タイラガイのさばき方!中身の取り出し方のコツや美味しい食べ方!

タイラガイのさばき方!中身の取り出し方のコツや美味しい食べ方!

タイラガイ(標準和名タイラギ)は、食用では最大級の二枚貝です。殻長30cm以上にもなります。大きくてもさばき方は簡単です。タイラギのさばき方、中身の取り出し方、炙り刺身の作り方などを解説しましょう。タイラガイに潜んで共生しているエビについても言及します。

記事の目次

  1. 1.大きな貝タイラガイ
  2. 2.タイラガイのさばき方①貝を開く
  3. 3.タイラガイのさばき方②可食部の取り出し方
  4. 4.タイラガイのさばき方③貝柱の切り方
  5. 5.タイラガイのさばき方④炙り刺身の作り方
  6. 6.タイラガイのその他の食べ方
  7. 7.タイラガイをおいしく食べよう

大きな貝タイラガイ

出典:写真AC

タイラガイは殻長30cm以上にもなり、日本の食用の二枚貝としては最大です。平らな貝という意味で平貝(タイラガイ)と呼ばれ、標準和名はタイラギといいます。とがった側を海底の砂泥に突き刺し、無数の糸を出して体を固定しているのが特徴です。殻が薄くて縁が鋭いので、手を切らないように注意して扱ってください。

こんな大きな貝、さばけるかしら?

大丈夫じゃ。大きな貝でも中身の取り出し方は簡単じゃよ。

タイラガイのさばき方①貝を開く

出典:銀座渡利のYouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=I7qzmeO1C1E&t=103s

まず、貝柱を切って貝を開きます。画像左のピンクの矢印で示したところに隙間があるので、ここから貝むきを挿し込んでください。貝が大きくて貝むきが届かない場合は、包丁でも結構です。黄色い丸で示した位置に大きな貝柱があります。貝柱と貝殻の間を切りながら、画像右のように刃を進めてゆきましょう。とがった部分(オレンジの丸)に、もうひとつの小さな貝柱があります。

中にかわいいエビがいるかも

貝柱を切り終わったら、貝を開きます。中でもぞもぞと動くものがいて、びっくりするかもしれません。タイラガイにかなりの確率で潜んでいるカクレエビです。オスとメスのペアで見つかることが多く、かわいいと人気があります。カクレエビは住み家をもらい、守られて利益を得ていますが、タイラガイにとっては利害がなく、片利共生の関係です。

カクレエビの姿をもっとよく見たいかの?かわいいぞ。

こちらがカクレエビです。カクレエビも食べられ、素揚げなどにしていただきます。身体は小さいですがはさみの力は強いので、挟まれないように注意しましょう。

タイラガイのさばき方②可食部の取り出し方

タイラガイの中身は画像のようになっています。ひもの下にあるのはえらです(画像右下)。とがったほうに砂がたまっている場合は、洗い流します。一般的に食用とされるのは大きな貝柱ですが、もうひとつの小さな貝柱、ひもの部分も可食部です。貝類の卵巣は毒を持つことが多いので、食べないようにしましょう。

九州などでは、中央の貝柱以外の可食部を「びら」という名で呼ぶぞ。さあ、次は中身の取り出し方じゃ。

貝柱のもう片側を貝むきで切り離します。身からひもや内臓を外してください。可食部を水洗いし、水気を拭き取ります。貝柱に薄い皮膜がついていたら、ていねいに取り除きましょう。

貝柱をつけたままで、内臓やひもを外してもよい。外した貝殻を刃物のように使って、貝柱を切り離す方法もあるぞ。

中身の取り出し方も内臓の取り方も、思ったより簡単だったわ。今度は貝柱の切り方を教えて。

タイラガイのさばき方③貝柱の切り方

タイラガイの貝柱を切りましょう。今回は炙り刺身にします。歯ごたえを楽しみたい方は、繊維の向き(画像左上)に切るのがおすすめです。包丁を使わずに簡単に手で裂くことができます。

刺身で食べる場合は、他の切り方をしてもよいぞ。繊維と直角の向きに包丁で薄く輪切りにすると、やわらかい食感じゃ。

タイラガイのさばき方④炙り刺身の作り方

貝柱をさっと炙ってください。タイラガイは貝特有の甘みと独特の渋味が特徴ですが、炙りにすると甘みと旨味が増します。加熱すると身が硬くなるので、加熱し過ぎないようにしましょう。表面に軽く焼き目がつき、貝が焼けた香りがしたらOKです。

貝柱を切る前に炙りにしたり、炙った後で氷水で冷やしたりする方もおるよ。バーナーを使ってもよいぞ。

タイラガイの炙り刺身を盛り付けましょう。貝殻を利用するとおしゃれかもしれません。タイラガイには海苔がよく合います。画像では海苔の佃煮を添えていますが、磯辺焼きにしても美味です。

もっと他の食べ方も知りたいわ。

タイラガイのその他の食べ方

タイラガイは、刺身や炙りの他にどんな食べ方をするのでしょうか。いくつかご紹介します。

その他の食べ方①バター焼き

タイラガイはバター焼きにしてもおいしいです。小さな貝柱とひもも一緒に食べられます。塩こしょうして、短時間で焼ましょう。バター焼きはワインにもよく合う一品です。

その他の食べ方②煮付け

次にご紹介するのは、タイラガイの煮付けです。貝柱以外の可食部も一緒に煮付けます。硬くならないように、さっとで煮汁をからめるように仕上げるのがポイントです。

その他の食べ方③ひもポン酢

大きな貝柱以外の部分を使う料理もご紹介しましょう。タイラガイのひもポン酢です。よく塩もみしてから洗い、ぬめりや臭みを取ってから使います。

タイラガイをおいしく食べよう

タイラガイは手のひらに余るほど大きな貝です。大きさにたじろいでしまうかもしれませんが、中身の取り出し方や内臓の取り方、切り方は簡単です。甘さと独特な渋味が特徴で、刺身や炙り、バター焼きなどさまざまな食べ方ができます。タイラガイを見かけたら、ぜひ自分でさばいて召し上がってみてはいかがでしょうか。

参考動画

本記事は銀座渡利様のYouTubeチャンネルを参考にさせていただきました。一流料理人が魚料理の技術や豆知識を惜しげもなく伝えてくれます。よろしければぜひご覧ください。

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ライター

jitsu

薬科大学卒業後、食品や水の検査に携わっていました。ものづくりと読書が大好きで、家の中は手芸作品でいっぱい!いろいろな木の実を集めたり、植物の写真を撮影したりするのも趣味です。里山づくりに参加しており、放置竹林伐採作業や自然工作イベントのスタッフの経験があります。

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