塩麹とは何か
塩麹の特徴
塩麹とは、塩と麹をあわせ発酵させて作られた調味料のことです。塩麹そのものの味はしょっぱいですが、発酵させることにより旨味や甘みがプラスされます。塩麹自体は味の主張がそれほど強くなく、もともとの料理の味を邪魔せずにコクを足せるため、常備しておくと重宝しますよ。
麹とは
麹とは食べられるカビの一種で、日本では「国菌」とも呼ばれています。蒸した穀物や豆類に麹菌を付着させ培養することによって作られます。米を原料に作られたものを「米麹」、大豆を原料に作られたものを「豆麹」、麦を原料に作られたものを「麦麹」といい、それぞれ日本を代表する調味料の一つ「味噌」作りには欠かせない存在です。
塩麹の効能【食材編】
効能①肉を柔らかくする
塩麹が持つ「プロテアーゼ」と呼ばれる消化酵素には、肉の硬さの原因であるタンパク質を分解する働きがあります。肉を塩麹に漬け込むとタンパク質分子の結びつきが弱くなるため、通常よりも柔らかい肉に仕上げられます。
効能②甘みや旨味アップ
塩麹が持つ「アミラーゼ」と「プロテアーゼ」は、甘みや旨味成分を増やす働きをもっています。アミラーゼはデンプンを甘み成分の糖に、プロテアーゼはタンパク質を旨味成分のアミノ酸に変えるため、食材全体に甘みと旨味がプラスされコク深い味わいになります。
効能③脂っこさを減らす
塩麹が持つ「リパーゼ」と呼ばれる消化酵素は、脂肪を分解する働きをもっています。料理に含まれる脂肪を効率よく分解できるため、脂っこい食材をさっぱり食べたいときにおすすめです。
効能④減塩
塩麹に含まれる塩分量は、塩の約1/4であるため、減塩効果が期待できます。料理では塩の代わりに塩麹を使用する際、塩麹は塩のおよそ2倍の量を使用しますが、塩分量で考えると塩麹のほうが少ないことになります。
塩麹の効能【美容・健康編】
効能①腸内環境を整える
塩麹に含まれる「オリゴ糖」は、腸内の善玉菌を増やす働きをもっています。継続して摂取することで腸の働きがよくなり、便秘や下痢をしにくい体づくりに役立つでしょう。塩麹がもつさまざまな消化酵素は、食べ物を分解し消化しやすくする働きをするため、胃の負担を和らげる効果も期待されています。
効能②美肌
塩麹が発酵する段階で作られる「コウジ酸」は、美肌の天敵であるメラニンの生成を抑制する働きを持っています。麹菌が生成する「ビタミンB」は、髪の毛や皮膚を作るのに欠かせない成分であり、肌や髪の毛の再生力を高める効果も期待できます。
効能③疲労回復
塩麹に含まれる「ビタミンB1」「ビタミンB2」は、糖質や資質をエネルギーに変える働きを持っており、疲労回復に役立ちます。そのほかにも「GABA」と呼ばれる成分にはストレスを軽減する働きがあり、疲労の緩和やリラックス効果が期待されています。
効能④免疫力アップ
塩麹に含まれる「ビタミンB2」「ビタミンB6」は、皮ふや粘膜を細菌から守る働きをもっており、免疫力アップ効果が期待できます。「オリゴ糖」によって腸内環境を整えることで、腸内に多くある免疫細胞の働きを促進できるため、風邪予防などの健康維持につながります。
効能⑤血液をサラサラにする
塩麹に含まれる「必須アミノ酸」は、脂肪を分解し血液をサラサラにする働きをもっています。同じく塩麹に含まれている「ペプチド」は、胆汁液を作る際に血液をドロドロにする原因の一つであるコレステロールを多く使うため、血液の流れをスムーズにする効果が期待されています。
塩麹の作り方と使い方
塩麹の作り方
材料(作りやすい分量(米麹200g分))
米麹 | 200g |
塩 | 60g |
ぬるま湯 | 2カップ程度 |
作り方
- ボールに米麹を入れて手でほぐす
- 1に塩を加える
- 清潔な瓶などに2を入れ、ぬるま湯を加え、ヘラで混ぜあわせる
- ふんわりとラップをし、室内の暖かい場所で管理する
- 1日1回、空気を含ませるように混ぜあわせる
- 全体が黄色みがかり、とろみがついたら完成
塩麹の使い方のポイント
ポイント①漬け込み時間
塩麹は、主に肉や魚を漬け込むことに使われますが、漬け込み時間には注意が必要です。食材の量や厚さにもよりますが、30分~3時間ほどを目安にしましょう。あまり長く漬け込むと、タンパク質が分解され過ぎて水っぽくなる恐れがあります。
ポイント②使用量
塩麹はそれ自体がしょっぱいため、ほかの調味料とあわせて使う際は分量に気をつけます。漬け込み時間が長くなり過ぎると、その分しょっぱさもアップします。加減をみながら、使用量や漬け込み時間を調整しましょう。
塩麹のデメリットと注意点
デメリット①塩分の摂りすぎ
塩麹は塩よりも含まれる塩分量は少ないですが、食べ過ぎると塩分を摂りすぎてしまいます。基本的には「魚一尾(鶏もも肉1枚)に塩麹大さじ1」ほどの量で十分です。塩麹の使用量に気をつけましょう。
デメリット②麹菌以外の菌が発生しやすい
手作りの場合に多いデメリットの一つとして「別の菌が発生しやすい」ことが挙げられます。麹菌にとって快適な環境は、別の菌にとっても心地よい環境といえます。手作りする場合は、使用する道具は全て消毒し、保管時にほかの菌が入り込まないように気をつけましょう。
デメリット③高温に弱い
塩麹に含まれるビタミンB1や酵素は、熱に弱い性質を持っています。特に酵素は70℃以上で働きが弱くなるため、効果的に摂取したい場合は、加熱しないことをおすすめします。
塩麹のおすすめの食べ方
食べ方①豚肉の塩麹焼き
材料(2人前)
- 豚ロース (薄切り)300g
- 塩麹20g
- サラダ油適量
- 付け合わせ
- レタス50g
- ミニトマト2個
作り方
- 豚ロース肉に塩麹を薄く塗り、ラップをして30分冷蔵庫に置く
- フライパンにサラダ油を入れ温め、1を中火で焼く
- 2~3分焼いたら裏返し、さらに3分焼く
- 皿に野菜と一緒に盛り付けて完成
塩麹に食材を漬け込んで焼くと焦げやすいので、焼く前に洗い流してもいいですか?
塩麹を洗い流すことはおすすめしません。洗い流すことで栄養が減るだけでなく、全体的に水っぽく仕上がります。焦げが気になる場合は、焼く前に食材表面の塩麹を取り除きましょう。取り除いた塩麹は、食材を焼いた後のフライパンで温め、ソースにすると無駄なく食べられます。
食べ方②ドレッシング
材料(4人分)
●塩麹(レシピID:1522510)大2
●お酢大2
●みりんorきび糖大1/2~大1
●すりごま大2
ごま油大1
作り方
- ごま油以外の材料を、保存容器などに入れよく混ぜる
- 1にごま油を入れ、なじむまでよく混ぜる
ドレッシングは加熱しないから、ビタミンBや酵素をしっかり摂取できておすすめだよ!
塩麹を毎日の生活に取り入れよう!
塩麹は食材を柔らかくするだけでなく、料理に甘みやコクをプラスできる万能調味料です。市販でも手軽に購入できますが、手作りするのも簡単でおすすめです。栄養豊富な塩麹を毎日の食生活に取り入れ、健康維持に役立ててみてくださいね。