タコの締め方と捌き方を覚えよう!
タコの捌き方は魚の捌き方と異なり、内臓の位置も違えば最初に包丁を入れる箇所も違います。また魚のように捌くのではなく最初に神経を締めなければ、たくさんの足が動いて捌きづらいのです。そのため神経締めの方法を覚えてタコ1匹をまるごとおいしく味わいましょう。
そもそもタコとは
タコは海を泳ぐ軟体生物で、お店でも販売されており海釣りなどでも釣りあげられます。8本足のぬるぬるとしたイメージの生き物であるタコの基本情報などを紹介するのでみていきましょう。
タコの基本情報
分類 | 鞘形亜網八腕形上目タコ目 |
学名 | octopoda |
英名 | octopus |
和名 | たこ、蛸、鮹、章魚、鱆 |
生息地域 | 岩礁や砂地 |
漁法 | 蛸壺、蛸箱漁業、から釣り漁法、養殖など |
日本の主な産地 | 福島県、北海道、青森県 |
旬の時期 | 6月~7月、10月~1月 |
タコの種類
タコは世界各地に生息しており、確認されているだけでも世界で200種類います。また日本近海では50種類以上おり、小さいものから大きいものまでさまざまです。そのうちよくスーパーでみかけるのはミズダコが多く、他にもマダコなどもなじみのある種類になります。
タコの締め方
ここからはタコの神経締めの方法を紹介します。タコは神経をしっかりと締めないと足が動いて捌きづらいため、コツを確認して実践してみましょう。
締め方①神経の集まる箇所を締める
タコの神経締めの方法として、まずは目と目の中心あたりから少し下にいったあたりを狙って締めましょう。キッチンばさみや生き締め用のピックなどを使うとスムーズです。思い切ってぐさっと奥まで突き刺しましょう。
締め方②何度かぐりぐりする
神経締めの箇所をピックで突き刺したら、何度かぐりぐりとピックを動かします。タコには各足に対して何カ所か神経の集まる箇所があり、1カ所神経締めをしただけでは締められない場合があるからです。
ぐりぐりと動かすことで各足の神経のポイントにあたるかもしれないからだね。
うまく神経の中心を締められるとタコの足の動きが弱まるから慣れるとすぐわかりますよ。
締め方③足が動いている方を締める
タコの目と目の間を神経締めしても、まだ足が動いている場合があります。タコは心臓が3つ、脳が9つあるといわれておりその脳は実は脳みそというよりは運動神経の中枢なのです。そのため1カ所締めたとしても足が動き続けます。その場合は動いている足の方に向かってぐりぐりとしましょう。
タコの心臓が3つあるのは本当?
本当です。心臓が1つとエラ心臓が2つあります。1つの心臓は全身に血液を送る役目があり、エラ心臓はエラに血液を送る役割があります。
しかも血液は青いので驚きの生物ですよね。
締め方④色が変わったら完了
ミズダコを神経締めした場合は、皮の色がすぐに変化するためわかりやすいのですが、マダコの場合は画像のようにあまりわかりません。しかし神経締めをすると若干色が変わるため、きちんとできたかどうかは色の変化と足の動きで判断しましょう。
タコの捌き方
タコの神経締めが完了したら、捌いていきましょう。捌き方はとても簡単なので、新鮮なタコを捌けば刺身として食べられます。また小分けに冷凍すればいつでもおいしいタコを食べられるため、チャレンジしてみてくださいね。
捌き方①内臓を取り出す
足の動きが止まったらタコの内臓を取り出しましょう。タコの内臓は頭の部分に入っています。タコのスミも入っているため、スミの部分を破らないように気をつけながら取り出してください。
頭の後ろから包丁をいれる
内臓を取り出すときにどこから包丁を入れたらいいのかわかりづらいのですが、頭の後ろの部分から包丁を入れて頭をめくるようにすると取り出せます。そこから包丁を入れるとタコのスミが入っている箇所を傷つけにくいため、参考にしてみてください。
捌き方②タコの頭と足を切り離す
タコの内臓を取り出したら、頭と足を切り離しましょう。頭の部分も食べられますが、煮物などに適しており刺身などにする場合は足の部分がおすすめです。また神経締めしても足は多少動くため気になる方はもう一度足の付け根にピックなどを刺しましょう。
捌き方③足を切り離す
頭と足を切り離したらそれぞれの足を切り離していきます。このときも動く足がありますが、切り離していけば動きも弱まっていくためどんどん切っていきましょう。
捌き方④タコスミを頭から取り出す
足を切り離し終わったら次にタコのスミを取り出しましょう。タコのスミは肝臓の下にあるため取り出しづらいのですが、先に内臓を取り出してあるためわかりやすくなっています。破らないよう丁寧に取り出しましょう。
タコのスミは食べられる
タコのスミは一般的に調理されているイメージがあまりありませんが食べられないわけではありません。ただイカスミと比較して旨み成分が少ないため食べられますが、すすんであまり食べないことのが多いのです。
タコのスミに毒があるのは本当?
タコのスミには人間に害のある毒は含まれていません。しかしタコの天敵である甲殻類などから逃れるために天敵をマヒさせる特殊な成分が含まれています。
捌き方⑤塩で汚れを落とす
タコの皮や吸盤の中には水で洗っても取りきれない汚れが付着しています。そのため食べる部分を塩でもみきれいにしましょう。ボウルに調理する量のタコの足をいれて塩を少々入れます。
捌き方⑥ぬめりがとれるまでよくもみこむ
タコの表面のぬめりがとれるまでしっかりと揉み込みましょう。揉み出すと泡立ち始め、ぬるぬるがどんどん出てきます。表面のぬるぬるがとれるように全体的に揉みながらぎゅっぎゅっとしっかり揉み込んでいきましょう。
捌き方⑦皮を切り取る
タコの皮をつけたまま刺身にしてもいいのですが、皮の食感が苦手という方もいます。その場合は塩で揉み込んだあとに皮を切り取っていきましょう。タコの足の太いほうから包丁を入れて皮を持ちながらゆっくりとそぐように皮をとります。
皮と身にわける
皮を切り取っていき、先端まできたら皮と身を切り離します。しかしタコの足の先端は細すぎるため、そのままでもいいですし先端だけ切り取っても構いません。先端を煮物用にしてもいいでしょう。
捌き方⑧お湯で軽くゆでる
身のほうは刺身の場合はそのままで下茹でなどはしません。皮は捨てずに食べられますし、吸盤もコリコリとしておいしく食べられます。刺身に添える場合はお湯で軽く湯通ししましょう。
ゆでたら氷水で冷やす
軽く湯通ししたらゆでた皮を氷水に入れましょう。さっと冷やすことで吸盤のコリッとした食感を残しながらおいしく食べられます。また湯通しすると皮と吸盤を切り離しやすくなるのでおすすめです。
捌き方⑩タコの吸盤を切り取る
少し手間のかかる作業ですが、氷水で冷やしたタコの皮から吸盤を切り取りましょう。食べる分だけ切り取ってもいいですし、全部食べる場合はそれぞれを丁寧に切り離していきます。
捌き方⑩食べやすい大きさに切る
最後に皮と切り離した身を食べやすいサイズに切りましょう。刺身にする場合は一口サイズぐらいがおすすめです。食べやすい大きさに切ったタコをお皿に盛り付けたら、先ほど切り取った吸盤も添えればおいしそうにできあがりあます。
Youtube動画「銀座渡利」さんの動画を参考に解説をしていきます。