ツブ貝のさばき方!殻からの取り出し方や唾液腺の取り除き方をご紹介!

ツブ貝のさばき方!殻からの取り出し方や唾液腺の取り除き方をご紹介!

コリコリという食感がおいしいツブ貝。さばき方のコツを覚えると貝からの取り出し方も簡単です。今回は、ツブ貝のさばき方と下処理の方法を紹介します。刺身としての盛り付け方も併せて紹介します。貝毒の原因となる唾液腺の取り方もポイントを交えてお届けします。

記事の目次

  1. 1.ツブ貝とは
  2. 2.ツブ貝のさばき方
  3. 3.ツブ貝を刺身に盛り付けよう
  4. 4.ツブ貝を気軽に食べてみましょう

ツブ貝とは

出典:写真AC

ツブ貝は、巻貝の中でも食用にできる一部の貝類を指しています。ひとつの名前を指しているのではなく、複数の種類の総称として「ツブ」と言われています。地域などによっても「ツブ貝」を指す貝が異なる場合があります。今回参考にした銀座渡利の板前さんがさばいたツブ貝は、エゾボラ貝(バイ貝・マツブ)が正式な名称です。
 

コリコリとした食感がおいしい貝です。

ツブ貝の種類

全長7cmほどの小ぶりな巻貝は「コエゾバイ(イソツブ)」と呼ばれます。また、貝殻に厚みがあり螺旋部位が小さく丸みを帯びている巻貝は「チシマバイ」などと言われることもあります。ここでお気づきになった方もいるかもしれませんが、「バイ貝」と呼ばれる貝も、ツブ貝の種類に含まれます。

基本情報

エゾボラ貝(今回調理をする貝)

分類 門腹足綱前鰓亜綱真腹足目エゾバイ科エゾボラ属
分布 東北より北の海域
形状 らせん状で赤褐色の巻貝

ツブ貝のさばき方

ここからは、銀座渡利の板前さんのYouTube動画を参考にツブ貝の刺身の作り方を紹介します。貝からの取り出し方をはじめ、ツブ貝の下処理が難しそうという声もありますが、コツをつかめばかんたんです。ツブ貝なら種類を問わず、取り出し方の応用ができます。ただし、貝毒が含まれている部分もあるので、丁寧に作業を行いましょう。

ツブ貝のさばき方①貝柱を外す

貝蓋がある面を天面にし、貝の両端の頂点を結んだ中間点あたりに目打ちを使って穴をあけます。ドライバーやアイスピックでも構いません。殻は薄い反面硬いので、けがをしないよう軍手をはめて作業をしてください。

穴が開いたら、目打ちを差し込み身と殻の接合部分を探ります。目打ちの先で接合部分をこそげるような感覚で外すのがコツです。

目打ちを穴から引き出し、次は貝蓋をよけて身に目打ちを刺し、貝殻を支えにしてテコの原理で身を引き出します。貝柱の断ち切りがうまくできていれば、かんたんに身が出てきます。

途中で引きちぎれないようにゆっくりと引き出してください。途中で身がちぎれてしまった場合は、貝殻を壊して引き出しましょう。貝を壊した場合は、細かい殻が身に残らないように一度洗い流してください。

細かい貝殻で手を切らないように注意しましょう

ツブ貝のさばき方②トリミングをする

ここからは、可食部と廃棄部に分けます。まず、内臓をはずします。これは貝柱の奥にある部分です。内臓は、火を通すことで食べてもよい部分ですが、貝毒の可能性があるので廃棄してください。

次に、ヒモと呼ばれる部分をそぎ切ります。画像でいうところのクリーム色がかったスカートのような形状の部分です。口当たりや味が悪いので、包丁を使って外してください。

内臓がついていた部分も切り落としましょう。内臓をちぎったときに切り落としても構いません。

丸印に囲まれた触手のような部分は水管です。ここも口当たりが悪いので、根元から切り落としてください。

貝蓋と身を外します。包丁で身を削ぐように外してください。これで下処理としてのトリミングが完了しました。

ツブ貝のさばき方③唾液腺を外す

ここからは、貝の身の中に入った「唾液腺」を外す作業に入ります。貝蓋がついていた側に2cmほど切り込みを入れて、左右に開いてください。

左右に開くと、鶏肉の脂肪のようなクリーム色の塊が両側に見えます。これが唾液腺です。指先でかんたんに取れますので、すべてしごきとってください。

唾液腺を壊さないように、丁寧に作業をしてください。その手で目をこすったりしないよう、唾液腺を扱った後はいったん手を洗いましょう。

中に唾液腺の残りがない確認し、包丁などでしごきとるように中のワタなども落とします。可食部なので、流水で洗い流しておくと丁寧です。

これで、可食部だけが残せました。

唾液腺に含まれる毒とは

唾液腺の中には「テトラミン」と呼ばれる神経毒が含まれます。経口摂取をすると視覚の異常や、頭痛や嘔吐といった症状も見られます。この症状は、食後30分以内に現れることが多く、数時間以内で消失するケースが大半です。ただし、摂取量にもよりますので、中毒が疑われたら早い段階で医師の診察を受けましょう。

テトラミンは、加熱や冷凍でも滅失しません。バーベキューで貝を焼く場合も、必ず下処理を行ってから焼き上げましょう。

ツブ貝は肉食。捕食の際に神経毒を出し、弱らせてから食べるそうです

ツブ貝のさばき方④刺身に仕立てる

スライスする前の下処理として、塩を振ってぬめりや汚れを流します。塩が研磨剤の役割を担い、身に挟まった汚れを掻き出す作用もありますが、浸透圧の原理で余分な水分が抜け、歯ごたえが良いツブ貝に仕上がります。塩や汚れを落とすために、流水で洗い流してください。

観音開きに包丁を入れ、左右それぞれ薄くそぎ切りにします。銀座渡利の板前さんは包丁を歯を立てたり寝かせたりを繰り返し、ツブ貝に模様を入れています。少し厚みが出たら、繊維を断ち切るように包丁の刃先を突き刺し、切れ目を入れるとよいでしょう。

スライス途中でヌメりが出たら?

塩でぬめりをとったとしても、切っている最中にまたぬめりが出てくる場合があります。こんな時はレモン汁をかけて、ぬめり成分を中和させましょう。レモンの風味がツブ貝に移るので風味もあがります。

ツブ貝を刺身に盛り付けよう

ツブ貝の貝殻を台にして皿の上に盛り付けます。大葉やわかめなどを添えて彩りよく仕上げます。貝殻を使うことで、高さが生まれます。皿の面や貝の上にそれぞれ置くなど豪快に盛り付けてみるとよいでしょう。この豪快さが「磯のもの」をアピールできる一皿になりますよ。

おいしいツブ貝の刺身が完成しました。わさび醤油でいただきましょう。

ツブ貝を気軽に食べてみましょう

ツブ貝の下処理の仕方やさばき方はコツも必要ですが、慣れるとかんたんに刺身に仕立てられるようになります。こりこりとした磯の風味がおいしいツブ貝の時期になったら、ぜひ家庭でも刺身にチャレンジしてください。

参考動画

今回の記事は、銀座渡利様のYoutube動画を参考に作成をいたしました。

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たがめかめの
ライター

たがめかめの

40代主婦、手作り作家としても活動しているwebライターです。料理・ハンドメイド/DIY・楽器演奏など趣味だけは増えていきます。

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