アワビとは
コリコリとした触感が魅力のアワビ。高級食材として取り扱われることが多い貝です。日本では、クロアワビやエゾアワビなどが珍重されています。国内での漁獲量は、東北の太平洋側、瀬戸内海などが多いとされています。日本でとれたアワビは大きさも十分で、高値で取引されています。
アワビの基本情報
分類 | ミミガイ科アワビ属 |
原産地 | 日本では東北太平洋側から全国にかけて広く分布 |
形状 | 半楕円上の巻貝 |
アワビの貝殻の内側は、オーロラのような輝きをもっています。螺鈿細工の材料として用いられることもあります。
蒸しアワビの作り方
新鮮なアワビが手に入ったら、自宅で簡単に調理できる蒸しアワビを作りましょう。ここでは銀座渡利の板前さんによる動画をもとに、レシピを紹介します。作り方と食べ方は驚くほど簡単なので、ぜひ試してみましょう。
作り方①蒸しアワビを作る
大き目の鍋に湯を沸かします。ボウルにアワビを入れ、その上に風味付けの昆布を置きます。アワビの貝は軽くこすり洗いをしておきます。貝表面の汚れが気になるときは、塩水で軽く身を洗いましょう。指先でぬめりをしごくやり方がよいでしょう。アワビの上には日本酒を小さじ2杯ほど振りかけて酒蒸しの状態にします。
沸騰した鍋にアワビを入れたボウルを入れ、ふたを閉め、湯せん蒸しの状態で1時間待ちます。途中鍋のお湯がなくなってきたら、お湯を継ぎ足してください。このとき、ボウルにお湯が入らないよう注意しましょう。
1時間経過後、身に鉄製串を刺してみて、柔らかく入るようであれば、アワビの酒蒸しが完成です。ボウルの中には、アワビから出た汁がたまっています。この汁は味付けの「肝ソース」で使いますので、取っておきましょう。
アワビの身の外し方
アワビの身に熱がしっかり入っていれば、貝から簡単に外れます。身と貝の間に箸やへらを使って、貝柱を離すように押し込むと外れます。
貝から外れたアワビです。この状態から、刺し盛りを作っていきます。
作り方②肝を外す
肝を外します。貝とつながっていた面には貝柱に当たる部分と肝、肝と身をつなぐヒモの部分があります。ここでは、肝とヒモを外していきます。
肝と身の間に包丁をいれて丁寧に外します。肝の袋は破かないように注意しながら外していきましょう。包丁で肝を押さえ、身を引きはがすようなイメージで外します。
さほど力を入れずに外れます。
ヒモをつなぐ最後に口があります。ここも一緒にもぎ取ります。うまく外せなかった場合は、包丁をVの字に入れてクチの部分だけ切り取ってください。これで、可食部だけを残せました。
肝をはずします。肝は、砂袋と肝に分かれます。袋状のものではなく、レバーのような感覚で固めの肝のみ取り分けてください。砂袋は砂が入っている部分なので破かないように注意してください。ぷりぷりと弾力がある部分が肝なので、分かりやすいですよ。
肝の食べ方に注意!
アワビの肝には季節によって、私たちの体に害を及ぼすことがあります。特に春先のアワビのキモには日光アレルギー(光過敏症)の原因となるクロロフィル由来の成分が含まれています。日光に当たり中毒を引き起こすと、皮膚症状が出るので食べてはいけません。春先にとれたアワビで、緑色が濃い肝は避けたほうが無難です。
作り方③ソースを作る
肝をすり鉢に入れて、ペースト状になるまですりつぶします。すり鉢がない場合は、ミルサーなどでつぶすのも一案です。弾力がありペーストになりくいため、時間をかけて根気よくすりつぶしてください。
蒸しアワビの作り方でとっておいたアワビの汁を使ってペーストにした肝の濃度を緩めます。味見をして、塩味が欲しい場合はしょうゆを数滴足してください。甘味が欲しい場合は、みりんを足して味付けします。味付けの調味料で緩めすぎないように注意してください。
濃度の目安としては、乳化させたフレンチドレッシングのような、ぽってり感が残る程度がよいでしょう。これで肝ソースが完成しました。
作り方④蒸しアワビを盛り付ける
蒸しアワビをカットします。食べやすいやり方で切るのが一番ですが、身が引き締まって噛み応えが強いため、薄めにカットするなど工夫をするとよいでしょう。画像のように貝柱の部分をカットしたあと、縦に薄くスライスするなど、いろいろな切り方があります。
よく洗ったアワビの貝を器に見立て、ツマを敷いた後にアワビを乗せるのもいいですね
作り方⑤完成
皿に蒸しアワビを盛り付けたあと、肝ソースをアワビの上に回しかけると完成です。
彩にゆずの皮のすりおろしを散らすときれいです。日本酒によく合うおつまみになります。
電子レンジで蒸しアワビは作れる?
蒸しアワビのレシピで、電子レンジで加熱すれば簡単では?と思うこともあるでしょう。加熱することで、炭酸カルシウムが主成分であるアワビの貝が発火する可能性がありますし、レンジ加熱の特性により砂袋や肝が爆発する可能性も考えられます。もちろんアワビ自体も固くなりますので、湯せんでの蒸しアワビをおすすめしています。
おいしい蒸しアワビを家庭でも調理してみませんか
時間をかけてじっくりと酒蒸しにしたアワビは、ふっくらとした身と歯ごたえを楽しめます。肝ソースのレシピでほろ苦い風味も一緒に味わえます。かみしめるほどおいしいアワビの味も口の中に広がります。やり方も簡単なので、ぜひチャレンジしてはいかがでしょうか。
参考動画
今回の記事は、銀座渡利様のYoutube動画を参考に作成をいたしました。
出典:写真AC