げんげのおすすめの食べ方①椀物
富山県の特産であるげんげの汁物は「げんげ汁」と呼ばれています。げんげには良質なたんぱく質やコラーゲンが豊富で、げんげ汁は普段の食事だけでなく病中病後や授乳中などにも食べられてきました。しょうゆを使った澄まし汁やみそを使ったみそ汁のげんげ汁のほかに、煮付けにしても美味しいです。
げんげの澄まし汁
とろとろのげんげが味わえる
富山県の代表的な郷土料理です。食べやすい大きさに切ったげんげをだし汁、薄口しょうゆ、塩、酒で澄まし汁にします。げんげのコラーゲンで片栗粉を使ったようなトロミのある汁になります。三つ葉やあさつき、青葉などお好きな具を添えても美味しく、唐辛子やゆずなどの薬味を加えてもいいでしょう。
げんげの味噌汁
上品な出汁の味噌汁に
いつものお味噌汁にげんげを加えるだけで、一味ちがったげんげ汁になりますよ。具をげんげのみにすることでシンプルに美味しい出汁を楽しむのもいいですし、お野菜やお豆腐など具をたっぷり入れて「食べるお味噌汁」としておかずの一品に加えるのもいいです。いろいろなバリエーションで美味しく頂けます。
煮付け
意外とマイナーな魚、げんげ。鳥取では どぎ とも言いますね。この表面の謎のトロトロ層が、煮付けにすると美味!!#げんげ #どぎ #魚 #煮付け #食べログ #日本海 #干しても美味 pic.twitter.com/ZweRnA81mF
— Yasu_Yama (@yamacho_12) November 19, 2019
オーソドックスなしょうゆで料理した煮付けです。さばいたげんげを出汁、しょうゆ、酒、みりん、砂糖、しょうがを加えた煮汁で煮付けていきます。10分程度煮れば骨まで軟らかくなります。あまり火を入れすぎると縮んだり、食感が悪くなってしまいます。火を通しすぎないように注意しましょう。
げんげのおすすめの食べ方②鍋もの
寒い時期に旬を迎えるげんげは、もちろん鍋との相性もバッチリです。淡白な白身魚である特徴を生かし、あっさりでもこってりでも美味しいです。また、煮て間もなくは弾力のあるアンコウのような食感が楽しめ、しっかり煮るとタラのようなふわふわとした食感が楽しめます。
あっさり醤油仕立て
冬の風物詩大集合
げんげをあっさりとお醤油のだしで頂くお鍋です。だし汁にしょうゆ、酒、みりんを加えて煮立たせ、そこにお好みの野菜や豆腐、きのこ類、げんげをいれて火を通したら出来上がりです。ポン酢や薬味と一緒にどうぞ。冬の味覚のげんげと、同じく冬の風物詩のお鍋で、心も体も芯からあったまりますよ。
こってり土手鍋
しっかりみそ味鍋で
土手鍋というと牡蠣が有名ですが、げんげのような白身魚でもしっかり合います。だし汁と酒、みりんを煮立たせ、みそを加えます。そこへ白菜やえのき、ねぎ、豆腐などをいれます。味噌を入れてからは風味が飛んでしまうので、あまり煮立たせないように気を付けましょう。げんげのだしと野菜のだし、それに味噌の風味が加わって絶品です。
げんげのおすすめの食べ方③揚げ物
白身魚であるげんげは、天ぷら、から揚げなど、油との相性も大変いいです。ふわふわとして非常においしいです。小さいものは丸物のままで、大きいものは三枚おろしで頂けます。水分が多いという特徴をもつげんげは大変油がはねやすいです。塩をまぶしたり、皮をはいでぬめりを取るなど、揚げる際には火傷をしないように注意しましょう。
天ぷら
外はサクサクで中はふわふわ
げんげも他の白身魚と同じように、天ぷらで頂くのも美味しいです。揚げることで水分が抜けるため、つるつるとした食感ではなく、ふわふわで口に入れるととろけます。しっかり揚げれば骨まで柔らかくなるので、小さいものはまるごとでも食べられます。通常の天ぷらと同じく塩やレモン、天つゆなど、どれをつけても合います。
から揚げ
カラッとお酒のおつまみに
げんげってなに?って聞いたら「富山湾に住む深海魚で、コラーゲンたっぷりの魚です」と想定以上にきちんと説明が返ってきた。
— 鶴屋 (@turuya1104) June 28, 2019
店員さん博識Σ('◉⌓◉’)#げんげ pic.twitter.com/5vTLwTY3UN
げんげは片栗粉や小麦粉を付けて、から揚げにするのもおすすめです。味付けは、その淡泊で上品な白身に合わせてシンプルに塩コショウのみでもOKです。しっかり揚げると、骨まで軟らかく食べることができます。ご飯のおかずとしてだけではなく、お酒のおつまみにももってこいです。
骨せんべい
カルシウムたっぷり
3枚おろしにした際に出るげんげの骨に塩をまぶして低温でじっくりと揚げます。低温で揚げることにより、骨にしっかりと火が通ります。揚がったところで高温の油で揚げるとパリッといい食感になります。カルシウムが豊富で、お子さんのおやつや酒のおつまみにもいいですよ。
げんげのおすすめの食べ方④一夜干しや昆布締めも
このようにさまざまな料理法があるげんげですが、ご紹介したほかにもいろいろな食べ方があります。一風変わった食べ方ですが、ご自宅でも簡単に出来ますし、なにしろ、たったひと手間加えるだけで淡泊なげんげのうまみが最大限に引き出され、濃厚に変化します。ぜひチャレンジしてみてください。
一夜干し
濃厚なうまみ
鮮度が落ちやすいげんげは、一夜干しで出回っていることも多いです。しかし、自分で一から作ることもできます。げんげを3%の塩文濃度の氷水につけ、5時間程度冷やした後、天日干しします。食べ方は炙ってそのままもいいですが、スルメのように七味マヨネーズを付けてもいけますよ。
昆布締め
うまみが凝縮
味が淡泊で水分が多いげんげは、お刺身にしても味がぼやけて食べにくいです。しかし、同じ富山県の特産である昆布を使って締めることでうまみが凝縮し、味わい深くなります。げんげに塩を振り、日本酒で湿らせた昆布で挟んでラップでくるむだけなので、お手軽な上に大変美味しく食べられます。
げんげはどこで手に入る?
地元でしか出回っていない生げんげ
生げんげは手に入りづらい
げんげは水分が多いため傷みやすく、獲れたその日のうちに食べないといけないくらい足がはやいです。また、凍らせると味が落ちてしまうため、流通の技術が発達した最近でも、生のげんげは富山県内でしかあまり見かけることはありません。富山に行った際にはぜひ召し上がってみてください。
ネットショッピングで購入
干物だけじゃない
生のげんげはネットショップでは旬の時期でもなかなか出回ることはありませんが、加工したげんげであればネットショップで買えます。干物だけでなく、から揚げやスモーク、味付き缶詰など種類も豊富で、富山県特産の美味しいげんげが手軽に自宅でも食べられるとあって、なかなかの人気です。
幻の魚「げんげ」のまとめ
富山県の特産物であるげんげは、昔は網にかかる厄介者として捨てられてきました。しかし、最近では良質なたんぱく質やコラーゲン、カルシウムも豊富ということもあり、その価値が見直されてきています。そして、さまざまな料理や食べ方が出来るのもげんげの良さです。げんげはなかなかお目にかかれないので、見かけたらぜひ食べてみてくださいね。
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出典:写真AC