カニ味噌が多くおいしい毛ガニ!
毛ガニは、甲羅の長さが最大120mmに達する大型のカニです。名前の通り、甲羅や足など身体全体に短い剛毛がびっしりと生えています。カニ味噌の量が多く、身に甘みがあっておいしいのが特徴です。漁法や漁期は資源保護のため制限されています。例えば北海道で漁獲されるのは、甲長80mmを超えるオスだけです。冬の食材というイメージですが、漁獲場所を変えながらほぼ一年中水揚げされます。
コツさえつかめば、手と包丁で簡単にさばけるぞ。軟骨が身に混ざりにくいさばき方をご説明しよう。
毛ガニの洗い方
まず、毛ガニについているおがくずや砂を洗います。足と甲羅の間や関節に入り込んだおがくずも、ていねいに落としましょう。ブラシを使っても結構です。
ところで、カニがおがくずにまみれているのは、なぜなの?
カニはえら呼吸をするが、えらが湿っていればその水分から酸素を取り込めるのじゃ。おがくずは呼吸に必要な湿度を保っておるのじゃよ。
おがくずによって運搬中の衝撃も吸収されるし、温度も一定に保ちやすいやすいんだね。おがくずってすごいなあ!
毛ガニの茹で方(蒸し方)
毛ガニを茹でるか、蒸します。茹でる場合と蒸す場合のメリット、デメリットをまとめました。どちらがよいのかは意見が分かれるところですので、お好みの方をお選びください。
加熱方法 | メリット | デメリット |
茹でる | 塩味が身全体に均一につきやすい | カニの旨味がゆで汁に溶け出す |
蒸す | カニ本来の味や香りが楽しめる | 身に塩味が入りにくい |
毛ガニの茹で方と蒸し方を、それぞれ解説しますぞ。
毛ガニの茹で方
毛ガニを茹でる場合は、海水程度の濃さの塩水を用意します。塩味が濃過ぎると感じるかもしれませんが、カニは甲羅に守られているので大丈夫です。鍋を火にかけて沸騰させます。毛ガニの甲羅が下、腹が上向きになるようにするのが茹で方のポイントです。これでカニ味噌が流れ出るのを防げます。カニの大きさなどにもよりますが、茹で時間は強火で20~30分程度です。
茹でているうちにカニが浮いてきます。そこでざるや落し蓋などを使い、カニ全体が湯にが浸かるようにしましょう。茹で方が甘いと、チロシンというアミノ酸の作用で身が黒くなってしまいます。チロシンは熱により失活するので、中まで十分に加熱するのが大切です。カニが茹で上がったら、火傷に注意してざるなどに上げます。向きはここでも甲羅が下、腹が上です。
ふんどし(腹の三角形の部分)を外してください。開いて押し下げると簡単に取れます。画像右のようにカニを立てた向きで粗熱を取りましょう。甲羅の中の余分な水分が、ふんどしを外した部分から抜けます。
ふんどしを捨てる方もいるが、中には少量だが身が入っておる。ぜひ味わってみるとよいじゃろう。
毛ガニの蒸し方
蒸す場合は、まずふんどしをめくります。そのくぼみに塩をたっぷりと入れてから、ふんどしを閉じてください。蒸し器に塩水を入れて火にかけ、湯気が上がったら毛ガニを甲羅を下向きにして入れます。蒸し時間は20~30分程度です。茹でるときと同様に黒くなるのを防ぐため、中までしっかり火を通します。蒸し上がったら甲羅を下にしてざるなどに上げ、粗熱を取ってください。
蒸し器がない場合は、大きな蓋付き鍋と皿で代用できるぞ。鍋に塩水と皿を入れ、沸騰したら毛ガニを皿の上に乗せればOKじゃよ。
茹で方も蒸し方も、加熱するときの毛ガニの向きと、中まで十分に火を通すことがポイントなんだね。次はさばき方を教えて!
見た目がごついカニだな!食べ方が難しいんじゃない?