青柳のさばき方!剥き方・内臓の取り出し方から食べ方までご紹介!

青柳のさばき方!剥き方・内臓の取り出し方から食べ方までご紹介!

寿司や刺身でお馴染みの、青柳のさばき方をご紹介します。青柳をご自宅で捌いて、食卓に並べてみてはいかがでしょうか。手順を理解すれば、初めての方でもご家庭で調理が可能です。身のさばき方から内臓を取り出す方法と火の通し方のコツ、盛り付け方をご紹介します。

記事の目次

  1. 1.青柳についての基礎知識
  2. 2.青柳のさばき方①身の下処理
  3. 3.青柳のさばき方②身に火を通す
  4. 4.青柳のさばき方③身を開いて盛り付ける
  5. 5.青柳のさばき方④食べ方ご紹介
  6. 6.まとめ

青柳についての基礎知識

青柳とはバカガイのむき身のこと

刺身や寿司ネタとして使われる青柳は、貝の名前ではなく、バカガイを食用として加工した部分のことです。青柳と呼ばれるのは、赤身がかったオレンジ色のフソクと呼ばれる、貝から舌のようにでているところを、刺身や寿司ネタ用としてむき身に加工したものを言います。

バカガイとはどんな貝?

アサリやハマグリと同じように古くから食べられてきた馴染みの深い貝です。味もよく昔は東京湾でたくさん獲れた貝ですが、水質悪化と開発で生息地が減少した影響で、漁獲量は年々減少しています。現在の産地は東京湾では富津や木更津、全国的には北海道や三重県、愛知県産が有名です。

バカカイと青柳の名前の由来


「バカガイ」という名前は、良い名前とは言えません。名前の由来については諸説あり、どの説が正しのかはっきりしません。名前の由来として見た目からついた説や、産地の地名からついた説が一般的です。

「青柳」というの名前の由来は、江戸時代の江戸前寿司職人が、品書きに「バカガイ」と読める名前を書くのを遠慮し、当時バカガイの集積地であった地名の青柳(現在の千葉県市原市)をそのまま俗称として用いたのが始まりとされています。

青柳のさばき方①身の下処理

貝を開いて中身を取り出す

殻付きのバカガイは両端にある貝柱に包丁を入れて切り離すと、簡単に開くことが出来ます。貝剥きがなければ包丁でもよいので、貝柱を外して中身をとり出します。バカガイはパック詰めで売られていることが多いので、パック詰めを使う場合は、この工程は省きます。

貝柱ととる

身の左右に一つずつ貝柱がついています。手で押し出すようにしてとり出します。貝柱は左右で大きさが違い、大きいほうを大星、小さいほうを小星と呼びます。貝柱は塩水で洗い、刺身や天ぷら、軍艦巻きなどで食べます。

パック詰めの身の貝柱は取り外されているので付いていません。貝柱は別で小柱として売られています。

内臓をとる

左手で身を持ち、身の茶色い部分を上に向けながら、手でつまむようにして外します。左手の親指で押し出すようにしても取り出せるので、やり易い方法でおこなってください。

取れた内臓です。簡単に取り外せます。身の最初の下処理はここまでです。次に火入れに進みます。
 

青柳のさばき方②身に火を通す

身をナベに入れる

茹で上がった身をしめるのに使う氷水を用意しておきます。次に下処理した身をナベに入れ、塩を振り、身が浸るくらいの水を入れます。塩は海水の成分を含んだ粗塩を使い、ナベの水の塩分濃度が海水と同じくらいになる分量の塩を入れます。塩と水を入れたらナベに火を点け、身に火を通していきます。

手で揉みながら火を通す

手で揉みながら火を通します。湯の温度が上がるにつれ、身がしまる、ゆるむ、またしまる、と固さが変化するので、指先の感覚に集中しながら揉み続けます。身の固さが一旦緩んだあとに固くなったら頃合いなので火を止めます。ここの火の通し方で食感が決まるので集中して行います。

手を入れてられない温度まで上げるのが目安、だいたい60度から70度くらいです。

茹で上がった身を氷水に落とす

茹で上がった身を氷水に落として、身をしめます。火を入れすぎると身が硬くなりゴムのような食感となり、逆に火の入れ具合が弱いと、柔らかくフニャフニャした食感になります。手で触ってみて、少し固いくらいが適当です。

青柳のさばき方③身を開いて盛り付ける

水管と身を切り離す

水管を身から切り離します。点線のラインを目印に包丁で切れ目を入れます。完全に切り離さず、水管がひもで身につながった状態を目指します。

点線のラインにそって切れ込みを入れているところを、横から見た画像です。水管の口の少し左横あたりを切るイメージです。

内臓とエラの掃除

身と水管がつながった状態になったら、身に内臓やエラが残っているので掃除をします。内臓は包丁で押さえて軽く引っ張ることで、簡単に取り外せます。

内臓とエラを取り除いた状態です。身とひもと水管がつながった、きれいなむき身の状態となります。

水管の砂を掃除

水管に残った砂の掃除を行います。バカガイは砂抜きが難しい貝で、水管の中に砂が残っているので、水管を包丁で軽く押さえて、引っ張るように砂を取り除きます。画像のように水管を開いて掃除をする方法もあります。ただし、パック詰めの身は砂抜きをしてあるので、パック詰めを使う場合は行わなくてもよいです。

身を半分に開く

盛り付けの為の最終的な下処理に入ります。フソクの身の薄いところから、包丁で切れ目を入れて身を半分に開きます。全部切らないように、切れ目を入れた反対側を残すように切ります。

身を半分に開いたら、身の中の汚れや筋を包丁できれいに取り除いておきます。身を開くことでフソクが立つので、盛り付けの際に見栄えが良くなります。

ひもを身にの下に隠して盛り付ける

ひもが外に出たままでは見栄えが良くないので、開いた身の中にひもを隠すようにして、中に押し込みます。ひもを押し込んだら、フソクを立たせて皿に盛り付けます

身を立たせ、並べて皿に盛り付けると、ツノがピンと張ったきれいな盛り付けになります。
 

身をならべたら、付け合わせの小柱の刺身とスダチを添て完成です。盛り付け方の例として、飾りの小菊と大根のツマを添えて、大葉の上に青柳を乗せるやり方もあります。また他の刺身といっしょに盛り付けることも行われます。

青柳のさばき方④食べ方ご紹介

青柳は刺身や寿司で食べることが多い食材です。しかしフソクの部分だけではなく、バカガイの身を味わう料理法も数多く存在します。ここでは刺身以外の食べ方をいくつかご紹介しますので、バカガイを使ったいろいろな料理に挑戦してみてはいかがでしょう。

青柳のぬた

酢味噌と砂糖を合わせたタレに、わけぎを刻んで青柳を和えて作ります。わけぎの代わにネギで作ることもあります。バカガイの身そのものを使うより、舌切りと呼ぶフソクの部分を使って作るのが一般的です。

バカガイのなめろう

なめろうは千葉の房総半島沿岸が発祥の郷土料理です。バカガイの身にネギやショウガ、ミョウガを乗せ、味噌と酒を加えて、まな板の上で粘りが出るまで包丁で叩いて作る料理です。なめろうは酒の肴として出されますが、なめろうを焼いた「さんが焼き」はご飯のおかずになります。

青柳の酒蒸し

フライパンにバカガイと酒を入れ、ふたをして蒸し、口が開いたら完成です。醤油と塩で味付けし、出てきた汁もおいしくいただけます。バカガイは砂抜きが難しいため、砂抜き済みの貝を使用します。

焼きバカガイ

貝を開いて強火で短時間で焼き上げます。磯のかおりが強くとても美味。浜焼きで売っているものは砂抜きをしていますが、ご家庭で殻付きで調理する場合は、砂抜きしてあることを確認のうえ調理します。

青柳の炊き込みご飯

バカガイを使った炊き込みご飯です。アサリの炊き込みご飯と同じように作ります。アサリを使ったご飯ものといえば深川めしが有名ですが、その昔、深川めしはアサリではなくバカガイで作られていたと言われています。

まとめ

バガガイは磯の香が強く、味もよい貝です。さばき方のポイントと火の入れ方のコツをマスターして、ぜひご家庭で青柳の刺身を味わってみてください。刺身以外の食べ方も研究して、お店の人が驚く料理を作ってみてはいかがでしょう。

おすすめ参考動画

今回の記事は、銀座渡利様のYoutube動画を参考に作成させていただきました。

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流星 緑
ライター

流星 緑

料理大好き。日本中のおいしいものを食べ歩きするのが夢です。

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