イルカの肉は古くから親しまれてきた貴重な食料
他の魚・肉に比べるとかなりマイナーともいえる「イルカ肉」は、クジラ肉の仲間ともいえる食べ物です。戦前・戦後の日本において不足気味だったたんぱく質が摂れる貴重な食料とされていました。
現在では、静岡県の東側地域をや千葉県・山梨県などを中心とした、限られた地域のスーパーの食料品売り場で見かけます。イルカ肉を用いた地域ならではの料理・食べる方法も存在するほど、地元では大人気の食料なのです。
イルカ肉の特徴・風味は?
少しクセのある味
食べられる機会が少ないイルカ肉ですが、インターネット上では「食べにくい」「苦味がある」という声も少なくありません。イルカは常に全身運動で泳ぐ生き物のため、切り身には血が行き渡っています。そのため、調理前は少し血生臭さが出てくるのです。しかし、馬刺しのような少しクセのある風味が、お酒とよく合っておいしいと高い人気を誇っています。
食感は少し固め
イルカ肉は濃い赤色が特徴であり、噛みごたえのある固い食感も地元では評価されています。地元では刺し身だけでなく、食感を活かして味噌煮などの煮物料理にすることも多いのです。クジラ肉・マンボウ肉などと比べるとマイナーではあるため、初めて食べる方・食べ慣れていない方にとっては風味と併せて「食べにくい」と感じる人も少なくありません。
イルカ肉を食べる前の注意点・下準備の方法は?
①血抜きはしっかり行うこと
イルカ肉を食べたことがある人の中には「血の味がして食べられない」「あまりおいしくない」と感じる人も少なくありませんが、この原因としてはイルカ肉を調理する前に必要な「血抜き」がしっかり行われていないのがほとんどなのです。
イルカ肉の血抜きをするときは、基本的にレバーと同様、塩を少し入れた水にさらす方法を取り入れます。血とアクが大変強いため、水が血で赤くなってきたら、こまめに水を替えながら行いましょう。血抜きをすることで、イルカ肉の嫌な臭いの原因となる油も一緒に出ていくため、しっかり行いましょう。
②煮物料理にするなら下茹でをしておくこと
ある程度血抜きをしたイルカ肉は刺し身にするとおいしいですが、煮物などといった料理の材料に使う場合には下茹でも大切です。イルカ肉はそのまま使うとアクが強いことから、茹でた後の汁を捨てる「茹でこぼし」という方法を取り入れるのがおすすめです。
イルカ肉を茹でるときには必ず水から茹で始めましょう。ある程度時間が経つと肉に付いているアク・脂肪が鍋の表面に出てくるため、一度茹で汁を捨ててから再度茹でましょう。目安としては4~5時間程度かけて茹でるとよいでしょう。
基本的にイルカ肉の血抜きは時間がかかる工程ですが、あらかじめイルカ肉を薄切りにしておくと、より短い時間で効率よく血抜きができますよ!