パンチェッタとは
パンチェッタは元来イタリア語で豚バラ肉のことをいいます。のちに塩漬けしたバラ肉を使用することからパンチェッタというようになりました。日本での調理方法として有名なのがパンチェッタを使ったパスタのカルボナーラが有名です。日本ではパンチェッタとベーコンとの違いがないように使いますが、パンチェッタは必ず火を通して使います。
パンチェッタとベーコンの違い
パンチェッタの特徴
パンチェッタは菌のもととなる水分を排出して長期間熟成するヨーロッパでポピュラーな肉の保存方法です。日本で市販されているパンチェッタは「生食用」と明記されているものだけベーコンやハムのように生で食べられます。自家製のパンチェッタは塩を保存料として使う作り方となっており、市販品のように添加物を使っていないので必ず加熱して食べます。
ベーコンの特徴
ベーコンはパンチェッタのように生肉を塩漬けしてから燻製したもので、煙に含まれている有効成分により殺菌・酸化防止した保存食です。パンチェッタと違い、生でも食べられるので、日本ではパンチェッタよりも手軽に使える食材として調理に活用されてます。日本伝統の鰹節と似た方法で作られており、燻製にすることで長期保存が可能となっています。
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自家製パンチェッタの作り方
自家製パンチェッタを作るときの注意点
自家製パンチェッタの調理にとりかかる前に注意すべきポイントがいくつかあります。手作りは添加物の心配がなく安心できる反面、プロや企業が作る環境とは違います。食中毒を起こさないためにも衛生的な道具の使い方や取扱い方を心がけましょう。
手をしっかり洗う
手袋を装着する場合も調理前は必ず手を洗いましょう。手袋に穴が空くなどした場合、じかに手指が肉に触れることも考えられます。手に傷のある人は必ず使い捨て手袋を装着しましょう。
使用する道具を消毒する
自家製パンチェッタを手作りするときに重要なことは、肉にできるだけ菌をつけない道具の使い方をすることです。塩だけで熟成させるパンチェッタに雑菌は大敵なので、途中で腐敗や菌が発生する原因をできるだけ排除しましょう。調理道具は煮沸消毒や食品に使えるアルコールスプレーで消毒してから調理にとりかかります。
パンチェッタの作り方手順
自家製パンチェッタの作り方について詳しく見ていきます。燻製や角煮などとは違い、工程はいたってシンプルです。下記に用意するものとして一覧にしましたが、ハーブや脱水シートはなくても作れます。キッチンペーパーやラップで作るときは、こまめに肉から出たドリップを捨てて、キッチンペーパーやラップを交換しましょう。
用意するもの
- 豚バラ肉の塊
- 塩(粗塩や岩塩)
- 粗びき黒こしょう(なくても可)
- 肉にあう好みのハーブ(なくても可)
- 使い捨て手袋
- 消毒のためのアルコール
- フォーク
- 肉がのるサイズのバットと網
- キッチンペーパー(厚手で破れにくいタイプ)
- ラップ(もしくは脱水シート)
- ジップロック
作り方①肉の形を整える
自家製のパンチェッタを作るときに、肉の形が均一になるよう包丁でカットして整えます。角煮用として販売されている豚バラのかたまり肉(ブロック肉)を使用することでこの工程を省略できます。肉の厚みが違うと塩分の浸透が均一にならないので、肉の形はできるだけ整えた使い方をしましょう。
作り方②フォークで穴を開ける
真顔で豚バラ肉にフォーク刺してる pic.twitter.com/IxVFFmt8K9
— ねこいたん@12/30(金)東地区 ツ 16a (@nekoitan) September 1, 2016
豚バラ肉の表面全体にフォークで刺して穴を開けます。こうすることで塩が浸み込みやすくなります。フォークで穴を開けない方法のレシピもありますが、こちらでは穴を開ける方法で解説していきます(竹串やアイスピックなどでもOK。ただし、使用前に必ず消毒しましょう)。
作り方③豚バラ肉を塩漬けにする
パンチェッタ仕込んだ。塩こしょう擦り込んで冷蔵庫に置いておくだけ。
— matsukio (@matsukio) July 10, 2014
1日目 316g pic.twitter.com/M8fu10nLzC
トレイと網に豚バラ肉をのせ、肉の重量の3%の塩を表面になじませるようしっかりとすり込みます。トレイと網は100均で手に入るので活用しましょう。3%の塩を使う場合は塩抜きしなくても1週間ほどですぐに食べられます。使用する塩は粗塩や岩塩を挽いたもの、ハーブと一緒になったタイプなど、じわじわと浸透する粗目の塩がおすすめです。
塩の他に粗びき黒コショウ、ローズマリーやローリエなどお好みのハーブも一緒に入れるのもすすめです。塩の浸透圧により肉の中の水分(ドリップ)が出てきます。このドリップに肉ができるだけ付かないようにすることで腐敗防止になります。おつまみなどに使う予定の場合は6%くらいまで塩分濃度を上げて作るとよいでしょう。
作り方④3日間寝かせる
パンチェッタの仕込み
— うっちー (@isseibd5) April 1, 2019
前回とは異なりぺーぱーに巻かずに三日間ラップのみで置いておく。
ドリップが出てきたら一度肉を洗い、水気を拭いてぺーぱーで巻く。あとは水分が出たらその都度ペーパーを交換していく。 pic.twitter.com/DeZWTM3g1s
上からトレイごとラップでしっかりくるみ冷蔵庫で3日間寝かせます。3日後、肉から出たドリップがトレイに溜まっているので取り出し、流水で肉の表面を洗います。3%の塩分で塩漬けしているので、塩抜きせずそのまま熟成に進めます。洗った豚バラ肉は水気をキッチンペーパー拭き取ります。
作り方⑤熟成させる
パンチェッタ作成4日目。
— りこちゃん@ (@rikochan_diet) November 16, 2018
塩抜きして、キッチンペーパーに包んで、冷蔵庫の中で熟成中(^。^)
うまく作れるかな?! pic.twitter.com/iIUyXI1DFQ
肉を新しいキッチンペーパー(破れにくいタイプがおすすめ)でくるみ、きれいにしておいたバットと網の上にそのままのせて冷蔵庫に入れます。ドリップが染み出てきたらこまめにキッチンペーパーを交換し、1週間~10日ほど熟成させます。冷蔵庫をしょっちゅう開けるなど外気に触れやすい場合はバットを使わず、ジップロックに入れて密封するようにしても熟成できます。
熟成期はとにかくこまめにキッチンペーパーを交換しましょう。寝かしはじめは特にドリップが出やすいので面倒くさがらず交換することが美味しい自家製パンチェッタを作るコツです。キッチンペーパーにドリップが染み出なくなり、肉の色も当初より深みのある色に変化していたら完成です!
作り方⑥脱水シートを使う
最初の塩漬けをしたあと、脱水シートを使うことで熟成できます。脱水シートは2重になっており、染み出たドリップをシートの間に溜めるので、肉にドリップがが付かず熟成できます。使い方はこの脱水シートにドリップが溜まったらシートを取り換えるだけと簡単なので、心配な方はこういった便利アイテムを使うのもおすすめです。
出典:写真AC