マナガツオ(真魚鰹)のさばき方!西京焼き・幽庵焼きの作り方もご紹介

マナガツオ(真魚鰹)のさばき方!西京焼き・幽庵焼きの作り方もご紹介

マナガツオは、カツオという名を持っていますが、見た目も分類も全く異なります。西日本を中心に、美味で知られる高級魚です。マナガツオのさばき方は、普通の魚と少し違います。マナガツオのさばき方、他の魚にも応用可能な西京焼きや幽庵焼きなどの料理方法をご紹介しましょう。

記事の目次

  1. 1.瀬戸内海の夏の味マナガツオ
  2. 2.マナガツオのさばき方①うろこを取る
  3. 3.マナガツオのさばき方②頭と内臓を取る
  4. 4.マナガツオのさばき方③2枚におろす
  5. 5.マナガツオのさばき方④裏おろしで3枚におろす
  6. 6.マナガツオのさばき方⑤小骨と腹膜を処理する
  7. 7.マナガツオの食べ方①刺身
  8. 8.マナガツオの食べ方②西京焼き
  9. 9.マナガツオの食べ方③幽庵焼き
  10. 10.マナガツオの食べ方④あらの唐揚げ
  11. 11.マナガツオの食べ方⑤あら汁
  12. 12.マナガツオを味わい尽くそう

瀬戸内海の夏の味マナガツオ

マナガツオは、スズキ目マナガツオ科の海水魚です。「カツオ」の名がついていますが、スズキ目サバ科に属するカツオとは異なります。見た目もカツオとは違って、平たいひし形に近い形です。マナガツオは東日本ではほとんど獲れません。西日本では初夏の高級魚として知られ、夏に産卵のために瀬戸内海に回遊してきたところを漁獲します。最近では流通の発達により東日本でも出回るようになりました。

名前の由来

「マナガツオ」の名の由来には諸説あります。カツオが獲れない瀬戸内海で初夏に獲れるマナガツオを、カツオに見立てて「真似鰹」から転じたというのが一説です。また、「まな」が親愛を表す言葉で、真においしいカツオ「真名鰹」と呼ばれたともいわれます。あるいは、真に菜としておいしい魚という意味で「真菜鰹」となったのかもしれません。

変わった形の魚ね!普通にさばけるのかしら?

マナガツオのさばき方には、普通の魚と違う注意もあるぞ。じゃが、刺身、切り身、あら、どの部分をどう食べるにせよ、さばき方は同様じゃ。

マナガツオのさばき方①うろこを取る

まずうろこを取ります。マナガツオのうろこは、小さくて取れやすいです。鮮度が悪いと、うろこがほとんど落ちてしまいます。画像のように包丁でも簡単に取れますが、金だわしでこすってもよいでしょう。ひれのつけ根のうろこまでていねいに落とします。

次は頭と内臓を取るぞ。頭をV字形に切り落とすのがポイントじゃ。

マナガツオのさばき方②頭と内臓を取る

次に頭を落としましょう。普通の魚は胸びれと腹びれを結んだ線で頭を落とします。しかしマナガツオには腹びれがありません。そこで、画像の位置に切れ目を入れます。内臓に傷をつけないようにしましょう。

上側は、頭の骨が終わる位置と胸びれを結ぶ線で切ります。包丁は背中側に倒して切り込みましょう。表側にV字形に切れ目が入ったら裏返し、裏側にも同じ位置に切れ目を入れ、背骨を断ち切ります。まだ頭は外しません。

マナガツオは刺身も切り身もたっぷり取れる魚なのじゃ♪

続いて内臓を取ります。尻に包丁の刃先を入れて頭側に向かって切り、腹を開いてください。頭を腹側に引き下ろし、一緒に内臓を出します。

腹に内臓が残ったら、全部出してください。背骨近くの血合いを包丁の刃先で掃除します。腹の中までよく洗い、水気をよく取りましょう。

マナガツオのさばき方は難しいって、本当?

うむ、マナガツオは身はしっかりしておるが、骨がやわらかいのじゃ。さばき方のポイントを解説していこう。

マナガツオのさばき方③2枚におろす

下身(頭を左にしたときに下になる側の身)を切り離して2枚におろします。まず、刃先で下側のひれのきわに包丁を入れてください(画像左)。中骨の上をこすりながら刃を進め、背骨まで切り込んでいきます(画像右)。体形が平たく背骨までが遠いので、一度に切ろうとしないで少しずつ刃を進めましょう。

魚の向きを変えて、下身の背側から切り込みます。腹側と同様にひれのきわにぐるりと刃を入れてから(画像左)、中骨に沿って背骨まで切り進みましょう(画像右)。

身を持ちあげるようにしながら、背骨から横に張り出している血合い骨を断ち切ります。これで下身が外れ、2枚におろせました。

マナガツオのさばき方④裏おろしで3枚におろす

今度は上身と中骨をおろします。まずは普通の3枚おろしのように中骨を下にして置き、ひれのきわにぐるりと1周切れ目を入れてください(画像左)。そのまま普通にさばいてもよいですが、裏おろしのほうがさばきやすいかもしれません。その場合は中骨が上になるように置きます。左手で中骨を押さえて、包丁の刃にやや上向きに力を加え、中骨をこするように刃を進めましょう(画像右)。

腹側の中骨は、一番手前(内臓が入っていたすぐ後ろの部分)の骨が太いです。この骨は、他の中骨と一緒におろそうとしないで、一番先か一番最後に1本だけ外すとおろしやすいかもしれません。背骨に達するまでしっかりと切り進めしょう。

向きを変えて、腹側からおろすのと同様に背側からも裏おろしします。中骨に沿って背骨まで切り込み、血合い骨を断ち切ってください。3枚おろしの完成です。

本当に骨がやわらかいのね!骨をそいで身に残ってしまったわ!

そういう場合の対処法や、小骨の処理も解説するぞ。あらも骨ごと使えるので、とっておこう。

マナガツオのさばき方⑤小骨と腹膜を処理する

マナガツオは骨がやわらかいので、おろすときに骨を削ってしまうことがあります。こうして身に残った骨は、指で触ってチェックしながら骨抜きなどで取り除けばOKです。

3枚おろしした身には、骨が2本(オレンジ点線の位置)と腹骨(緑の点線)と腹膜(水色の点線)が残っています。腹膜や腹骨ごと味噌床や醤油だれに漬け込むと、味のしみ込みがよくありません。まずオレンジ点線の骨2本を包丁の刃先で外し、画像のように腹骨(緑の点線)をそぎ落とします。

続いて腹膜(前の画像の水色の点線部分)をそぎます(画像左)。最後に皮1枚が残ったところで、包丁を立てて切り取りましょう。

血合い骨を取り除きます。魚体が小さい場合は骨抜きで抜きますが、大きい場合は血合い骨に沿って、背身と腹身に切り分けると扱いやすいです。血合い骨のぎりぎりで切り分け、血合い骨部分を切り取ります。これで5枚おろしが完成しました。

次項ではマナガツオのおいしい食べ方をご紹介するぞ。他の魚にも応用できる料理法じゃから、覚えておくと重宝するじゃろう。

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マナガツオの食べ方①刺身

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