青柳についての基礎知識
青柳とはバカガイのむき身のこと
刺身や寿司ネタとして使われる青柳は、貝の名前ではなく、バカガイを食用として加工した部分のことです。青柳と呼ばれるのは、赤身がかったオレンジ色のフソクと呼ばれる、貝から舌のようにでているところを、刺身や寿司ネタ用としてむき身に加工したものを言います。
バカガイとはどんな貝?
アサリやハマグリと同じように古くから食べられてきた馴染みの深い貝です。味もよく昔は東京湾でたくさん獲れた貝ですが、水質悪化と開発で生息地が減少した影響で、漁獲量は年々減少しています。現在の産地は東京湾では富津や木更津、全国的には北海道や三重県、愛知県産が有名です。
バカカイと青柳の名前の由来
「バカガイ」という名前は、良い名前とは言えません。名前の由来については諸説あり、どの説が正しのかはっきりしません。名前の由来として見た目からついた説や、産地の地名からついた説が一般的です。
「青柳」というの名前の由来は、江戸時代の江戸前寿司職人が、品書きに「バカガイ」と読める名前を書くのを遠慮し、当時バカガイの集積地であった地名の青柳(現在の千葉県市原市)をそのまま俗称として用いたのが始まりとされています。
青柳のさばき方①身の下処理
貝を開いて中身を取り出す
貝柱ととる
パック詰めの身の貝柱は取り外されているので付いていません。貝柱は別で小柱として売られています。
内臓をとる
青柳のさばき方②身に火を通す
身をナベに入れる
手で揉みながら火を通す
手を入れてられない温度まで上げるのが目安、だいたい60度から70度くらいです。
茹で上がった身を氷水に落とす
青柳のさばき方③身を開いて盛り付ける
水管と身を切り離す
内臓とエラの掃除
水管の砂を掃除
身を半分に開く
ひもを身にの下に隠して盛り付ける
青柳のさばき方④食べ方ご紹介
青柳は刺身や寿司で食べることが多い食材です。しかしフソクの部分だけではなく、バカガイの身を味わう料理法も数多く存在します。ここでは刺身以外の食べ方をいくつかご紹介しますので、バカガイを使ったいろいろな料理に挑戦してみてはいかがでしょう。
青柳のぬた
酢味噌と砂糖を合わせたタレに、わけぎを刻んで青柳を和えて作ります。わけぎの代わにネギで作ることもあります。バカガイの身そのものを使うより、舌切りと呼ぶフソクの部分を使って作るのが一般的です。
バカガイのなめろう
なめろうは千葉の房総半島沿岸が発祥の郷土料理です。バカガイの身にネギやショウガ、ミョウガを乗せ、味噌と酒を加えて、まな板の上で粘りが出るまで包丁で叩いて作る料理です。なめろうは酒の肴として出されますが、なめろうを焼いた「さんが焼き」はご飯のおかずになります。
青柳の酒蒸し
フライパンにバカガイと酒を入れ、ふたをして蒸し、口が開いたら完成です。醤油と塩で味付けし、出てきた汁もおいしくいただけます。バカガイは砂抜きが難しいため、砂抜き済みの貝を使用します。
焼きバカガイ
貝を開いて強火で短時間で焼き上げます。磯のかおりが強くとても美味。浜焼きで売っているものは砂抜きをしていますが、ご家庭で殻付きで調理する場合は、砂抜きしてあることを確認のうえ調理します。
青柳の炊き込みご飯
バカガイを使った炊き込みご飯です。アサリの炊き込みご飯と同じように作ります。アサリを使ったご飯ものといえば深川めしが有名ですが、その昔、深川めしはアサリではなくバカガイで作られていたと言われています。
まとめ
バガガイは磯の香が強く、味もよい貝です。さばき方のポイントと火の入れ方のコツをマスターして、ぜひご家庭で青柳の刺身を味わってみてください。刺身以外の食べ方も研究して、お店の人が驚く料理を作ってみてはいかがでしょう。
おすすめ参考動画
今回の記事は、銀座渡利様のYoutube動画を参考に作成させていただきました。
殻付きのバカガイは両端にある貝柱に包丁を入れて切り離すと、簡単に開くことが出来ます。貝剥きがなければ包丁でもよいので、貝柱を外して中身をとり出します。バカガイはパック詰めで売られていることが多いので、パック詰めを使う場合は、この工程は省きます。