イワシについて
イワシは煮干しやちりめんなどに加工されたり、すしネタとして食べられたりして身近な魚ですが、自分でさばいたことのある人はそれほど多くないかもしれません。魚の調理というと難しく考えがちですが、実はイワシをさばくのは比較的かんたんです。ここでは、イワシを自分でさばいて刺身にする方法をご紹介します。
イワシの種類
マイワシ
一般的なイワシの仲間では一番油が乗っているので、刺身やすしネタとして食べられている種類です。ただし、鮮度が落ちるのも早いので、生食する場合は販売店に確認するなど十分注意して利用しましょう。値段が安く、大衆魚として親しまれていたマイワシですが、近年漁獲量が減り、特に大きいものは高値で取引されることもあります。
カタクチイワシ
成長しても10cmほどと小さく、片口に見えることからカタクチイワシと呼ばれます。背中が黒いのでセグロイワシとも呼ばれ、沿岸部の水揚げが多いので稚魚はシラスやちりめんとして食べられます。成魚は煮干しの原料になるほか、魚醤やアンチョビの材料として重宝される魚です。
ウルメイワシ
目が潤んだように見えることからその名がついています。大型で、最大40cm前後まで成長しますが、主なイワシの仲間では流通が少ない種類です。油が少ないので、多くがめざしなどのように干して食べられます。味が入りやすいので、みりん干しにしてもおいしいです。
イワシの旬
マイワシ
生食に適したマイワシの旬は、一番油が乗る時期の6~7月といわれています。季節にちなんで入梅イワシや梅雨イワシとも呼ばれ、千葉県の銚子沖や茨城県の沖などで水揚げされるものが有名です。太平洋側では、春から夏にかけて関東から三陸や北海道沖まで北上し、秋になると南下してくることを繰り返しています。
ウルメイワシとカタクチイワシ
ウルメイワシの旬は秋から冬、カタクチイワシは特に旬はなく一年中コンスタントにとれる魚です。神奈川県で有名なシラス丼の旬は春が有名ですが、それは1~3月が禁漁期間で食べられないからだといわれています。秋にとれる少し大きめのしらすも春に負けないくらいおいしいです。
イワシのさばき方①下ごしらえ
必要な道具と材料
道具
- 包丁
- まな板
- 骨抜き
- ボウル
材料
- 鮮度のよいマイワシ
- 氷水
- 酢
イワシの下準備
鱗を取る
頭としっぽを切り落とす
腹部分を切り落とす
内臓をかきだして中をきれいに水洗いする
イワシのさばき方②手開きにする
指先を使って身から中骨をはがす
頭側まで指を動かして身を開く
中骨のしっぽ側を右手で持ち、左手で身を押さえながら中骨をはずす
腹膜を取る
中骨に沿って残っている小骨を取る
腹側の切り口の小骨を取る
頭側の小骨を取る
しっぽ側の小骨を取る
三枚おろし
手開きをして中骨をはずしたあと、左右の身を切り離せば三枚おろしができます。三枚おろしは、煮物や焼き物などさまざまな料理をする際に役に立つので、覚えておくと便利です。しっぱを残す料理の場合は、しっぽの根元で中骨を折ってはずします。
イワシのさばき方③臭みを取る
イワシを食べる場合、生臭さが気になってちょっと苦手という方もいるでしょう。かんたんに生臭さを軽減して、刺身など生食をはじめとするイワシのさまざまな料理を楽しめる方法をご紹介します。短時間で手軽にできるので、ぜひ覚えておいてください。
イワシはきれいに見えても鱗がついている場合があります。イワシを水洗いしたあと、包丁を立ててイワシの体に沿って頭からしっぽ方向に滑らせるように包丁を動かすと、かんたんに鱗が取れます。触ってみてざらざらした鱗の感じがなくなるまで数回繰り返してください。