基本のおせちの作り方4種
これだけたくさんあるおせち、基本のメニューから4種、作り方をご紹介します。簡単に見えてちょっとだけコツがいるものもありますので参考にしてみてください。おせちは一の重、二の重、三の重、四の重と種類別に詰めていきます。具は隙間なくぴっちり入れてくださいね。
黒豆の作り方
- 黒豆200g
- 砂糖200g
- 醤油小さじ1
- 水1200cc
豆と砂糖は1:1
- 水1200ccを鍋に入れて豆も入れる。豆を室温で9時間から12時間、しわのない状態になるまで戻す
- 砂糖を加えて簡単に混ぜる
- 中火にかけてあくを丁寧にすくっていく
- 中蓋をしてから外蓋をする。吹きこぼれ防止の為に菜箸を噛ませてください。
- 弱火で3時間から4時間
- 3時間たったら味見をして柔らかければ醤油を加えて鍋を傾けて豆全体になじませる
えびのうま煮
- からつきえび15尾
- だし汁 450ml
- 薄口しょうゆ 50ml
- みりん 50ml
- 酒 50ml
- 砂糖 50ml
- えびは背ワタを取ってからつきのまま二分ほど塩ゆでにする。水で冷まさずうちわなどで冷まします。
- しっぽや頭の先は切り落とす。ひげも切り落とします。そのままタッパーなどに入れる
- 調味料を合わせて煮立たせる。エビが入った容器に入れる
- 容器ごと氷水につけておき冷ます
紅白なます
- 大根 250g
- にんじん 50g
- 塩(下ごしらえ用) 小さじ3/2
- こぶだし 90ml
- 酢 60ml
- 砂糖 25g
- 塩 小さじ3/1
- 大根とにんじんをできるだけ細く切る。スライサーでも大丈夫です。
- 大根とにんじんを同じボウルに入れて下ごしらえ用の塩を加えてもみこむ
- 他の調味料を混ぜ合わせてから大根とにんじんに注ぎ入れる。しっかり混ぜてください
昆布巻き
- 日高昆布 35cm二枚
- 身欠きニシン 3本
- かんぴょう 適量
- 生姜 1かけ
- 昆布の戻し汁 120ml
- 醤油 大匙2と2/3
- みりん 大匙2と2/3
- 酒 大匙2と2/3
- 身欠きニシンは頭を取ってさっとゆでて油抜きし、米のとぎ汁につけて一日以上つけて戻し、洗って水けをきり、縦二つに切って骨を取る
- 昆布は柔らかくなるまで水で戻し、ぬめりを取って平らにする。戻し汁は捨てない。
- かんぴょうもぬるま湯で戻しておく
- ニシンを3等分に切り高さを合わせて、二本一組にする。昆布もそれに合わせて切る。
- ニシンが中央に来るように昆布を巻いていき、かんぴょうでしっかり縛る
- 鍋に敷き詰めて調味料と昆布の戻し汁、千切り生姜を入れ、煮立ったら落としぶたをして弱火でじっくり煮る
- 時間にして1時間ほど。煮汁が足りなくなったらお湯を足していく。一晩つけて完成
おせちに使う重箱の意味
重箱を使うようになったのは江戸後期から明治にかけて。そんなに古いものではありません。だけど漆の重箱につめるとなんだか縁起がよくて豪華に見えますよね。重箱は組重ともいわれ、縁起を重ねるという意味でおめでたいとされたのです。
四の重や五の重の意味
いつの間にか消えてしまった五の重。確かに家族の形が変わって人が減ってますし、そんなに重ねたら冷蔵庫に入らないかも…。重箱が五の重まであるのは意味があり、四は春夏秋冬を表し、さらに完全な数字とされる三よりもさらに多いのでおめでたいという意味。四は「死」を連想することから与の重と言われることもあります。最近では三の重までのものも増えてきました。
五の重は諸説あるものの、来年は五段全部いっぱいに詰められますようにという意味で空っぽにしておくという説や、なますや酢の物を入れる箱という説、控えのお重として家族の好物を取り分けて入れて置いたり、多めに作って五の重に入れておくなどの説があります。
おせちを作るポイント
おせちを作るのが大変、という悩みは毎年聞きます。食材の種類も多いので買い物も大変です。おせちを作るにはいくつかポイントがあるのです。基本はとにかくメモ。ペラペラの紙ではなくずっと保存ができるノートかクリアポケットなどに入れておくと次の年も同じメニューが同じように作ることができて大変便利になります。
しっかりメモを取る
おせちの品数を考えたらもちろんメモは取るでしょ!となりますが、簡単なメモでは足りないんです。おせちを入れる重箱やこのあたりのおせちの中身がどんなものかを聞いて、しっかりとるのが重要になってきます。たとえば買ってみたけど買いすぎて全然入らなかった、逆にスカスカになってしまったということも考えられます。メニューをしっかり計画したうえでメモを取りましょう。
また、クリスマスが終わったくらいからお正月に向けては全体的に食材の値段が上がります。昆布巻きの材料や黒豆などの保存のきく食材は早めに買ってしまいましょう。冷凍保存できるような食材もここで買っておきます。段階的に買っていくと気持ちにも余裕が持てますね。このとき一緒に重箱に付箋で一の重、二の重、三の重と貼り付けておくと作るときに混乱せずに詰めていくことができます。
食材を考えながら効率よく作る
おせちの中身はひたすら煮るものがほとんどです。水分をしっかり飛ばすことになるので時間がかかります。また詰めるにしてもしっかり覚まさないと重箱や食材がいたんでしまいます。効率よく作らないと間に合わないということにもなりかねません。大みそかに昆布や豆を浸したり、数の子の塩抜きはもちろん、冷蔵庫や冷凍庫、レンジ、タッパーやラップなどの道具を駆使して効率よく作っていきます。
味付けは濃いめに
冷蔵庫が発達しておせちも保存しやすくなった現代ですが、味付けは濃いめをおすすめします。と言うのも、三が日までおせちを食べなくなった家が増えたとはいえ、保存はきいた方がいいですよね。常温に置いておくにしても暖房で温まってしまうのでやはり濃いめに。煮しめなどは味付けをしっかりした方が美味しくできあがります。また食べるときも取り皿の他に取り箸を準備しておくと衛生的にも安全です。
全部作らなくてもいい
ここまで読んでみてもうデパートで予約して買っちゃおうかなと思う方もいるのではないでしょうか。もちろんそれでもいいですが、すべて作らなくてもいいということも頭に入れておきましょう。かまぼこやいくらはさすがに作るわけにはいきませんが、だて巻きだって数の子だってできたものが売っています。
本来おせちは家族みんなで作るものでした。昆布巻き作りなどはお餅をついて鏡餅にしてから一大イベントのように旦那さんやおじいちゃんも昆布を巻いていたのです。作ってみたいな、と思うものだけまずは作ってみて、少しづつ作るものを増やしていきます。毎年作っているものが我が家の基本のおせちメニューになっていきますね。
まとめ
お正月のものだからおめでたいものだと分かっていても、おせちの各メニューと由来がここまで縁起を担ぎに担いだものだとは思わなかったのではないでしょうか。生きるのに欠かせない食べ物で、現代と違って庶民は煮しめさえなかなか口にできなかった時代にできたおせちに人々はありとあらゆる願いを込めたのかもしれませんね。
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