ピーチメルバとは？定義や名前の由来、人気の簡単レシピなどを紹介！

ピーチメルバは、バニラアイスの上に桃のコンポートをのせ、ラズベリーソースをかけたイギリス生まれのスイーツです。バニラアイスの白色、桃のピンク色、ラズベリーソースの赤紫色が鮮やかで、目を楽しませてくれます。アイスとコンポートの甘さ、ラズベリーの心地よい酸味は、初恋を思い出させる味ともいわれ、人々に親しまれています。

コンポートとは、フルーツを薄い砂糖水で煮たもののことをいいます。ジャムとは異なり、フルーツの形を崩さず本来の味を残すのが特徴です。またジャムは砂糖をたくさん使用するため長期保存が可能ですが、コンポートは少量の砂糖で煮詰めるため、数週間のみ楽しむものとされています。桃の他にリンゴや洋ナシ、イチジクなどもコンポートにピッタリです。

ピーチメルバは世界的にも人気の高いスイーツです。その人気の高さから、スイーツ以外でも「ピーチメルバティー」「ピーチメルバクリームチーズ」「ピーチメルバカクテル」「ピーチメルバの香水」など、たくさんの商品が生まれています。

ピーチメルバは英語で「Peach Melba」と表記されます。「Peach」は桃のことで「Melba」は20世紀初め頃に世界的に人気であった、オーストラリアの歌姫「ネリー・メルバ」さんの名前に由来があります。

ピーチメルバの考案者は、ロンドンのサヴォイホテルの料理長であった「オーギュスト・エスコフィエ」さんです。歌姫メルバさんはある時、ロンドンで、オペラ「ローエングリン」を演じます。その祝賀会が行われたのが、エスコフィエさんが働くホテルでした。

エスコフィエさんは祝賀会で、メルバさんのために、「ローエングリン」にちなんだスイーツを作り、彼女や会場の客人たちに提供します。スイーツを気に入ったメルバさんが「何という名前のスイーツですか？」と尋ねると、彼は「ピーチメルバと名付けられたら光栄です」と答えます。以来、このスイーツは「ピーチメルバ」と呼ばれるようになったのです。

当時、エスコフィエさんがメルバさんに贈ったピーチメルバは、氷菓子で作られた「羽を広げた白鳥」の上に、バニラアイス、桃のコンポートを乗せ、さらに糸飴で飾りを施した、華やかなスイーツでした。それが人々へ広まっていく過程で、飾りなどを取り除いた、現在のピーチメルバへと形が変わっていきました。