ線で、斜めに包丁を入れます。背骨を断ち切ったら刃を止めて裏返し、裏側からも包丁を入れて頭を落としましょう。

さばき方③内臓を取る

尻から包丁の刃先を入れて頭側へと進め、腹を開きます。

内臓を出し、膜を切り開いて血合いを取り除きます。新鮮ならば肝を捨てずに、煮付けなどで食べるとおいしいです。流水で腹の中をきれいにしましょう。血合いや、ノドグロの特徴である黒い膜をよく落とします。

清潔な布巾やペーパータオルで水気をよく取ります。黒い膜や血合いが残っていたら、拭き取りましょう。

さばき方④3枚におろす

魚の三枚おろしの基本的な手順は、「腹→背→背→腹」です。

まず尾を左側にし、腹側から中骨に沿って包丁を入れます。刃先が背骨に達するまで進めましょう。ノドグロは身がやわらかい魚なので、身が割れないようによく切れる包丁でやさしく扱います。

裏返さずに向きを変えて、背中側から包丁を入れます。中骨をこする音を聞きながら、刃先が背骨に達するまで刃を進めましょう。

背骨から左右に出ている血合い骨を切断しながら、下身(常に下にされている右側の身)を切り取ります。

裏返して中骨を下にし、背中側から先程と同様に包丁を入れます。

向きを変え、腹側からも包丁を入れます。

背骨と血合い骨を切断しながら上身(左側の身)を切り取って、三枚おろしの完成です。

さばき方⑤腹骨と血合い骨を処理する

次に腹骨をすきます。腹骨と背骨の接合部は、逆さ包丁で切断するのがコツです。その切れ目から包丁を入れ、腹骨のカーブに沿ってすいていきましょう。最後に皮1枚になったら、包丁を立てて切り落とします。

血合い骨を骨抜きで取り除きます。左手で両側から押さえるようにして取ると、身崩れしにくいです。指で触ってみて、固いもの(残った血合い骨)がないか確認します。

ノドグロの食べ方①煮付け

最初にノドグロの煮付けを紹介します。画像は切り身の煮付けですが、夏から秋の産卵期に出回る子持ちのノドグロの煮付けや、新鮮な肝の煮付けもおいしいと定評があります。臭みのない煮つけを作るコツも解説していきます。

煮付けの作り方①湯通し

まず、画像左のように皮に包丁目を入れます。魚の皮は加熱すると縮んで見栄えが悪くなるからです。切れ目を入れることで、皮が縮むのを緩和できます。臭みのない煮付けを作るコツは、軽く湯通しをすることです。沸騰したお湯にさっと通し、画像右のように皮が縮んで反り返ったら引き上げます。

煮付けの作り方②酒とみりんと砂糖で煮る

少量の水を沸騰させ、酒、みりん、砂糖を加えます。砂糖を最初に入れるのは、塩分よりも味がしみ込みにくいからです。みりんも先にいれます。みりんは身をかたくするので一般的に後で入れることが多いですが、ノドグロは身がやわらかいので先に入れて身崩れを防ぐのです。

加熱時間の目安は10~15分

煮汁が沸騰したら魚を入れます。ゴボウやダイコンなどの根菜類を一緒に入れて炊くのもおすすめです。こまめに煮汁を回しかけ、あくを取りながら煮ます。完成までの加熱時間の目安は10~15分です。

煮付けの作り方③醤油を加えて煮る

7~8分経って煮汁が少なくなってきたら、醤油を入れます。このときのポイントは、醤油を1度に加えず、2~3回に分けて入れて煮詰めながら味を決めることです。味が決まったら煮汁にとろみがつくまで煮詰めます。画像右のように泡が消えなくなったら、とろみがほどよくついた頃合いです。

煮付けの作り方④盛り付け

いよいよ盛り付けです。骨がない切り身の煮つけは崩れやすいので、注意して扱いましょう。上から煮汁を適量回しかけます。上にユズや白ネギ、三つ葉などを添えて完成です。

天盛り

このように料理の上に香物や薬味を乗せることを「天盛り」といいます。季節感や彩りを加えるとともに、「この料理には誰も手をつけていません」ということを示す和食の盛り付け技法です。

ノドグロの食べ方②塩焼き

次にご紹介する食べ方は、塩焼きです。おいしい塩焼きにするには、塩加減も重要なポイントです。ノドグロの塩焼きの作り方をご紹介します。

塩焼きの作り方①塩を振る

塩焼きでも煮付けの場合と同様に、切れ目(化粧包丁)を入れましょう。火の通りがよくなると同時に、皮の縮みを緩和して見た目もよくなります。魚をざるなどの上に置き、塩をふりましょう(ふり塩)。高い位置からふるのが、均一にふりかけるコツです。普通の塩焼きよりも強めに塩を効かせます。ノドグロは脂が多いため、焼いたときに脂と一緒に塩が落ちるからです。

塩をふったら放置して水分を出す

ノドグロは比較的水分が多い魚でもあります。余分な水分を出して身を引き締めるために、塩をふって10~15分程度置きましょう。このとき臭みも一緒に抜けてくれます。画像右のように魚の表面に水分が浮いてきたら、ペーパーで拭き取りましょう。

塩焼きの作り方②焼く

焼き網の上にアルミホイルを敷いて魚を乗せ、余熱したグリルなどで焼きます。切り身に形をつけたいときは、串を打ってもよいでしょう。焼き時間の目安は、皮目を上にして上から弱火で20分程度です。アルミホイルの上に流れ出たノドグロ自身の脂で揚げ焼きされ、皮がパリパリに仕上がります。

塩焼きの作り方③盛り付け

皿に盛り付けます。脂の多い魚の塩焼きには、スダチなどの柑橘類がぴったりです。好みで大根おろしなどを添えてもよいでしょう。

次のページ

ノドグロの食べ方③炙り刺身

関連記事

記事ランキング