マナガツオ(真魚鰹)のさばき方!西京焼き・幽庵焼きの作り方もご紹介

マナガツオ(真魚鰹)のさばき方!西京焼き・幽庵焼きの作り方もご紹介

マナガツオは、カツオという名を持っていますが、見た目も分類も全く異なります。西日本を中心に、美味で知られる高級魚です。マナガツオのさばき方は、普通の魚と少し違います。マナガツオのさばき方、他の魚にも応用可能な西京焼きや幽庵焼きなどの料理方法をご紹介しましょう。

記事の目次

  1. 1.瀬戸内海の夏の味マナガツオ
  2. 2.マナガツオのさばき方①うろこを取る
  3. 3.マナガツオのさばき方②頭と内臓を取る
  4. 4.マナガツオのさばき方③2枚におろす
  5. 5.マナガツオのさばき方④裏おろしで3枚におろす
  6. 6.マナガツオのさばき方⑤小骨と腹膜を処理する
  7. 7.マナガツオの食べ方①刺身
  8. 8.マナガツオの食べ方②西京焼き
  9. 9.マナガツオの食べ方③幽庵焼き
  10. 10.マナガツオの食べ方④あらの唐揚げ
  11. 11.マナガツオの食べ方⑤あら汁
  12. 12.マナガツオを味わい尽くそう

マナガツオの食べ方①刺身

うろこがしっかりついた新鮮なマナガツオならば、ぜひ刺身で味わいたいものです。皮が気になる場合は、皮を引いてから刺身に切り分けます。皮を引くのが難しいときは、炙り刺身にするのがおすすめです。加熱し過ぎに注意し、皮の下の旨味を味わいましょう。

お刺身、おいしそう!

マナガツオは鮮度が落ちやすく、刺身で食べる機会はまれかもしれぬ。じゃが、マナガツオは切り身にして加熱調理してもうまいぞ。

マナガツオの食べ方②西京焼き

マナガツオは西京焼きが人気です。西京焼きは、京都の西京味噌をベースにして漬け焼きにしたものを指します。西京味噌がない場合や、西京味噌の甘みがお好きでない場合は、普通の味噌で味噌漬けにしても結構です。西京焼きの作り方を解説しましょう。

西京焼きは、他の白身魚や青魚、鶏肉や豚肉で作ってもおいしいぞ。

魚を漬け込む準備

マナガツオはさくのままで味噌床に漬けます。下準備として、マナガツオの両面に塩をふり、30分程度ねかせてください。浮き出してくる臭みのある水分を洗い流し、キッチンペーパーなどでよく水気を取ります。

切り身にして漬け込んでもよいのじゃが、手間がかかる上に、味噌がたくさん必要じゃ。

味噌床を作ります。まず、西京味噌をみりん(甘さを抑えたい場合は酒)で扱いやすいやわらかさにのばしてください。お好みで酒粕を適量入れると風味が増します。均一に混ぜ合わせれば、味噌床の完成です。

味噌床に漬ける

バットなどに味噌を敷き、その上にキッチンペーパーやガーゼをのせます。その上にマナガツオを並べてください(画像左)。上からもう一度キッチンペーパーやガーゼを被せ、その上に味噌をのせて漬け込みます(画像右)。ラップをして冷蔵庫でねかせましょう。漬け込み時間の目安は3日程度ですが、身の厚さや脂のりやお好みによって調節してください。

西京焼きの味噌は魚の水分で薄まるが、何回かは使えるぞ。味噌煮や味噌炒め、アラ汁などに利用するのもよいじゃろう。

焼いて盛り付ける

キッチンペーパーやガーゼを剥がしてみて、ほどよく水分が抜けて味噌がしみていれば、取り出します。お好みの大きさの切り身にしましょう。切り身は背骨に近い部分は厚く、周辺部は薄いです。身が薄いほうは折りたたんで串に刺すと、火の通り具合がそろいやすくなります。皮に飾り包丁を入れるときには、皮の厚い背中側に特にしっかり入れるとよいかもしれません。

西京焼きを焼きます。味付けした魚は焦げやすいので注意し、強火の遠火で焼いてください。焼けたら箸で身を押さえ、串を回しながら抜きます。甘酢漬けのミョウガなどを添えて、盛り付けましょう。

西京味噌に漬けた魚は冷凍できて便利じゃよ。次は醤油ベースの幽庵焼きじゃ。

マナガツオの食べ方③幽庵焼き

続いてご紹介するのは幽庵焼きです。味噌ベースの西京焼きに対して、幽庵焼きは醤油がベースになります。こちらも白身魚や青魚、肉にも応用でき、ご飯にぴったりなおかずです。

魚を漬け込む準備

まず、マナガツオを適当な大きさに切ってください。幽庵焼きの漬け汁は液体なので、切り身の間に自然に入り込んでくれます。切り身にしても漬け込みの手間がかからず、漬ける時間も短くてすむのが利点です。表裏に軽く塩をふって10分程度ねかせます。浮いてきた水分を洗い、水気を拭き取りましょう。

魚を漬け込む

幽庵地に漬け込みます。幽庵地とは、幽庵焼きの漬け汁のことで、酒:みりん:醤油を1:1:1の割合で混ぜたものです。お好みでユズなどの柑橘類や唐辛子、ネギなどを加えます。下準備をしたマナガツオの切り身を幽庵地に入れてください。身が浮かないようにキッチンペーパーをかぶせると、むらなく漬かります。漬け時間の目安は30分~半日で、身の厚さやお好みで調整しましょう。

幽庵地も、魚から出る水分で若干薄まるが、2~3回使えるぞ。

焼いて盛り付ける

幽庵漬けと同様に適宜、皮に化粧包丁を入れます。身の薄い場所は折りたたんで、全体が一緒に火が通るように串に刺してください。焼いて串を抜き、盛り付けて完成です。

次は、マナガツオを骨ごと堪能できる料理をご紹介するぞ。

マナガツオの食べ方④あらの唐揚げ

出典:写真AC

マナガツオの骨はやわらかいので、骨ごと唐揚げにして食べられます。頭のあらは縦半分に割り、中骨は適当な大きさに切ってください。塩をふって臭みのある水分が出たら洗い流し、水気を取ります。お好みで下味をつけて、片栗粉をつけましょう。低温の油でゆっくりときつね色になるまで揚げます。カルシウムたっぷりの骨ごと唐揚げの完成です。

次は、あらを骨ごと使ってだしを取ったあら汁じゃ。うまいぞ。

マナガツオの食べ方⑤あら汁

出典:写真AC

マナガツオはあら汁にしてもおいしいです。あらは骨ごと使い、強めに塩をふって臭みを抜いてから湯引きします。あらを鍋にかけて、ていねいにあくをすくいながらだしを取ってください。お好みの味付けをし、ネギや三つ葉などを添えて完成です。

マナガツオを味わい尽くそう

出典:写真AC

マナガツオは東日本ではあまり見かけない魚かもしれません。しかし流通が進歩したことと、冷凍しても味が変わりにくいことから、出回るようになってきています。見た目が風変わりな魚ですが味は絶品です。歩留まりがよい魚とされており、刺身や切り身、骨ごと唐揚げなどさまざまな食べ方ができます。マナガツオを見かけたら、ぜひ召し上がってみてはいかがでしょうか。

参考動画

本記事は銀座渡利様のYouTubeチャンネルを参考にさせていただきました。魚の知識やさばき方、調理方法が豊富に紹介されています。よろしければぜひご覧くださいませ。

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【プロフィール】 ・東京銀座の鮨屋で働いていた板前です。 ・2020年10月1日に、個室を間借りする形で、鮨 渡利を開業いたしました。 料理はそれぞれが「自由に」作ることが一番大切なのかな?と考えおります。(ですので、私がご紹介する内容も、数あるレシピの中の一つ、とご理解いただけますと幸いです。) 皆さんが、視聴...
jitsu
ライター

jitsu

薬科大学卒業後、食品や水の検査に携わっていました。ものづくりと読書が大好きで、家の中は手芸作品でいっぱい!いろいろな木の実を集めたり、植物の写真を撮影したりするのも趣味です。里山づくりに参加しており、放置竹林伐採作業や自然工作イベントのスタッフの経験があります。

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